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UFCが新興アマMMA組織、IMMAFに協力、五輪を目指す

2012.04.13

Wallen12日(木・現地時間)にUFCより、International Mixed Martial Arts Federation(IMMAF)という新興アマチュアMMA組織に協力するという旨の発表があった。

【写真】今から7年も前の写真だが、この人物がIMMAF代表となったオーガスト・ワレン。シューターズ・シュートファイティング出身ファイターには、オーレ・ローセンやマーティン・カンプマンらがいる (C) MMAPLANET

同リリースのなかで、ズッファのロレンツォ・フォティータCEOは「アマチュアレベルから普及に努めることが、このスポーツの発展に欠かせない」という発言をしている。さらに安全性を重視し、一つの組織の傘下グループが増えることで、MMAを五輪スポーツにする一歩としたいというコメントも見られた。

ズッファ副社長で、競技運営面を取り仕切る元ネバダ州アスレチック・コミッションのマーク・ラトナーも「このような組織の発足を待ちわびていた」と歓迎の意を表しており、IMMAFに協力し、世界統一ルール、安全基準を設け、ファイターの健康を守っていくことも表明した。


IMMAFは、まさにこの発表と同時にウェブサイトが立ち上がり、発足した組織で、代表をオーガスト・ワレンが務めることとなった。スウェーデン人のワレンはパンクラス来日経験のあるオマー・ブイシェとともに90年代中期に米国を訪れ、バート・ベイル率いるシュートファイティングに感化され、シューターズ・シュートファイティングを発足させた同国MMAのパイオニア的存在だ。

Fighter Extreme【写真】シューターズ・フェスティバルでは、シュートファイティングルールでエルビス・シノシックと対戦したこともあるオーガスト・ワレン(C) FIGHTER

スウェーデン第2の都市ヨーテボリに、シューターズ・シュートファイティングの総本山というべきルプス・ジムを開き、スカンジナビアはおろか英国まで、掌底+パウンド無しのアマチュアMMAを90年代末期から広めた。

そのシューターズ・シュートファイティングを商品登録したことで、盟友ブイシェと別々の道を歩むことになったが、ファイターの成長とともにファイターズ・エクストリームという格闘技の祭典的なイベントを開催。さらに03年末にはデンマークで、ヨーロピアンVTというケージ大会を旗揚げし、ストックホルムでも翌年にイベントを開始した。

またルプス内にはシューターズ・オフィスだけでなく、格闘技専門誌=ファイターの編集部もあり、ワレンは選手の育成、大会開催からメディア戦略まで、八面六臂の活躍を見せた。その後、選手の離反なども経験したが、スウェーデンでMMA禁止法案が可決、施行されてなお、政府から諮問委員のような立場に任命を受けるなど、辣腕振りを発揮してきた。

そんなワレンがIMMAFを仕切る。UFC初のスウェーデン大会直前に、スウェーデンMMAの重鎮とズッファが手を結び、世界のアマチュアMMAの普及に乗り出すという思いもしない展開が待っていた。とりあえず、どのような形でIMMAFが実働していくのか、その動向を見守りたい。

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