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【WNO07】脱いでも強いんです。マイキー・ムスメシがマルセロ・コーヘンを三角腕固めで一蹴

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催された。世界最強のノーギグラップラーであるゴードン・ライアン、そのチームメイトにして最大のライバル候補であるニック・ロドリゲス、さらに最軽量級柔術絶対王者マイキー・ムスメシら、注目選手の試合レビュー。

第1回はノーギ制覇に乗り出したマイキー・ムスメシとマルセロ・コーヘンの1戦の模様をお伝えしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 2分57秒by 腕ひしぎ腕固め
マルセロ・コーヘン(ブラジル)

試合後すぐに座ったムスメシは、コーエンの左手首を掴んでクローズドガードに。ガードが開くと、距離を取ったコーヘンはダイブしてのトーホールド狙いを2連続で繰り出す。ムスメシに難なく対処されてしまったが、積極的だ。

やがてムスメシは、コーヘンの右足に絡んでのハーフガードを作る。腰を引いて防御するコーエンだが、ムスメシは下からその左足をたぐってバランスを崩して上に。そのままコーヘンの左足を腹で潰したムスメシは、首を腕で抱えて上半身も制した上で、下半身を滑らせてマウントを奪取。3分経過のところだった。

コーヘンはなんとか下半身を動かしてハーフに戻すが、ムスメシは左腕で枕を取り、コーヘンの首を完全に殺しているので体勢は崩れない。やがてマウントに戻るムスメシ。コーヘンはハーフやクウォーターに持ち込むが、強烈なプレッシャーで首を制されている状況は変わらない。

コーヘンの左ワキを差したムスメシは、時間をかけてこじ開けにかかる。懸命に抵抗するコーヘンだが、ムスメシがさらに前方に体重をかけてゆくたびに、徐々にワキを開けられてゆく。ここでムスメシが腕を滑らせてプレッシャーが緩んだところで、左ワキを閉じるコーヘン。と、次の瞬間ムスメシは右足でコーヘンの左腕を超えて三角絞めをロックした。

まんまとコーヘンを罠にかけたムスメシは、背中を付けながらコーヘンの右腕を一瞬で伸ばしてフィニッシュした。試合時間は8分足らず。ムスメシが、5年ぶりのノーギグラップリングの試合で圧勝した。

試合後ムスメシは「(ノーギは)ちょっと滑りやすいからそこだけは違ったけど、あとはギと同じだよ」と語ったムスメシは、さらに「ちょっとモチベーションを失っていた。だからロースクール(法科大学院)に行こうかと思ったこともあったけど、DVDを創ったり、ノーギの試合にチャレンジすることでまた燃えてきているんだ」と語った。

スペースを潰してポジションを固め、プレッシャーをかけて相手の隙を作ってフィニッシュ。きわめて完成度の高い柔術ファンダメンタルの力を見せつけてノーギ復帰戦を飾ったムスメシ。この戦いが、より高い専門性を持ったノーギグラップラーとのマッチアップで通用するか非常に楽しみだ。


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