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【UFC152】ミドル級挑戦権獲得へ、一方も譲れないビスピン×スタン

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【写真】練習中でも強力なキャプテンシーを持つブライアン・スタン。グレッグ・ジャクソン陣営の立てた戦略をオクタゴンのなかでどこまで忠実に実行できるか (C) MMAPLANET

19日(水・現地時間)、22日(土・同)にトロントのエアカナダ・センターで開催されるUFC152「Jones vs Belfort」。ライトヘビー級&フライ級で世界戦が組まれている同大会だが、ミドル級タイトル戦線に影響を与える一戦も用意されている。

メインとセミを失ったUFC153=リオ大会の窮地を救うべく、王者アンデウソン・シウバがライトヘビー級戦でステファン・ボナーと戦うことになり、王座を争う戦いは小休止に入った。結果、この間に次期挑戦権争いが激化する。

現時点で今年に入りデミアン・マイア&マーク・ムニョスを倒したクリス・ウェイドマンが一歩リードするような状況だが、MMA9戦9勝でUFCでも5連勝中という彼の挑戦がスンナリ決まらなかった背景にはウェイドマンの言う「アンデウソンが逃げた」ということだけでなく、アンデウソンが対戦を渋るネームバリューの低さが少なからず影響しているだろう。

その点、今大会で組まれたマイケル・ビスピンとブライアン・スタンは、『名前』という部分でファンへの浸透度は明らかにウェイドマンを上回る。ビスピンはTUFシーズン3覇者からTUF9&14のコーチを経て、毒舌家ぶりやマナーの悪さ、特に米国人心理を逆なでする言動で特異なヒールとして存在感を持つ。一方、スタンはWEC時代から注目されていたシルバー勲章を得た戦火の英雄だ。

イラク戦争で窮地に陥った部隊で、一人の脱落者も生むことなく全員を生還させたスタンは、抜群のリーダーシップを兼ね備えた性格の持ち主で、米国MMAファンからすれば、ビスピンとは対照的な存在といえる。この対戦の勝者とウェイドマンが、挑戦権を賭けて丁々発止の攻防を水面下で繰り広げることが予想される。とにかくビスピンとスタンは、この試合に勝つことが先決だ。そんな両者のファイトスタイルは、ボクシング中心のオールラウンダーという面では似通っているかもしれない。特に試合では見せないが、寝技の熟練度も高い。ただし、打撃戦のセオリーは性格同様に対極にある。

ビスピンは距離を詰めたなかで、しっかりとディフェンスを心掛けながらコンビネーション、あるは勢いで連打を放っていく。ボクシング寄りのパンチをMMAで使いこなすタイプだ。スタンは一発撃てば、相手の正面に立たないような位置取りをし、動きながらパンチを使う、よりMMAよりのボクシングを駆使する。

近距離戦で打撃を意識させテイクダウンに持ち込むことも少なくないビスピンと、間合いと角度をコントロールし、パンチで削りながらダメージを蓄積していくスタン。勢いがあるように映るのはビスピンだが、その勢いを空回りさせるのが現代MMAの醍醐味。前に出るビスピンだが、決して猪突猛進ではない。そんな彼のステップワークが、試合を左右するファクターになるだろう。

■UFC152「Jones vs Belfort」

<ライトヘビー級/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)

<UFC世界フライ級王座決定戦/5分5R>
ジェセフ・ベナビデス(米国)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
マイケル・ビスピン(英国)
ブライアン・スタン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マット・ハミル(米国)
ロジャー・ホレット(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国)
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・ポクライエク(クロアチア)
ヴィニー・マガリャエス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
エヴァン・ダナム(米国)
TJ・グラント(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
シェーン・ピアソン(カナダ)
ランス・ベノア(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジミー・ヘッテス(米国)
マーカス・ブリメージ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
セス・バクジンスキー(米国)
シメオネ・ソーレセン(ノルウェー)

<バンタム級/5分3R>
ワレル・ワトソン(米国)
ミッチ・ギャグノン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・ノーク(豪州)
チャーリー・ブレネマン(米国)

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