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【Pancrase320】魂のつまった攻防、上田将竜が杉山廣平に競り勝ち「福岡に帰るけん、待っちょってね」

【写真】しんどい根性ファイトを上田も杉山も全うした好勝負だった (C)KEISUKE TAKAZAWA

13日(日)に東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase320。

ここではフライ級の上田将竜✖杉山廣平戦、目まぐるしい攻防の入れ替わりが見られた一戦の模様をお伝えしたい。

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
上田将竜(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.28-29
杉山廣平(日本)

ジャブをダブルで見せミドル、続いて前蹴りを蹴った上田が杉山の前進+ワンツーにダブルレッグを合わせる。尻もちをつかされた杉山はケージを使って立ち上がるも、上田がボディロックで後方に再びテイクダウンを決める。

上田が足を越えてきたタイミングで立ち上がった杉山が一度は押し込むが、体を入れ替えた上田が内股で投げる。

さらにスクランブルでパワーギロチンから抑えた上田に対し、杉山が起き上がってボディロック・テイクダウンを狙う。

上田は耐えて押し込み返し、もう一度ボディロックから尻もちをつかせる。

杉山は立ち上がり、押し込んで肩パンチ。右腕を差した状態で、杉山がアンクルピックでテイクダウンを決めサイドからマウント&肩固め、体をスライドさせたところでタイムに。杉山の終盤の反撃も、上田が10-9を3票手にした。

2R、左ミドルから飛び込んだ杉山のテイクダウン狙いを、キムラで切り返してトップを取った上田。杉山も立ち上がり、押し込まれた状態から体を入れ替えて、ここもアンクルピックで倒しにかかる。

立ってヒザを蹴りあった両者、杉山のボディロック・テイクダウンと上田の小手投げは同体に。すぐに立ち上がりケージに上田を押し込んだ杉山は、立ち上がった上田の前転するような内股でトップを許す。

上田は起き上がってもケージに押し込まれ、残り1分に。上田はボディロックから後方にテイクダウン、背中に乗るが前方に落とされそうになり糸通しを狙う。

ここからクローズドに取った上田にパンチを落とし、後方回転からの亀にもパンチを入れた杉山。この攻勢にもジャッジの評価では1票の獲得に留まった。

最終回、右ハイから組んだ上田がケージに杉山を押し込む。体を入れ替えた杉山のテイクダウン狙いをキムラで耐える上田が後方への投げからトップを取る。

スクランブルでダースもボディロックで倒され、頭を抜いた杉山が後方回転にバックをとり、仰向けの上田からトップを取り切りマウントを奪う。

パンチを落とし、背中を見せた上田が胸を合わせに行くと、スクランブルとなり杉山はケージに押し込みアンクルピックをまた仕掛ける。ヒジを落とし立ち上がった上田は離れてダブルレッグ。ケージまで移動し、ヒザをついた杉山を金網におしつける。

残り1分、前方に崩された杉山がダブルレッグでリバーサル、ハーフバタフライを潰すが、上田は足関節へ。

潰した杉山がパウンドを落としていくとタイムアップに。最後まで気持ちが折れず、しんどい試合をやり切った両者──結果はスプリットで上田に凱歌が挙がった。

勝利者インタビューに涙で応えられなかった上田は「2連敗して、コロナで世の中が厳しい状態で引退も頭に過ったのですが、応援してくれる仲間や家族がいて、また頑張ろうと思えて。オファーを貰えて、戦えて。色々な重圧があったのですが、今日勝てて良かったです。ありがとうございます。もう33になるのでチャンピオンになりたいとか、海外に行きたいとか正直言えないっていうのが事実なんですが、33歳になっても強いヤツと戦いたいという想いは消えないので、またこのリングで強い相手と戦っていきたいです」と話す。

そして──カメラに向かって「去年勝てなかったですけど──ここじゃあ。父ちゃん勝ったけん。今日、福岡に帰るけん、待っちょってね」と家族にメッセージを送った。


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