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【UFC167】UFC20周年、GSPが最強ヘンドリックスを迎えうつ

2013.11.13

GSP vs Hendricks

【写真】勝てば単独UFC最多勝利となるGSPが、何度も繰り返しいわれてきた過去最強のチャレンジャー=ジョニー・ヘンドリックスを迎え撃つ (C)GONGKAKUTOGI

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナでUFC167「St-Pierre vs Hedricks」が開催される。今週12日、UFCは初開催から20周年を迎え、その記念すべき大会のメインはUFC世界ウェルター級王者GSPが、最強のチャレンジャー=ジョニー・ヘンドリックスの挑戦を受ける一戦が組まれた。

2008年4月にマット・セラを破り、2度目の王座獲得をなして以来、実に5年7カ月もベルトを守り、8度の防衛を重ねてきたGSP。連続8度の防衛はアンデウソン・シウバの10度に次ぐ歴代2位。そのうち7試合は判定勝ちで、合計11度の判定勝利はUFC記録となっている。防衛戦では3試合がファイト・オブ・ザ・ナイトに輝いているが、どちらかといえば完璧な勝利で白星記録を重ねることで、記憶に残る存在となった負けないチャンピオンだ。

それでもヒザの手術と長期療養を昨年経験すると、完全無欠を誇ったGSPも昨年11月カーロス・コンディット戦ではよもやのKO負けという事態にも陥った。それでも今年3月のニック・ディアス戦では、以前より精度は落ちたもののここ一番でのテイクダウンの強さを発揮し、グラウンドでも危なげなくディアスをコントロール、フルマークの判定勝ちを収めている。He is MMAファイターと称したくなるほど、絶妙の間合いのコントロールとジャブを駆使し、鉄壁のテイクダウン能力を誇るGSPだが、ヘンドリックスはオクラホマ州立大レスリング部時代にNCAA D-1を2度制し、準優勝も1回とベン・アスクレンの優勝2回&準優勝2回に次ぐ実績をカレッジ・レスリングで残している。

加えてサウスポーの構えから放たれる左ストレートはKOパワーを有しており、マーチン・カンプマンやジョン・フィッチをキャンバスに沈めてきた。現在6連勝中でUFCでは10勝1敗でWECを含めると12勝1敗のヘンドリックス。これまでもGSPはレスリング力に定評のあるフィッチやジェイク・シールズ、そしてジョシュ・コスチェックをほぼ完封してきた過去を持っているが、フィッチやシールズは打撃の脅威は少なく、コスチェックにしても威力のあるパンチは近距離、遠い距離からテイクダウンを仕掛けてくるのは、分からないというタイプではなかった。

削り合いではGSPというイメージも強いが、それにはテイクダウンやスクランブルの攻防を制する必要がある。またGSPのテイクダウン能力の高さが最も発揮されるのは、やや遠目の打撃の距離からの仕掛け。GSPはケージに詰めることなく、オクタゴン中央で相手を倒すことが多い。つまりプレッシャーや力でドライブしたテイクダウンでなく、タイミングが命のテイクダウンといえる。そんなGSPが恐らくは嫌がる展開は、接近戦だ。奇しくも、ヘンドリックスがカーロス・コンディット戦で見せた戦い方ということになる。

距離を詰めてパンチの猛威に晒され、組みつかれたコンディット。GSPが先にテイクダウンを奪われるようなことがあると、組みへのディフェンスの意識が強くなり左の餌食となる確率も高くなる。勝負の行方を握るエレメントは、まず間合い。遠い距離を保ちたいGSPは、近づきたいヘンドリックスをジャブで制することができるか。そして、どちらが先にテイクダウンを仕掛け、先にトップを取るのはどちらになるのか。序盤の仕掛けと防御――GSPにとって勝てばUFC単独最多勝利=19となる9度目の王座防衛戦は、簡単にはいかないことはまず間違いない。

■ UFC 167「St-Pierre vs. Hendricks」対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ジョルジュ・サンピエール(カナダ/王者)
ジョニー・ヘンドリックス(米国/1位)

<ライトヘビー級/5分3R>
ラシャド・エヴァンス(米国/4位)
チェール・ソネン(米国/6位)

<ウェルター級/5分3R>
ローリー・マクドナルド(カナダ/3位)
ロビー・ローラー(米国/10位)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
タイロン・ウッドリー(米国)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国/7位)
アリ・バガウティノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/10位)
エヴァン・ダナム(米国)

<ミドル級/5分3R>
エド・ハーマン(米国)
ターレス・レイチ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・エバーソール(米国)
リック・ストーリー(米国)

<バンタム級/5分3R>
エリック・ペレス(メキシコ)
エドウィン・フィゲロア(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイソン・ハイ(米国)
アンソニー・ラプスリー(米国)

<バンタム級/5分3R>
ウィル・カンプザーノ(米国)
セルジオ・ペティス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジャン・ヴィランテ(米国)
コディ・ドノヴァン(米国)

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