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【ONE106】草原の剛腕が磨かれたのは路上の現実。注目モンゴリアン=シネチャグタガ・ゾルツェツェグ

Shinechagtga【写真】シネチャグタガ・ゾルツェツェグ。感情が読み取れない──本当のところは分からないが、昔の日本人ってこうだったのではないかと(C)MMAPLANET

いよいよ本日10日(金・現地時間)にタイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE106「A New Tomorrow」。同大会ではアジアのMMA界のニューパワーハウス、モンゴルからシネチャグタガ・ゾルツェツェグが出場し、マー・ジャワンと対戦する。

ウォリアーシリーズから本戦進出を勝ち取った草原の剛腕=シネチャグタガに騎馬民族の強さについて尋ねた。


──いよいよONE本戦初戦が迫ってきました。

「一つの目的が達成される瞬間であり、夢が実現する。ただしONE本戦で戦うことが目的ではなく、勝つこと、そしてベルトを巻くことがゴールだよ。とにかく、金曜日に試合ができることは幸せでしかない。凄く大切な試合になるので、多くの人の心に残るファイトをしたいと思う」

──ONEウォリアーシリーズで4勝1敗、論田愛空隆選手を58秒でKOした試合は特に日本のファンにインパクトを残しました。

「あの試合は対戦相手のことを頭に入れて戦うということは一切なかったんだ。ただウォリアーシリーズの初戦だったから、今回の試合と同様に皆の心に残る試合をしようと全力で戦った。少しでも早く試合を終わらせようと思ってね」

──シネチャグタガ選手にとって、MMAで戦ううえで最も得意としている攻撃は何になりますか。

「僕の強味はパワー、そしてストリートで培った気持ちだ。これまで数多くストリートで戦って来た。そして決して折れることのない気持ちが僕のアドバンテージになる」

──シネチャグタガ選手のベースは喧嘩ということなのでしょうか。

「う~ん、格闘技としてはフリースタイル・レスリングを10代の時に始め、それからボクシングも学んだ。だからレスリングとボクシングが軸にあるとはいえるけど、ストリートでは頭突きから、急所への攻撃から何でも使った。MMAに出会うまで、ずっとそんな生活を送ってきたんだ。

そしてMMAでめぐり逢い、リッチ・フランクリンのおかげでウォリアーシリーズで戦うことができた。金曜日の試合では、リッチ・フランクリンの目が正しかったことを証明する。大仕事をやってのけるつもりだ。僕がアジアのベストファイターの1人であることを示したい」

──モンゴルはアジアで最も注目すべき新勢力です。モンゴル人選手の強さはどこから来ていると思っていますか。

「モンゴル人の強さ……その答えは、モンゴル人の血としか言いようがない。それがいつから続いているのか、いつから始まったのかは僕も分からない。でも、僕らはチンギス・ハンの時代から強さを今日まで変わらず強さを持ち続けている。

そして、モンゴル人の歴史は領地の奪い合いだ。そこには常に血で血を洗う戦いがあった。素早く攻めて、全てを持ち去る。それがモンゴル人の戦いであり、同時に遊牧民というライフスタイルも強さの要因になっている。

自然と向き合ってきたモンゴル人は、他の民族にはない強さを誇っているんだ」

──以前、ジャダンバ・ナラントガラグ選手に『強さの理由』を尋ねた時にモンゴルの岩塩、そして馬のアキレス腱を食べるからという返答がありました。

「モンゴルの岩塩、馬のアキレス腱──その答は、実は僕が言っていることと同じだと思う。モンゴルの岩塩はモンゴル人の食事の源で、その強さを支えている。馬のアキレス腱、馬とともに生活してきたモンゴル人は、子供のころから馬に乗る必要がある。優れた馬術の習得が欠かせないんだ。そして馬を組み伏せる技が、発達してきたんだ。

遊牧民を支えているのは食事、馬術、そしてモンゴル相撲だから。ナラントンガラグの言っているモンゴル人の強さ、それはつまりモンゴル人のライフスタイルということだと思う」

──いやぁ、凄く興味深いです。ますますモンゴル人選手への注目が深まるであろう、日本のファンへ一言お願いします。

「日本の人たちが、僕らを注目してくれてとても嬉しい。皆に僕はただグッドファイターでなく、次のチャンピオンになる男として注目してほしい。ありがとう」

■ONE106対戦カード

<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者]ジョナサン・ハガディ(英国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
プジャ・トマール(インド)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
センマニー・サティアンムエタイ(タイ)
山田健太(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タン・リー(米国)
高橋遼伍(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リアム・ハリソン(英国)
モハメド・ビン・マムード(マレーシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ムエンタイP.K.センチャイムエタイジム(タイ)
ブライス・デルヴァル(アルジェリア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ライモンド・マゴメダリエフ(ロシア)
ジョーイ・ピエロッティ(米国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ヴィクトー・ピント(フランス)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マー・ジャワン(中国)
シネチャグタガ・ゾルツェツェグ(モンゴル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マイラ・マザール(ブラジル)
三浦彩佳(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ヨハン・ムリア・レゴウォ(インドネシア)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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