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【ADWP】アブダビプロ 3万ドルを目指し、世界の強豪が結集

2014.04.17

Paulo Miyao

【写真】64キロ級本命は黒帯になってからも抜群の強さを見せているパウロ・ミヤオか(C)MMAPLANET

17日(木・現地時間)から19日(土・同)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のFGBアリーナにて、アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2014が開催される。アブダビ王族から出資を受け、09年より毎年開催されているこの大会。特筆すべきは、その高額賞金だろう。今年は男子アダルト黒帯各階級の優勝者には8000ドル、無差別級の優勝者には30000ドルが授与される。一攫千金を狙い世界の強豪達が参加するため、ムンジアルに次ぐメジャー世界大会となっているといっても過言でない。男子アダルト黒帯各階級の見所を見て行こう。

-64キロ級の大本命は、去年茶帯同階級でワンツー・フィニッシュを果たしたパウロとジョアオのミヤオ兄弟(シセロ・コスタ)。必殺のベリンボロを武器に、黒帯としても無類の強さを誇るこの2人を止めるのは非常に困難だろう。先日のメタモリス3でギ・メンデスと戦ったサミール・シャントレ(カイオ・テハ)、日本のベリンボロ・マスター加古拓渡(GSB)らは彼らに迫ることができるのか。

-70キロ級で楽しみなのは、前回優勝のタンキーニョことアウグスト・メンデス(ソウルファイターズ)の柔術復帰。ここのところMMAに専念し、昨年末には見事デビュー戦を一本勝ちで飾ったタンキーニョ。ハファエル・メンデス、コブリーニャと並ぶフェザー級世界最強の男の闘いぶりを堪能したい。

彼の対抗馬としては注目したいのは、昨年茶帯同階級で優勝した新星ジャンニ・グリッポ(アリアンシ)。黒帯昇格後のヨーロピアン大会でハファエル・メンデスには敗れたものの、パン大会では見事優勝。若きモダン柔術の使い手が、メンデスのベリンボロですら完封してしまうタンキーニョにいかに挑むか。また、日本から参戦のチャールズ・ガスパー(インパクト・ジャパン)の奮闘にも期待したい。

-76キロ級。大注目はやはり一昨年に悲願の初優勝を果たした日本のホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ)。去年は3位に終わり、ムンジアルでも入賞できず――と思うような結果を残すことができなかったサトシだけに、この大会に賭ける思いは強い。中量級世界最強戦士レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)が階級を上げた今回、復活優勝のチャンスはさらに大きくなったと言えるだろう。

そのサトシに立ちはだかるのは、パン大会でもワンツー・フィニッシュを果たしたアリアンシの世界王者コンビ、マイケル・ランギとルーカス・レプリ。一昨年はともにサトシに敗れた両者だが、今年は先日のパン大会でもワンツー・フィニッシュを飾るなど好調を維持している。日本からはヨースキ・イトー(インパクトBJJ)も参戦する。

Lo【写真】1階級下でも戦えるロだが、抜群のパスの強さで82キロ級でも本命視されている(C)COPA PODIO

-82キロ級には、レアンドロ・ロ(シセロ・コスタ)、オターヴィオ・ソウザ(バッハ)、ヴィトー・エスティマ(バッハ)、クラウジオ・カラザンス(アトス)と世界の強豪がズラリとエントリー。本命はやはり、ソウザとエスティマの二人を倒してパン大会を制したロだろう。パス力もオープンガードの強固さも天下一品、最近は階級上の強豪たちも倒しているロに死角は見当たらない。オーストラリアの新黒帯、キット・デイル(チェッキマット)の活躍にも期待したい。

Galvao【写真】安定感抜群のアンドレ・ガルバォン、円熟の強さ(C)DAVE MANDEL

-88キロ級の大本命は、昨年度同階級の覇者アンドレ・ガルバォン(アトス)。去年はADCC大会スーパーファイトも制し、また今年のパン大会の最重量級と無差別級の両方を制したガルバォンは、今まさに絶頂期にある。対抗馬は昨年準優勝のホムロ・バハル(バッハ)、去年躍進したヴィトー・エンリケ・オリヴェイラ(GFチーム)らか。

Estima【写真】膠着系から一本まで、ある意味柔術家らしい柔術家ブラウリオ・エスティマ、キーナン・コーネリアスとの対戦が見たい(C)DAVE MANDEL

-94キロ級で注目すべきは、ベテランの世界王者ブラウリオ・エスティマ(バッハ)と、新星キーナン・コーネリアス(アトス)の両者がエントリーしていること。得意の逆三角絞めに加え、エスティマ・ロックやギャラクシー・ガード等の新技の開発に余念のないエスティマと、モダン柔術の回転形のスイープに加えて、強烈な極め力を持つコーネリアス。世界最高峰の新旧重量級業師対決の実現はあるか。

Rodolfo【写真】ホドウフォ・ヴィエイラ、ブラガ・ネトという強豪を倒し、ぜひとも無差別級でブシャシェと最強決定戦を!! (C)COPA PODIO

-100キロ級は、ヘビー級世界最強のホドウフォ・ヴィエイラ(GFチーム)が大本命。コパ・ポジオのヘビー級GPにおいて、ロのガードを突破しチョークで完全勝利したヴィエイラに対抗するのは、前年同階級優勝のアントニオ・ブラガ・ネト(ゴード)と、パン選手権ヘビー級を制した極め業師ルイス・パンザ(バルボーザ)か。

Marcus Almeida【写真】ホジャー・グレイシーがMMAに本腰を入れている今、最強柔術家の称号を持つといっても過言でないマーカス・アルメイダ・ブシャシェ。最重量級でもかつての軽量級柔術家のような動きを披露する。必見だ(C)DAVE MANDEL

100キロ超級は、現在世界最強の柔術家ブシェシャことマーカス・アルメイダ(チェッキマット)、そのブシェシャをノーギのADCC大会で倒して無差別級を制したサイボーグことホベルト・アベルー)(ファイトスポーツ)、先日のパン大会でも活躍したデンマークが誇る若手有望株アレキサンダー・トランス(チェッキマット)らがエントリー。さらにブシェシャの師匠であり、それ故に去年は決勝でライトスパーのような試合でブシェシャを下し優勝したホドリゴ・カヴァカの名前もある。去年チェッキマットを離れてズィニス柔術を創始したはずのカヴァカだが、大会のエントリーリストでは未だにチェッキマット所属となっている。ブシェシャと当たった場合に二人がどうするのかも気になるところだ。

そして当然、これら強豪たちが優勝賞金3万ドルを目指して争う無差別級もまた見逃せない。近年「世界最強」の座をブシェシャに奪われてしまっているヴィエイラの復活はなるか。そしてパン大会最重量級と無差別級を制したガウヴァオンや、レアンドロ・ロがどう絡むか。興味は尽きない。

また茶帯の部においては、前回準優勝のクレベル・コイケ(ボンサイ)、紫帯最重量級優勝の関根秀樹(ボンサイ)、湯浅麗歌子(ポゴナ・クラブジム)ら日本勢の活躍にも期待したい。

なおこの大会はコチラから無料ストリーミング中継される。

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