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【Bellator237】住村竜市朗とケージでRIZINルール戦、ジョン・タック「危険だからこそ楽しみ」

Jon Tuck【写真】1984年8月生まれ、MMAデビューは2007年だが戦績は15戦10勝5敗と試合数は決して多くないタック (C)

29日(日)さいたまスーパーアリーナで開催されるBellator Japan= Bellator237「Fedor vs Rampage」。同大会ではポストリムファイトでRIZINルール初のケージマッチが行われる。

そんなRIZINルールinサークルケージの試合で、ジョン・タックが住村竜市朗と対戦する。PXCからTUFを経て、UFCで活躍してきたタックは、オクタゴンで五味隆典から一本勝ちを収めている。

現在はアーセン&美憂の山本親子の指導者として、日本のファンには名前が知られているタック、昨年8月以来の実戦が待望の日本での試合となった彼をインタビューした。RIZINルールがケージで行われることを混じりっ気のないファイトに近いとタックは言い切った。


──ベラトール日本大会に出場が決まった時の気持ちを教えてください。

「凄く嬉しかったよ。UFCの時には日本で戦うことできなくて、ベラトールとRIZINのコラボレーション大会に出場できることは光栄な限りだよ。

しかも年末に、さいたまスーパーアリーナで戦えるなんて……。ミウ・ヤマモトとアーセン・ヤマモトのコーナーでスーパーアリーナを訪れた時に、凄くエネルギーを感じることができたんだ。あのエネルギーに満ちたアリーナで戦うことを楽しみたい」

──9月にベラトールでブランドン・ガーツと戦うことが決まっていましたが、実現せず今大会の試合に出場となります。

「UFCから離れたあと、グアムから近い日本──RIZINで戦いたいと思っていたんだ。僕はアジア太平洋地区のライト級トップファイターだし、ライト級トーナメントに出られることを期待していた。それが叶わず、ベラトールのライト級4位にあたるガーツと戦うことを決めた。RIZINに負けず劣らず、良い環境だと思ったから。でも、試合の1週間前に彼がケガをして試合がなくなってしまったんだ。

ベラトール・ライト級4位、もしくは3位というポジションについてタイトル挑戦を目論んでいたから残念だった。そして、今大会の出場をプッシュされて日本に行くことが決まったんだ」

──しかし77キロという体重で戦うことは驚かされました。

「スミムラさんと戦えて嬉しいよ。ウェルター級でも僕は決して小さくない。食べたいモノを食べて、凄くヘルシーだ。ホルヘ・マスヴィダルのようにライト級からウェルター級に上げて成功している選手も少なくなく。RIZINで戦うことができるんだから、ウェルター級で戦うことは何も問題じゃなかった。

スミムラさんがライト級に落とせないなら、僕がウェルター級で戦うまでだよ。彼は僕と比較しても、それほど大きくないしね。ここカリフォルニアでもウェルター級やライト級ばかりか、UFCミドル級ファイターのケルヴィン・ガステラムともトレーニングをしてきたんだ」

──つまりジョンはキングスMMAで調整をしてきたということですね。

「そうだよ。グアムのスパイク22でミウ、アーセン、カイル・アグォン、ロッキー・マルチネスのトレーニングのサポートを終え、この試合に向けてはキングスMMAで練習してきた。キングスMMAでは2016年から練習しているんだ。

実はトーランスまで行きブライアン・オルテガとも練習してきたんだけど、残念ながらケガをして彼のコリアンゾンビ戦は消滅してしまったね」

──かなり充実した練習ができたことは想像に難くないですね。では住村選手の印象を教えてください。

「DEEPチャンピオンということは、日本のトップだし良い対戦相手だよ。打撃が得意で、グラップリングもできる。常に冷静に戦っているところが良いよね。日本のファンがどれだけ僕のことを気にしているか分からないけど、決してRIZINのファンが想っているようなアーセン・ヤマモトの柔術コーチだけでないことを見せたい。

僕は打撃だって彼らに教えているし、スミムラさんも打撃と組み技ができるから、立っても寝ても良い試合になるはずだ。マーシャルアーツというスポーツを戦ううえで、ベストな人間と戦っていきたい。それこそが僕がベストになるのに手っ取り早い方法だから。

そして彼は日本のウェルター級のベストだから、持ってこいの相手だよ」

──ケージでRIZINルール、これはまたユニファイド・ルールとは違ったファクターが数多く存在しています。

「本来のファイトに最も近い状況だね。もちろん、急所攻撃や目つぶしは認められないけど、混ざりっ気のないファイトに近い。危険だからこそ、楽しみだ。過去最高の体調だし、思い切り戦うよ」

──この試合後はRIZIN、ベラトールのどちらで戦っていきたいと考えていますか。

「RIZINで戦いたいよ。僕がRIZINで戦えるよう多くの人が動いてくれた。その結果、RIZINでもベラトールでも戦える状況なんだ。こんな機会は本当にユニークだし、UFC時代は絶対に無理だった。彼らのマーケティングング戦略では2つのプロモーションで戦うなんて絶対に無理。それが日本でも北米でも戦うことができる。

そのうえで、僕はより日本で戦いたいと思っているんだ。グアムから3時間の距離だし、フライトで疲弊することもない。グアムから200人以上のサポーターも日本に来てくれる。ひょっとしたら500人以上来てくれるかもしれない。UFCのマニラ大会で戦った時と同じようにね」

──民族大移動ですね(笑)。ジョン、ありがとうございました。では日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンにサンキュー、アリガトウゴザイマスと言いたい。彼らはまだ僕のことをあまり知らないかもしれないけど、試合後は僕が何者かを分かってもらえるように戦う。スーパーサイヤ人魂をスーパーアリーナに持ち込む。大会を楽しんでほしい。大晦日の花火の前に、僕も花火を打ち上げるよ!!」

■対戦カード

<71キロ契約/5分3R>
矢地祐介(日本)
上迫博仁(日本)

<49キロ契約/5分3R>
浅倉カンナ(日本)
ジェイミー・ヒンショー(米国)

<53キロ契約/5分3R>
越智晴雄(日本)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック68キロ契約/3分3R>
平本連(日本)
芦田崇宏(日本)

<58キロ契約/5分3R>
中村優作(日本)
神龍誠(日本)

<49キロ契約/5分3R>
アンディ・ウィン(米国)
あい(日本)

<77キロ契約/5分3R>
住村竜市朗(日本)
ジョン・タック(グアム)

<120キロ契約/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
セルゲイ・シュメトフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)
ランペイジ・ジャクソン(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
シドニー・アウトロー(米国)

<173ポンド契約/5分3R>
マイケル・ペイジ(英国)
安西信昌(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ロレンツ・ラーキン(米国)
中村K太郎(日本)

<女子フライ級/5分3R>
イララ・ジョアニ(ブラジル)
渡辺華奈(日本)

<ライト級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ダロン・クルックシャンク(米国)

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