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【UFC127】シバーが完全アウェイを跳ね返す

2011.02.27

■第10試合 ライト級/5分3R
デニス・シバー(ドイツ)
Def.判定3-0
ジョージ・ソティロポロス(豪州)

ここまでで一番の歓声を受けるソティロポロス。左ジャブを伸ばしながら、左へ回る。左前蹴り、左ハイを見せたシバー。互いに距離を測る序盤の展開に。シバーの右フックに、シングルレッグを狙ったソティロポロスだが、これはすかされる。

左ジャブの連打から距離を詰めて、右ストレートをヒットさせたソティロポロス。打撃系のシバーに負けないパンチを振るい、前蹴りを捌いてドライブするが、テイクダウンには至らない。続く接近戦で左フックを決めたシバーは、ソティロポロスのテイクダウン狙いを後方にいなし、スタンドをキープする。

豪快な後ろ回し蹴りを見せたシバーは、インファイトでソティロポロスの顔面に左フックを打ち込む。それでも前に出てくるソティロポロスのワンツーに左フックを合わせたシバーがダウンを奪う。

立ち上がってパンチを返すソティロポロスに再びフックをヒットし、ダウンを奪ったシバーがパウンドの追撃を加える。スタンドに戻っては、ソティロポロスのテイクダウン狙いを切ったシバーが、一発の怖さを見せつけ初回を奪った。

2R、再び打撃戦を挑むソティロポロスだが、距離はシバーか? 距離を取り直したソティロポロスが、素早い左ジャブを見せる。思い切り踏み込んで左フックを放つシバー。タイミングよく組みつくソティロポロスだが、シバーはこれを跳ね返す。レッツゴー・ジョージ・レッツゴーとシドニーのファンの後押しを受けるソティロポロスは、ダブルレッグを跳ね返され、またも左フックを受ける。

シバーの右ハイの直後に、右ボディを決めたソティロポロス。さらにシングルレッグを切られ、今度は右をもらう。それでも、しっかりとヒザを落し、ダメージも疲れも感じさせないソティロポロスは、逆に右を打ち込んでいく。やや下がるシバーに左から右を打ち込み、シングルを仕掛けたソティロポロス。

下がると、打ち込まれるとばかりに前へ前へ出ていく。残り1分、肩で息をするようになったシバーに右をヒットさせたソティロポロス。続いて左ハイを蹴り込み、スタンドの攻防で2Rを奪い返した。


最終回、パンチの回転数が早いのはソティロポロス。シバーもシングルを切り、一度たりともテイクダウンを許さない。踏み込んでフックを見せるシバーだが、疲れからか前足がそれほど出てこない。結果、空振りすると上体が乱れるようになる。

スタンスが崩れないソティロポロスは、左ローを掴み、前に出るが、それほどテイクダウン狙いに拘らずパンチを繰り出す。それでも、時おり繰り出すシングルレッグがシバーの前進を止める防波堤の役目を果たしている。

残り2分半となり、前に出てパンチを集中させたシバーだが、精度は低い。ソティロポロスは、前に出る姿勢を崩さないが、ここでシバーの後ろ回し蹴りをボディに受け、動きが一瞬止まる。ここでパンチを重ねたいシバーだが、やはりスタミナをロスしているのか、単発のパンチしか見せることができない。

残り30秒、シバーのローをいなし、ジャブを出すソティロポロス。なかなか距離がつまらないなか、再びバックキックをシバーが見せ、ここで試合はタイムアップに。初回は確実に失ったソティロポロス、2Rと3Rがどのように判断されるか。

ジャッジの裁定は30-27、30-28、29-28でシバーが勝利。完全アウェイの状態で判定勝ちを手にしたシバーは、「凄くハードな試合だったけど、作戦通り戦えたので、勝利を手にすることができた。ジョージは寝技が強いので、テイクダウンを許さないよう毎日、必死で練習した」という勝者に、豪州のファンはしっかりと大きな拍手を送った。

「テイクダウン・ディフェンスは本当に良かった」と語ったソティロポロスは、タイトル戦線トップに躍り出る大きなチャンスを逸した。

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