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【Shooto】2019年中に伝えたかった声──沖縄編─01─平良達郎「修斗で王者になってから、ONE」

Tasuro Taira【写真】どこからどう見ても青年の主張ができる──19歳の平良(C)MMAPLANET

現在発売中のFight &Life Vol.76では沖縄紀行として、現地のMMAと柔術の現状&将来を語った──砂辺光久と松根良太の対談記事が掲載されている。

Fight & Life同紀行の執筆にあたり修斗、パンクラス、DEEP、GLADIATORで活躍する沖縄在住のMMA選手、そして柔術家の声を多く拾ったが、ページ数には限りがあり記事内ではキャプションでしか伝えられなかった。

MMAPLANETでは、そんな沖縄在住の選手たちの声を書き記していきたい。

題して──2019年中に伝えたかった声──沖縄編。その第1弾は26日(日)のプロ修斗公式戦でチーム・ラカイのジャレット・ライアン・アルマザンとの対戦が決まった平良達郎の声を紹介する。

取材前日にWORDOGフライ級チャンピオン大翔を初回2分08秒でTKOしていた平良。彼が2019年11月に語っていたこととは──。


──平良選手に関しては、試合前から佐藤ルミナさんから『良い選手だよ』と聞かされていて注目していたのですが、えげつないほど容赦のない勝ち方でした。

「大翔選手は他団体のチャンピオンで、ROAD FCでも試合をしています。そして年下。修斗のランカーとして、圧倒して勝たないといけなかったので、今はホッとしています。厳しい選手と戦っているのはこっちという自信があったので、その差を見せたいと思っていました」

Sledge Hammer──容赦のない鉄槌攻撃などケージに入れば完全にスイッチが入るのですね。実はルミナさんとも余りにもえげつない鉄槌だったので「性格が悪いんじゃないか」って話していたのですよ(笑)。

「えぇ? 鉄槌って2試合前ぐらいから使うようになって、その時は無意識だったんです。でも昨日は『鉄槌は見栄え的にも良いなぁ』って感じていて、自然と出ましたね」

──ところで19歳の平良選手、修斗を始めたのはいつ頃ですか。

「高校1年生の時の夏だったので、15歳の時でした。中学で野球をやっていて、高校ではもう良いかなって続けなかったんです。兄がパラエストラ沖縄でキックボクシングをやっていて、火曜日と金曜日に通っていて誘われた形です。で、実際に来てみたら、松根会長が優しかったので(笑)。それで入門したんです」

──MMAへの知識はあったのですか。

「K-1とかは月並に聞いているぐらいで、MMAは言葉すら知らなかったです。中学の時にプロレスごっごとか流行っていましたが、MMAは話題にもならなかったですし、PRIDEとかも世代的に知らなかったです」

──お兄さんがキックをやっていて、平良選手は柔術や修斗をやるようにもなったのですか。

「最初は兄と同じでキックだけだったのですが、『兄弟揃ってキックだけなんて恥ずかしいだろう』って言われて(笑)。兄は大学生でバイトもしていたので、週に2日が限度だったのですが、僕には時間があったので柔術のクラスにも出てみたら凄く楽しかったんです。

関節技とか絞め技って相手が抵抗していても極まるということを知って、そこからですね。本当に極められるんだと思って、ハマって行ったんです」

──そこからプロシューターになろうと思ったのは?

「始めた頃は(仲宗根)武蔵さんと玉城(優介)さんの2人がプロだったんですけど、それから先輩の(MC)たわし選手や旭那(拳)選手とかがアマ修斗全日本で戦い、プロデビューを決めたのを見たときですね。『沖縄でやっていてもプロになれるんだ』って。自分も全日本に出てプロに昇格したいと思うようになりました」

──両選手とも2017年のデビューで。平良選手はその2017年に、17歳で全日本アマ修斗のフライ級で優勝しました。プロになると伝えた時、親御さんはどのような反応でしたか。

「応援はしてくれましたけど、ある程度までやれば辞めなさいと言う感じでした(笑)」

──対して、平良選手の今の気持ちは?

「修斗でチャンピオンになってから、ONEに出たいです」

──昨日はケージサイドにONE JAPANの秦社長がいたので、アピールすれば良かったではないですか(笑)。

「自分もしたかったんですけど、5試合しか実戦経験がないので……。でも、言えば良かったです(笑)。そのためにも、とにかく今は修斗でランキングをあげたいと思っています」

──UFCではなくて、ONEなのですね。

「UFCだとフライ級は人気がないので(笑)。人気がないとこでやってもしょうがないかなって……」

──上背がありますし、バンタム級でも戦えるのではないですか。

「今、体重が64キロなので68キロぐらいになればバンタム級で戦えるかと思います」

──沖縄にいながら2年で5試合、順調に試合をこなしていますが、うち2試合が地元での試合でした。

「やはり沖縄で戦う機会は少ないですし、普段は試合を見てもらえないような人にも見てもらえて嬉しかったですね」

──この次はどこを目指していますか。

「ランキングが上の石井逸人選手とか……TRIBE……関東の選手とやりたいです」

※取材後、沖縄在住だと次の試合がいつになるのかは読めないという話もしていたが、後楽園ホールで国際戦が決まった。地方大会で結果を残した選手が、後楽園ホールで試合をするというのは非常に良い流れだ。

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