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【ONE104】上久保周哉と戦うブルーノ・プッチ「MMAで世界王者になるために練習をしてきた」

Bruno Pucci【写真】公開練習のパートナーはクリスチャン・リーだったプッチ。かなり頬がこけている (C)ONE

明日22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで行われるONE104「Edge of Greatness」で、ブルーノ・ブッチが日本の上久保周哉とバンタム級転向初戦を戦う。

ご存知、アンジェラ・リーの伴侶は米国グリーンカードを取得するために国外に出ることができず、3月の東京から10月の東京までセコンドに就くことができなかった。

その厳しい状況を乗り越え、より絆が深まったというプッチは上久保というグラップラーとの対戦をどのように考えているのか。


──当初、シンガポール大会のラインナップにはブルーノの名前も上久保選手の名前も見られなかったのが、2週間ほど前に急にカードに加わりました。

「そうなんだ。まさに2週間前にオファーを受けたんだ」

──1月に朴光哲選手に勝利してからグリーンカードの取得のために米国から出国できない状況にあったブルーノにとって10カ月振りのファイトになります。このショートノーティスでも1階級下げてバンタム級で戦えたというのは?

「君の言う通りグリーンカードを取るために米国を出ることができなかった。この間、アンジェラとクリスチャンのビッグファイトが続き、その練習相手をずっと務めていて通常体重も少なくなっていったんだ。普段からシェイプしていて、ならバンタム級で戦ってみようと思ってね」

──2週間のショートノーティス出場、水抜きがあれば65キロに落とすことは困難でないと思いますが、ドライアウトなしでハイドレーションテストがある場合はどうなのでしょうか。

「この2週間はよく走って、心肺機能のトレーニングに重点をおいてきたから、サウナに入って水をカットするような減量は必要なく65キロにできる。ドライアウトしない計量方法は体に負担がないし、普段から体重が抑えているから問題ないよ。カロリーのことを考えて食事をし、練習をしてきたからね。そして、これまでよりも良い体調で戦えることは間違いない。バンタム級だと僕は背も高いし、リーチも長い。フィジカル的に多くのアドバンテージを得るんだ」

──ところでアンジェラの試合を3度もハワイで視聴しないといけない。どのような気持ちでしたか。

「本当につらかったよ。アンジェラもそうだし、クリスチャンの傍にいることもできなかった。一緒にトレーニングを積んで、十分に自信はあったけど同じ空気を吸うことができない。試合中にどれだけ叫んでも、僕の声は届かない。本当にナーバスになっていた。どれだけ自分の試合の方が楽なんだって……。

自分が勝ったときよりも、アンジェラとクリスチャンが勝った時の方が僕はずっと嬉しい。2人が僕に与えてくれる影響は本当に大きい。これはさ、コーナーにいても思うことなんだけど……声の届かない場所にいることで、一層しんどかったよ。とにかく試合中は2人を信じることしかできなかった」

──ブルーノが一緒に日本にいないときに、アンジェラはキャリア初黒星を喫しました。

「そうだね。僕とアンジェラは試合中以外は常に携帯で繋がっていた。そして、負けた直後に電話があった。僕は3度負けたことがあったから、とにかく落ち着かせて安心して家に戻ってくるように話したんだ。

だから10月にアンジェラが勝った時は本当に嬉しかったよ。彼女の横にいることができない試合が3度もあって、より僕らの絆は強くなった。一緒にいることができないからこそ、より互いのことを思い合えることができたんだ。日本やクアラルンプールに行くことができないことで、僕は彼女に何が必要なのか、どうすべきなのかがより分かった。

もう、これからは一緒に試合を戦う場所に行くことができる。これまでの経験を活かすよ」

──ではアンジェラがコーナーにいる状態で戦う上久保選手の印象を教えてください。

「カミクボはタフなファイターだ。僕はPRIDEを見て大きくなった。日本人選手はサムライ・スピリッツを持っていて絶対に諦めないことを知っている。どれだけ厳しい状況でも、心が折れない。それはカミクボも同じだろう。

10勝1敗の選手と新しい階級で戦う、これは僕にとって大きなチャレンジだ。ただ彼との試合は、ブラジルで戦った2試合以来になるグラップラーとの対戦になるから凄く楽しみにしているんだ」

──上久保選手はノーギ・グラップリングとMMAグラップリングは違う。ノーギだったら勝てないけど、MMAグラップリングを避けないで勝負したいと言っていました。

「全くもってカミクボの言う通りだ。この試合はMMAで、MMAグラップリングとただのグラップリングは違う。そして僕は2010年にノーギワールドで優勝してから、MMAで世界王者になるために練習をしてきた。ノーギや道着のチャンピオンになるためじゃない。当然のようにスタンドの打撃でも戦う。2人のグラップラーがどんなMMAを戦うことになるのか、日本のファンも楽しみにしてほしい」

──ではその日本のファンに一言お願いします。

「さっきも言ったけど、僕は日本のMMAを見て育った。ずっと日本で戦うことが夢で、まだ実現していない。今年の3月と10月、アンジェラの試合でも日本に行くことができなかった。カミクボに勝って、来年4月には日本で戦えるよう頑張りたい」

■ONE104対戦カード

<ONE Super Seriesムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R >
アミール・カーン(シンガポール)
エブ・ティン(ニュージーランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
トロイ・ウォーセン(米国)
チェン・ルイ(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ラフール・ラジェ(シンガポール)
フルカン・チーマ(パキスタン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
ムハマド・イムラン(パキスタン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
パン・シューウェン(中国)

<女子フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
プトゥリ・パドミ(インドネシア)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペットモラコット・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
チャーリー・ピータース(英国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ウェン・トゥラン・ユイニョク(ベトナム)
渡辺優太(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ブルーノ・プッチ(ブラジル)
上久保周哉(日本)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ブラウン・ピナス(オランダ)
リアム・ノーラン(英国)

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