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【UFN41】モンタギュー戦へ、堀口恭司 「選択肢が増えた」

kyouji Horiguchi

【写真】グアムの雄大な自然とマリンリゾートを見下ろしてなお、「全然、遊びたいとか思わないです」と堀口恭司。空は終りがあっても、彼の可能性は無限大だ(C)MMAPLANET

5月10日(土・現地時間)、オハイオ州シンシナティのUSバンクアリーナで開催されるUFC Fight Night41でダレル・モンタギューと対戦することが発表されている堀口恭司。

2月1日にクリス・カリアソとのUFC2戦目を負傷欠場した堀口だが、既に負傷も完治し次戦へ向けて、課題の克服に取り組んでいる。そんな堀口が盟友・矢地祐介のセコンドとしてPXC42が行われたグアムを訪れた際、次戦へ向けての意気込みを尋ねた。

――2月のUFC第2戦、クリス・カリアソ戦を負傷欠場という形になり、5月10日にダレル・モンタギュー戦が決まりました。もう、ケガの方は大丈夫ですか。

「ハイ。ちょっと負傷箇所は明かせないですけど、試合の1カ月前に筋肉をやってしまって、全治3週間と診断されました。実際には回復するまでもう少し時間が掛かりましたね。今は全く問題ないです。ウェイトも前と変わらない重さを挙げられるようになったので。ただ、期待をして下さった方たちには本当に申し訳なかったです」

――完治する前から練習に戻っていたとか……。

「いやぁ、まあ……(笑)。動けるようになればいけるかなって思っていたんですが」

――ダレル・モンタギューには、どのような印象を持っていますか。

「ジョン・ドッドソンに負けていますよね。オファーを貰った時は『あぁ、アイツかぁ』って(笑)。まぁ、ボクシング・スタイルですね。自信? 自信はあります。ドッドソンに負けている人間に負けていられないというのもありますが、スタイル的にもまるっきり足を止めて打っているので。自分は足を使いますし。やっぱり足を動かしている方が強いんじゃないかなって」

――レスリングも柔術もできて、打撃も時折りスイッチをして、カウンターが上手いという印象があります。

「足を止めている相手には出入りして、攻撃を散らせておけば……。自分の距離ですね。相手のカウンターに気をつけて、フェイントを入れて戦おうと思います」

――自分よりもリーチがある相手というのは、もう気にならないですか?

「距離で対処しています。相手が出られないけど、自分も出られない距離で如何に戦うかですね」

――ダスティン・ペイグ戦を経験し、何か練習環境など変わった部分はありますか。

「かなり変えています。TEAM OTOKOGIで植松(直哉)さんに組技を教わるようになりました。植松さんのジムで柔術を習おうと思ったのですが、どうしても遠くて時間が掛かってしまうので、カリアソ戦がキャンセルになる前から田村一聖さんと練習に出させてもらうようになりました」

――手応えは?

「何ていうんですかね……、自分のバランスが一番大切なんだということが段々、分かってきました。これまで組技は勢いでやっていたんですけど、バランスがちゃんとしていれば何となくいけるなっていうのが分かってきたスよね。しっかりと自分の軸を持っていれば、組みでも結構倒すことができます。

前までは組技や寝技になると、打撃とは違うモノをしないといけないと思って動いていたんです。力で抑え込むって言うようなイメージで。それが大切なのは体重なんだと気付きました。凄く良かったです」

――それはTEAM OTOKOGIの練習のなかで指摘されて、気付くようになったのですか。

「植松さんは何でも口に出すという指導じゃないんですけど、『恭司君、普段はステップして動いているよね。レスリングのときだって、打撃と同じようにやりなよ』とか、『寝技になった時も、自分のベースが一番大切なんだから』って言ってくれて。それが練習を続けるなかで段々と分かって来たんです。

ただ、練習中に指導してもらったことだけだと、自分は全然足らないんで練習後に植松さんに改めて自分の課題を尋ねるようにしています。そこで言われることも、やっぱりバランスなんです。自分のバランスがなくなったらダメ――と。

これまで打撃と組技は別と考えていたのですが、組技や寝技になっても、自分が空手で培ってきたモノを使って戦うように心掛けています。しっかりと指導してもらえることで、ちょっと自信というのか……『このポジションは大丈夫なんだ』とか、そういうことが分かってきたスね」

――石渡伸太郎選手、上田将勝選手というこれまで対戦経験のあるファイターが練習しているなかに飛び込んでいくことに関して、躊躇することはなかったですか。

「そこは何もないです。何も気にせずに、普通に練習しています。上田さんだってそうだし、石渡さんもそうだと思います」

――それにしてもフライ級、バンタム級で凄いメンバーが集まっていますね。

「そうっスね。石渡さん、上田さん、アイアン(中村浩士)さん、一聖さん、神酒(龍一)さんとか。寝技のマスではライト級の選手ともやっています。やっぱりスパーも簡単でないことが多いので、自分の長所、足らないことも分かって来て。そのなかで『ここは大丈夫』、『ここはダメだ』っていう感覚が身についてきました。

これまで自然と出来ていたこともあったし、逆に全くできていなかったこともありました。逃げる方向が正反対だったり。『アッ、これ全然違うわ』って(笑)。植松さんも『ソレ、逆だよ』って言ってくれますし。本当に練習に参加させてもらって良かったです」

――OTOKOGIで向上した組みを打撃と合せていくために、どのような練習をしていますか。

「Krazybeeのスパーリングぐらいですね。でも、手応えは感じています。打撃から組みついて抑え込んだり、バックに回ったりできるので。かなりデキてきているなって感じています。ベースは空手なので、その良さを失くしてしまっては意味がないですが、選択肢が増えたのは大きいです。テイクダウンに来られたら――って必要以上に警戒する必要もないですし。逆に僕が組みのフェイントとかも使えるようになれば(笑)。練習では片足を取ってから、殴ったりしています」

――次戦が本当に楽しみになってきます。

「ありがとうございます。もっともっと貪欲になりたいです」

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