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【Glory】It’s ShowtimeをGloryが買収。キック界、統一へ?!

2012.07.01

Glory time

【写真】マイクを握るサイモン・ルッツと、笑顔で耳を傾けるバス・ブーン。歴史的瞬間……(C) BEN PONTIER

6月30日(土・現地時間)、ベルギーのナショナル・フォレストで行われたIt’s Showtimeのメイン=ピーター・アーツ×タイロン・スポーン戦前に、キックボクシング界の歴史に残る大きな発表があった。

メイン前にリングに上がったイッツショータイム代表のサイモン・ルッツが、「何年も可能な限り、ベストファイターをこのリングに上げてきました。みんなのサポートに感謝しています。ここで大きな、本当に大きなニュースがあります。格闘技界、特にキックボクシング界にとって大きなニュースです。私はここでGlory Sports Internationalのバス・ブーン代表を紹介します」と語ると、長い間、ライバルとして公私ともに競い合ってきたバス・ブーンと他、数名がリングに上がってもルッツのコメントは続いた。

「私はIt’s ShowtimeをGloryに売却しました。6時間前のことです。みんな、『なぜ?』と思うだろう。Gloryは世界でナンバーワンのファイティング・グループになる要素が揃っている。そして、世界のベストファイターが50パーセントずつ二つに分かれているより、一つのリングに上がる方が良い。ファンのみんなが思ってきたことだ。

ベストファイターが、ベスト・オーガナイゼーションに上がり、ベストのインベスターが投資をしてくれる。Gloryはキック界で最大のグループとなる。私は今回の売却を誇りに思う」と語ったルッツは、バス・ブーンにマイクを譲った。

「言いたいことは、みなサイモンが言ってくれた」と笑顔のブーンは、ここでリングに上がったGloryの面々を紹介。そして、最後にリングアナが、「It’s Showtime」ではなく、「It’s Glory time」と叫び、立ち技格闘技界に一大潮流が生まれるためのイニシエーションは終わった。

新生K-1に協力していたIt’s ShowtimeがGloryに売却されたことで、ルッツ配下といってよいイッツショータイムとブラックレベルのファイターのK-1出場がなくなれば、K-1Globalには大きな痛手となることは間違いない。

同様に今後、It’s Showtimeが行われるかどうかは、Glory Sports International内でも方向性は定まっていない模様だ。既に開催が発表されているスペイン大会やに日本大会はこのまま開かれるのか。Gloryの名に統一されるのか。少なくとも、今年中はIt’s Showtimeは存続するという見方がある一方、来年以降もGloryのフィーダー・ショーとして存在することで、その名が残る可能性もある。

「6時間前に……」とルッツは語っていたが、この日の発表に向けて、以前から話し合いの場が持たれてきたことは想像に難くない。ルッツが先週末にGSIがベースを置く、クアラルンプールを訪れていたという未確認情報もある。今回の合意が用意周到だったことは、イベント終了直後にGSIからプレスリリースが配信されていることでも明らかだ。

そこではGSIマネージメント・ディレクターのマーカ・ルアーの言葉で「世界の立ち技トップファイター全員が、一つのシリーズ(=Glory World Series)で戦うことになる。GWSは彼らの才能と腕前を披露する究極のプラットフォームになる。これ以上にエキサイティングなことはない。Gloryはすぐに、新しいイベント、2013年のトーナメント方式を発表する。イッツ・ショータイム(さぁ、ショーの始まり)だ」と記されている。

今後、GSIはバス・ブーンやサイモン・ルッツでなく、このルアーという人物が舵を取っていくことが、このリリースからも想像ができる。また、同プレスリリースを発信しているPR担当者はマイク・アフロモヴィッツ、そう元Strikeforceの副代表だ。リング上だけだなく、リング下も陣容を固めるGlory。いずれにせよ、この日、キックボクシング界にはGloryという名のMMAでいえばUFCに匹敵する、巨大プロモーション、そして業界の盟主が誕生したことは間違いない。

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