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【UFN28】vsジャカレへ。サンディエゴの岡見「金網と壁は違う」

Yushin Okami

【写真】エリック・デルフィエロとパッディングを行う岡見勇信。変化は如実に見られた(C)MMAPLANET

9月4日(水・現地時間)、ブラジル・ミナスジェライス州ベリオリゾンテで開催されるUFC Fight Night 28。そのセミで、岡見勇信がホナウド・ジャカレと対戦する。

サンディエゴ、アライアンスMMAでの2カ月に渡るキャンプも大詰めを迎えた岡見に、新しい環境での練習について尋ねた。

――ジャカレ戦まであと2週間、現在の調子はいかがですか。

「そうですね、順調に来ましたね。色んなことがあって、その色んな事を含めて順調に来ました(笑)」

――最初の1カ月間は磯野さんがおらず、すぐにアライアンスMMA流の練習のリズムを掴むことはできたのでしょうか。

「滞在先やレンタカーなど、心配なこともあったんですが、家を借りることができ、レンタカーの運転も問題ないです。まぁ、練習に関しても2週間経験はあったのですが、やはり不安は感じていました」

――どのような点に不安を感じていたのですか。

「キャンプは初めてですし、どのように住んでいくのかなど2週間いただけでは掴めていなかったです。でも、ここでやろうという思いで来てみると、スパーリングから寝技の練習にもヘッドコーチのエリックを初め、柔術のコーチ、打撃のコーチが1週間のスケジュールをミッチリと組んでくれて、本当に1週間で出し切りましたっていう気持ちになる練習ができています。

それがずっと7週間続いてきたわけで。本当に言われたことをやってきただけですね。しっかりとジャカレを研究し、自分の長所を考えて、色々と作戦を練り、方向性を決めてくれました」

――ずっと岡見選手を見ている磯野さんとも話したのですが、テイクダウンやケージの攻防でないところで、スタンドといえどもジャカレにバックを取られるのが嫌な展開だと。

「背中を預けない練習は色々とやりこんできました。本当に分かりやすいことをバシッと言ってくれるので。それをやり続けろ――というコーチングの仕方なんです。そう言われると、そこを一つに絞って練習できていたので。

日本で練習している時に、分かってはいるけど、体が反応しなかったりだとか気になっていた部分を、バシッと言ってもらえました。そういう風にどんどん注意してもらえると、本当に体が勝手に動くようになってきました」

――良い悪いではなく、チーム・クエストとの違いは感じますか。

「チーム・クエストとは全然違います。もちろん、チーム・クエストにはチーム・クエストの良さがあるんですが、アライアンスは色々なコーチがいて、色んな選手がいて。面白いのは1週間で作り上げる、そして1週間毎に築き上げていくという練習方法なんです。

週に2回、スパーリングがあるんですけど、1週間、そこに向けて技術的なことを積み重ねて、スパーで出させる。1回目のスパーが終ったら、また違う技術をやる。そうやって1週に2回のスパーをフォーカスして、そのために他の曜日に色々な技術、寝技のスパーなどを積んでいきます。1日、1日でなく1週間で積みあげる。

全体のトレーニングでもそういう流れで、試合が決まっている人間はプロ練習が終わったあとに、夕方にまたジムに行って、打撃や柔術のコーチがそれぞれついて、対戦相手の対策をやっていきます」

――以前よりも練習するファイターの人数自体が増え、試合直前の選手も増えたように感じました。

「ハイ。特に今はグスタフソンや色んな選手が入ってきているので、コーチ達も大変だと思います。でも、エリックたちコーチに対する信頼は絶対です。本当に凄く良くしてくれて、激しい練習を課してくれました。エリックって、押しつけがましいところがないんです。控えめで、さり気なく優しい。そこにアライアンスの心地よさがあるんでしょうね。

エリックは自分が分からないところは、ドミニクや色んな選手に意見を求めることができるんです。そうすると、ドミニクがエリックに代わって、自分に教えてくれたりだとか。色々な技術をチームで話し合っています」

――ドミニクのリーダーシップは、見ていても気持ちが良いですね。

「凄いですよ、ドミニクは。一番ですね。どの選手にも、思い切り声を掛けているし。とにかく、何でも知っていると思います。なんで、こんなこと分かるんだろうっていうぐらい、色々な技術を知っているんですよ。ケージの使い方にしても、考え方にしても今のMMAを熟知しています」

――ケージを使ってスプロールする、テイクダウンを防御するなんて、手っ取り早くできるというようなことを言っていましたね。

「ケージの使い方は、知らなさ過ぎました。発想が違います。やっぱり金網があることが大きいです。壁と金網は全然違います。壁と違ってたわみ、隙もできます。そういう部分の技術がドンドンと進化しているんです。選手たちも考えて練習しています。改めて、そこが全然違うと感じました」

<この項、続く>

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