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【WEC49】理解不能な判定、バーナーの努力が報われず

2010.06.21

Varner<ライト級/5分3R>
ジェイミー・バーナー(米国)
Draw.3R終了/判定1-1
キャメル・シャロルス(英国)

【写真】これが3度目の急所打ち。もう、反則負けを宣告していてもおかしくないような一撃に見えたが…… (C) ZUFFA

左ジャブから、思い切り右を伸ばしたバーナーに対し、シャロルスはローを放っていく。シャロルスがローを2度、3度を重ねると、バーターの体がよれるシーンも。距離が詰まると、バーナーは左右のフックからハイを見せる。シャロルスが前に出てくると、強烈な左右フックを見せるバーナーだったが、逆に左を受けてしまった。

両者とも左右への動きがほとんどなく、前後で距離を取り合うやや単調かつ、迫力あるパンチの交換が続く。シャロルスの左ローに右を合わせたバーナー。バーナーの右がヒットすると、シャロルスが後退。首相撲からヒザを放ったバーナーだが、シャロルスは距離を取り、両手を上げて「大丈夫だと」アピールする。再び足を止めて打ち合う両者、バーナーが間合いを取り直し、サークリングを見せたところで初回が終わった。


2R、いきなり右ハイをヒットさせたバーナー。シャロルスはアッパー、そしてローを返していく。距離を取るバーナーだが、シャロルスのローが急所に直撃しインターバルが入る。リカバリータイムが取られ、試合が再開されると、シャロルスのローを嫌がるようにバーナーは足を使う。ケージ際を回りながら、一気に距離を詰めてパンチを放つバーナーだったが、シャロルスのローが再び彼の急所に入り、もんどりうって倒れる。シャロルスには1Pのペナルティが、バーナーにはリカバリータイムが与えられる。

足を引きずり、深呼吸を繰り返すバーナーが試合再開に応じる。ローで体がよれるバーナーに対し、左ミドルを連打するシャロルス。すると、ハイを入れたバーナーが左右のフックをヒットさせる。一瞬、動きが止まったシャロルス、バーナーは慎重に距離をとり、蹴り技中心に攻めると、距離を詰めたシャロルスの左がバーナーを捉える。残り1分、急所のダメージかバーナーの手数が極端に少なくなる。左ハイを放ち、後方にバランスを崩したバーナーが立ち上がろうとしたところに、シャロルスが左右のフックで襲いかかる。ラウンド終了と同時に、背中を伸ばすバーナーは、明らかに急所のダメージが残っていそうだ。

最終ラウンド、スタンド戦が続く中、またもシャロルスのローがバーナーの急所に。不思議なことに急所蹴りの精度が上がっており、今回はモロに脛で蹴り抜かれたバーナーはついに背中からキャンバスに倒れ込む。座り込み、金網に手を掛けて痛みに耐えるバーナー。

再開後は、インローでなく、アウトサイドから蹴りを見せるようになったシャロルス。どうにも両者のリズムが悪くなる。バーナーはローキックを掴まれ、テイクダウンを奪われると、シャロルスはインサイドからボディ、顔面にパウンドを落とす。残り試合時間1分を切り、バーナーのリバーサルの仕掛けから両者スタンドに。前に出るシャロルスに対し、バーナーが距離を取る展開が続き、試合はタイムアップとなった。

試合終了後、すぐに右のグローブを外し、氷で冷やすバーナー。ジャッジの裁定は、29-27でシャロルス、二人目のジャッジは29-27でバーナー、最後のジャッジが28-28でドローという結果に。

「僕は絶対に勝っていた。シャロルスはグレートファイターだ」と肩を落とすバーナー。3Rの急所蹴りにペナルティがなかったことも不思議だが、同時にこの試合内容でペナルティがなければ、シャロルスにフルマークをつけるジャッジがいたことは、もう呆れるしかない。拳を折り、急所を3度蹴られながら、15分間戦い抜いたバーナーの努力が、MMAに無知なジャッジのおかげで報われることはなかった。

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