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【UFC259】ソン・ヤードン、カイラ―・フィリップスの打&TDの前にオクタゴン7戦目の初黒星

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ソン・ヤードン(中国)

いきなり鋭い右を伸ばし、後ろ回し蹴りを見せたフィリップス。ソン・ヤードンは手を下げた構えで距離を取り、右アッパーを繰り出す。フィリップスは左ミドル、さらに左ジャブを伸ばす。右ストレート後に左ジャブの逆ワンツー、さらに右ハイを入れたフィリップスは、ソン・ヤードンをお株を奪う様なスピニングバックキックすら決める。

ジャブとアッパーの相打ち後も、手を出したのはフィリップスだ。ミドルにジャブを合わされたソン・ヤードンは、一度落ち着きたい。と、ソン・ヤードンが飛びヒザを見せ、やはり早いリズムのまま動き、左を被弾する。直後に右を当てたフィリップスは、ダブルレッグでテイクダウンを奪うも、ソン・ヤードンが即スクランブル。残り1分、アッパーからフックを入れたソン・ヤードンはローに右を合わせる。

にわかにパワーバランスが変わったかのような展開のなかで、フィリップスはクリンチに持ち込む。ソン・ヤードンが離れ際にエルボー、そして後ろ回し蹴りを繰り出す。最後はパンチを交換し、フィリップスが初回を取ったか。

2R、「タイミングを計って、しっかりディフェンスをしろ」とユライア・ファイバーの指示を受けたソン・ヤードンが、右を振るって前に出る。アッパーに右を合わせたフィリップスは、ここでもハイキックを繰り出す。ソン・ヤードンも前に出てワンツー、さらに左ハイから左右のフック。続く蹴りをキャッチしてクリンチのフィリップスは、離れながらスピニングバックキックを放つ。

覚悟を決めたような踏み込みからのパンチの交換で、圧をかけるソン・ヤードンはローを蹴られてもパンチを伸ばす。動きが落ちてきたフィリップスに対し、ソン・ヤードンが両手を前方で回す動きから右フックへ。フィリップスは一瞬組んで離れると、右ストレートを伸ばす。左の蹴りに左ジャブを合わせたフィリップスは、右に回りながら右を狙う。かわしたソン・ヤードンがボディを入れるが、直後にダブルレッグを許しハーフで抑えられてしまう。

互角の攻防のなかでテイクダウンを決め切ったフィリップスに対し、ソン・ヤードンがハーフから潜ってスクランブルに持ち込みスタンドへ戻る。右を当てたソン・ヤードンが左ボディを決めるが、判断の難しいラウンドになったか。

最終回、踏み込んで右を伸ばしたフィリップス。ソン・ヤードンの突進をいなし、ダブルレッグへ。ソン・ヤードンはしっかりとスプロールして、ボディフックを連打する。続いて左ミドルを入れたソン・ヤードン、フィリップスも右ミドルを返す。前に出るソン・ヤードン、回って手を出すフィリップス。ワンツーの相打ち、右ストレートも相打ちとなるが、距離を詰めてからのソン・ヤードンのパンチの回転が速い。

フィリップスの後ろ回し蹴りをかわしたソン・ヤードンが、手数で上回っている。と、フィリップスはダブルレッグを決め、ソン・ヤードンが、ケージを背負いながら立ち上がるところでバックを許す──と思いきや、そのままロールしてトップを奪取する。キムラを凌ぎトップを取り切ったソン・ヤードンをフィリップスはクローズドの中に収める。

フィリップスは2Rを取ったという計算で試合を進めているか。それでも最後に腕十字を餌に、足関節を仕掛けたフィリプス。タイムアップを迎えると、両者が大きく吠えた。結果、ジャッジも初回と2Rをフィリプスにつけたようで、3者揃って29-28で判定勝ち──ソン・ヤードンは7戦目でUFC初黒星を喫した。

「ビッグショーのトップ15のハードショットに興奮したよ。僕はタンキーニョ・メンデスの黒帯だし、柔術も見せることができた。前に進め続けるよ。誰もがチャンスを生かすことができる。それが僕のメッセージだ」と勝者は話した。


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