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【TUF9】低調シーズンも、ライト級優勝者はピアソン

(C) ZUFFA■第7試合 TUF9ライト級決勝戦/5分3R
ロス・ピアソン(英国)
Def.3R終了/判定
アンドレ・ウィナー(英国)

【写真】優勝したピアソン。この勝利は、激化するライト級サバイバルマッチへ足を踏み入れた最初の一歩でもある (C) ZUFFA

チームUK同士の対戦となったTUFシーズン9フィナーレのライト級決勝戦。「夢が実現するだけでない、もっと大きな夢への一歩となる」とオクタゴンへ向かったウィナー。「この試合はウォーになる」というピアソンは、リーチで劣るがスタンドの打ち合いに応じるスタンスを取る。

飛び込んで左右のフックを繰り出したピアソンに、ローにはローで応えるウィナー。近距離で鋭いパンチを放つピアソンに対し、距離の取り方をアジャストしたいウィナーが先に組み付いて、ピアソンをケージに押し込んでいく。


ヒザ蹴りから、両脇を差したピアソンがテイクダウンを狙うが、差し返したウィナーがピアソンを金網に固定し、ヒザ蹴りを見せる。幾度となくケージ際でポジションを入れ替える両者、ウィナーが右エルボーを繰り出す。

ウィナーのヒザがピアソンの急所を捉え、一旦インターバルがとられる。再開後、両者が近距離でパンチを見せるなか、ピアソンがシングルレッグへ。ケージを背にし、首相撲の態勢からヒザをボディに突き上げるウィナー。ピアソンはアッパーを見せたが、最後の5秒でウィナーがパンチをまとめ、ヒザを付き上げる。

2R、初回よりやや遠い距離からローを見舞ったピアソン。飛び込んで右ストレートを放つ。さらに首相撲からヒザを二発見せるなど、1R終盤の劣勢を跳ね返そうと積極的に動く。ここでもケージ際でポジションの入れ替え、テイクダウンの攻防が続く。

アッパー、ヒザ、ヒジ、細かい攻防が見られるなか、試合はオクタゴン中央へ。ピアソンの左がウィナーの顔面を捉えたが、試合はその後、再びテイクダウンの攻防へ。このラウンドはピアソンが取り返した形で終了した。

最終ラウンド、人生が掛った5分間もケージ際のテイクダウンの攻防から。英国のファイターらしい、ベースを感じさせないMMAの攻防は、白熱したものになるが、両者一発のインパクトに欠けるという対戦に。オクタゴン中央でもパンチの交換から、またもケージ際へ、ウィナーのシングルレッグも決まらない。

ピアソンの右ローに、左ストレートを合わせたウィナー。残り時間は2分を切り、明確なポイントがないまま試合は進む。ピアソンのシングルレッグで、片膝をついたがすぐにスタンドに戻ったウィナーは、アッパーを単発で浴びたが、ボディフックを返していく。

最後の40秒、打ち勝ったのはピアソン。組みついたウィナーはケージに押し込み、最後のパンチ合戦を仕掛けるが、ピアソンのニーがその顔面にヒットする。削りあいの3Rは、スタミナで勝ったピアソン優勢に終わった。

結果、29-28×3でピアソンが判定勝ち。勝利のコールを受けると、ひざまつき涙を流すピアソン。ズッファとの高額契約を勝ち取ったが、低調に終わったシーズン。そして決勝戦でも特徴のないスタイルを露呈したと言わざるを得ない。昨今のファイターらしく、ハードトレーニングで自らを追い込み、コンディショニングに力を注いでいる姿勢は認めるものの、その前途は険しい道が待っているとしかいいようがないシーズン9ウィナーだ。

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