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【UFC163】ジョン・チャンソン無念の負傷。アルドは好機逃さず

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
ジョゼ・アルド(ブラジル/王者)
Def.4R2分00秒 by TKO
ジョン・チャンソン(韓国/5位)

両者顔を下げて、タッチグローブの際も目を合わせない。ジョン・チャンソンが左ローをまず見せる。アッパーを振りながらジョン・チャンソンが、前に出るとアルドはバッステップ。中央で王者が軽く右を見せ、チャレンジャーの左に右を合せていく。左も打ち込んだアルドは、左から右、ジョン・チャンソンももちろん下がらない。ワンツーを伸ばすアルド、まだローは蹴らない。ジョン・チャンソンの右ハイをかわし、ケージ中央を取ったアルドがプレッシャーを掛け、右ローへ。しかし、これは当たりが浅い。

残り2分、ジョン・チャンソンが左ジャブから右を伸ばすが届かない。アルドは左ジャブから、強烈な右ローを蹴り込む。右ローを返す挑戦者、アルドの右ストレートがその顔面にタッチする。残り1分、テイクダウンのファイトからパンチを見せたジョン・チャンソンだが、これもかわしたアルドが、逆にテイクダウンを仕掛ける。尻餅をついたジョン・チャンソンが立ち上がるところにパンチを打ち込もうとした王者。アルドは残り10秒でスピニングヒールキックから飛びヒザ、右を伸ばす。ジョン・チャンソンが負けじと前に出たところで初回が終了した。

2R、ワンツーから前に出たジョン・チャンソン。左を伸ばすアルドは、ケージを背にするもプレッシャーを逆にかけてケージ中央に。挑戦者もワンツーで前に出るが、アルドの逆襲を受ける。下がらないチャンソン、手数はともに多くないが、精度はアルドが上だ。左ボディフックから右フックを顔面に打ち込んだアルド、接近戦にも呼応する。アルドは続いて左ボディを決め、さらに左ストレートを伸ばす。至近距離に入ると、正面からサイドにステップを踏むチャンピオンを捉えることができないジョン・チャンソン。

アルドが右ストレートを伸ばし、前に出てきたジョン・チャンソンのパンチをかわしてから、左を打ち込む。ローを繰り出し、右を伸ばしたジョン・チャンソンだったが、直後にダブルレッグでテイクダウンを許し、パスからサイドを取られる。肩固めをまず警戒し、足を戻してから三角を狙うも、アルドは体を起こしてディフェンスする。最後は頭を胸につけたアルド、2Rもポイントをモノにした。

3R、ジョン・チャンソンの左がヒット、しかし、続く飛びヒザを抱えた王者がスラムへ。ケージを背にして立ち上がりたいコリアン・ゾンビだが、右足を両足で挟まれ、左手のリストも取られて、立ち上がることができない。ようやく立ち上がったジョン・チャンソンはケージを背にしながらも、懸命にワキを差し返しにいく。と、ボディコントロール&アウトサイドトリップでアルドが、尻餅をつかせる。

すぐに尻を上げたジョン・チャンソンの腰をコントロールするアルド。このままケージ際の攻防が続き、レフェリーがブレイクを命じる。再開後、左右のパンチからアッパーを見せたジョン・チャンソンに対し、アルドはここでも組みついていく。チャンソンのニンジャチョークはすぐに外され、アルドの押し込みが続く。2度目のブレイクが掛かり、3Rも残り10秒に。左右のパンチを受け、ヒザを受け流し切ることができず背中をついた王者。

押し込み一本槍の3R、この後のためのスタミナ温存か、スタミナが切れかかっているのか――4Rが開始した。右を伸ばしたジョン・チャンソン。アルドは右から左を返すが、軸が乱れているようにも見える。プレッシャーを掛けるのはチャレンジャー、アルドは下がりながらのパンチが増えてきた。ジョン・チャンソンが左ストレート、左フックから右を伸ばす。さらに右を伸ばしたジョン・チャンソンだが、ここで動きが止る。

ハイキック2発から、テイクダウンを奪ったアルド。パウンドを落すとジョン・チャンソンがガードも取れず、背中を預けてパンチを受け続ける。ここでレフェリーが試合を止めると、ジョン・チャンソンが肩を抑え、苦痛の表情を浮かべる。どうやら、右ストレートを放ったときに、肩、あるいはヒジが抜けた模様だ。ジョン・チャンソンの負傷に気付き、猛攻を仕掛けたチャンピオン、テイクダウン狙いも作戦と話し、次については「UFCが選んだ相手と戦う」とコメントを残した。

4R、流れが変わりつつあるような気配もあっただけに、つくづく残念なジョン・チャンソンの負傷だが――、そこも含めて王者の強さということなのだろう。

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