この星の格闘技を追いかける

【ONE】3月23日(火)発売GONG#313から。「俺は世界って言わない」青木塾、開校。受講者は平田樹

【写真】Road to ONE04メインで戦った平田に声を掛ける青木。意外にもロング対談は初めてとのこと (C)MMAPLANET

青木真也が、平田樹に格闘技、MMAとは何か熱弁を振るった。題して青木塾、開校。そんな両者にとって初めてのロング対談の模様を3月23日(火)発売のGONG格闘技ではABEMAとタッグを組み、共同取材を行った。

日本格闘技界の未来に対し、苦言、奨励の声を掛けた青木。ここでは本誌内に掲載しきれなかった「選手とは格闘技の話をしない」という青木が世界と言わなくなった理由、2005年のADCC挑戦や平田と同じようなキャリアの頃を振り返った言葉を紹介したい。


青木 だからね、やっぱりどんどん格闘技の話をしなくなっていくの。これはもう本当に。北岡さんとか、八隅さんとか、本当に格闘技が好きな人間とは「こうなっていて、こうなんだぁ」みたいなものを喋っているけど、他の選手とはどんどん格闘技の話をしなくなっていくんだよね。

俺、「世界」って言わないじゃん。「世界チャンピオンになる」、「世界で一番になる」とか言わないでしょ。「世界で戦う」とか。それはADCCがあって……マルセロ・ガウッシアって分かる?

平田 ……いえ。

青木 マルセロ・ガウッシアっていうのは2003年にシャオリン・ヒベイロをアームドラックからバックを取って絞めて、グラップリングの世界観を変えた人で。シャオリンって分かる?

平田 聞いたことはあります。

青木 修斗のチャンピオンだったヴィトー・シャオリン・ヒベイロから、アームドラッグからのチョークで取って勝ったんだけど、これが革命で。

で、僕はADCC世界大会への2005年に行って1回勝って、次にマルセリーニョとやって。もう相手にされなくて。

――1回戦で戦ったマルコス・アヴェランも米国のトップ・グラップラーでした。青木選手は相手おフィールドでしっかりと勝っています。

青木 NAGAって分かる? 分からないか(笑)。

平田 ハハハ。

青木 NAGAっていう大会があって、マルコス・アヴェランはNAGAのチャンピオンだったんですよ。マルコス・アヴェランとデイビッド・アヴェランというのは、グラップリング・シーンですごく有名で。当時はコブラカイのジョー・スティーブンソンとか、僕がすごく影響を受けた選手もいて。

階級別でマルセリーニョにやられて、次は無差別でホジャ―・グレイシーとやって。ホジャ―・グレイシーは分かるでしょ? ホジャ―・グレイシーにも負けて。

ADCC後もグラップリングではクロン・グレイシー、ゲイリー・トノンにも負けて。MMAの世界でいうトップどころでじゃ、エディ・アルバレスもそうだし。ギルバート・メレンデスに負けた。そこが結構すごく大きくて。

当時のギルバート・メレンデスは、世界で一、二の選手だったと思っているから、そこで負けた経験があるから、何かこう……「世界って何だ」というものを、僕は弁えている。

――平田樹選手は柔道からMMAに来て、今は色々なことを学びたい。色々なことを消化したい時期にあるかと。青木選手の3戦目の頃ってどうでしたか。

青木 中尾(受太郎)さんが2戦目です。だから、僕は平田さんとすごく近いよ。キャリア的には。あなたのほうがどんどん先に行っているけど。僕も男子の中では……堀口選手はピャーっと行ったけど、僕もDEEPでデビュー2戦して、すぐ修斗に行って5戦目でチャンピオンだから。

平田 へぇ……。

――今とは時代が違いますが、青木選手がADCCに出る前ぐらいからジムの垣根を越えたプロ練習が始まりました。

青木 それ以前はなかったですねぇ。DEEPの時は、今成さんたちとのスポセン軍団です。僕はチームROKENだった。

──懐かしい。

青木 そこからパラエストラへ行って……でもこれは不思議で、本当に今もソックリ。格闘技を教えてもらえると思って行ったの。所属になった。2004年から2005年頃。でも、いまだに1回も教わったことはない。正直、誰からも……ですね。八隅さんっていう、すごく優秀なコーナーマンがいて、そして北岡さんがいて。「どうなんですかねぇ」みたいなことを、ずっと試行錯誤しながらやってきた。

いまだに「先生は誰ですか?」と言われても、いないもん。だから、平田さんとは凄く似ていると思う。

――とはいえ、あの頃と違い今は強くなるテキストブックがあります。

青木 ありますね。あの頃は、ただスパーリングをやるだけで。ドリルもなかった。技術練習もなかった。皆がヒザ立ちからスパーリング。確かに立ちからやっていた僕たちは、珍しいほうでしたね。

※距離、バック奪取から襷掛けの是非、首投げと袈裟固め、試合に向けての気持ちの作り方と追い込み、プロとしての境遇と立場、セージ・ノースカット戦、平田樹が強くなる──などなど、90分に渡るインタビューの要点は23日(火)発売のGONG格闘技でお楽しみください。

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