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【WNO07】プレビュー─01─世界最強ゴードン・ライアンに挑む、ホシャの秘策はラフプレー!?

【写真】ADCCでは2階級差があるゴードンとホシャ(C)SATOSHI NARITA

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催され、Flo Grapplingで放映される。世界最強のノーギ・グラップラーを3度に分けてプレビュー。

第1回はゴードン・ライアンが出場するメインの見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi


<30分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)

ライアンは、2019年のADCC世界大会にて99キロ以下級と無差別級を制覇、現在世界最強のノーギ・グラップラーと目される存在だ。バタフライガードから相手を崩してのバック取りと足関節技を得意としており、圧倒的なフィニッシュ率を誇る。先日はMMAとグラップリングでONE Championshipと契約したことが発表された。

先月のWNOでは、ロベルト・ヒメネス相手にあえてトップゲームで勝負。きわめて高い精度のパスガードの連続攻撃を繰り出してマウントを奪取し、強烈な腕十字で完勝。理詰めに段階を踏んで相手を追い詰めてゆき、その動きの一つ一つがこの上なくタイトで相手に逃げる隙を与えない、恐るべき技術的完成度を見せつけた。

その強さに釣り合う相手がなかなか見当たらないライアンとの対戦に名乗りを上げたのは、ヴェテランのヴァグネウ・ホシャだ。中重量級の体格ながら重量級との対戦も厭わず、常にアグレッシブに前に出てゆく戦いを身上とする。先月のF2W 164では重量級のユーリ・シモエス相手にスタンドで譲らず、シモエスの下からの仕掛けも防いで(裁定基準の不可解さは否めないながらも)判定勝ちを収めている。

これまでにライアンとホシャは二度対戦し、2015年に引き分け、2016年にはライアンがチョークで勝利している。そのうえ彼がこの5年間で巨大な筋肉を身に付け、技術的にも飛躍的な向上を見せたことを考えると、今回の試合も圧倒的にライアンが有利だろう。試合スタイルを見ても、ライアンの卓越したバタフライガードに対して、体格に劣るホシャが上をキープするのは困難と思われ、一度ライアンが上を取ったら試合は一方的になる可能性が高い。

事実ライアンもこの試合の決定を受けて「あんな奴、好きなだけ一方的にいたぶって、飽きたらフィニッシュしてやるよ」と余裕のコメントを残している。

同時にライアンは「奴は人を虐めることで喜びを感じる類の人間なんだ。俺がまだ19歳の頃、奴は俺がかぶっていた王冠を叩き落として笑いやがった」とホシャへの嫌悪感を隠そうとしない。

以前、AJ・アガザーム相手にラフプレイ──道着着用の試合にもかかわらず牽制のジャブを繰り出し、嫌気を差したアガザームが背を向けたところで、前蹴りでステージ外に蹴落としたという行為を見せたホシャ。

今回も好戦的な戦い方で、ライアンの冷静さを失わせる場面を作る可能性は考えられなくもない。

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