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【ONE96】失地回復を賭けたライト級転向、エブ・ティン戦へ。阿部大治「攻撃が最大の防御」

Daichi Abe【写真】取材は先週の金曜日に行われ、阿部はもう体調的にもメンタル的にも出来上がっていた (C)MMAPLANET

12日(金・現地時間)にマレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで開催されるONE96「Masters of Destiny」で阿部大治がエブ・ティンと対戦する。

キャリア5戦でパンクラス・ウェルター級の頂点に立ち、6戦目でオクタゴン初勝利と、華々しいキャリアをスタートさせた阿部だったが、その後UFCで連敗を喫し、心機一転サークルケイジに戦場を求めた。

しかし、昨年10月のONE初戦ではルイス・サッポに33秒TKO負けを喫し──期待値が戦ったために評価は奈落の底へ。失地回復を賭けライト級に階級を下げて挑むマレーシア系NZ人のティンとのアウェイ決戦に向け、阿部の心境を尋ねた。


──エブ・ティン戦が迫ってきた阿部選手です。随分とスッキリとしたアゴのラインになっていますね。

「ハイ、もう体重の方も試合と同じ77キロです」

──昨年10月のONE初陣ではまさかの秒殺TKO負けを喫してしまいました。あの時の気持ちを改めて教えてもらっても良いでしょうか。

「何をしてるんだろうっていう気持ちしかなかったです。正直なところ左ハイが来ると思っていたら、ミドルが来て。アレであばら骨が折れてしまって……。もう、一番底まで落ちました。UFCからONEと3連敗、ここで魅せるしかないです。何が何でも勝ちます」

──ライト級に落とすことを決めたのは、いつ頃ですか。

「11月の終わりですかね。それまでは通常体重が92キロほどあったのを83キロまで落とし、そこから試合に向けて77キロの体を作ってきました」

──サッポとはかなり体格差があったように見えましたが、92キロも普段はあったのですか。

「あの時はONEの計量になれていなくて、ウェルター級だと本当に減量なしで、ずっと84キロをキープしないといけないと思っていて……1カ月ぐらい前からリミットの体重だったんで、まるでリカバリーがなかったです」

──減量禁止ではなく、水抜き減量が禁止なのを……。それでも今回も既に77キロになっているのですね。

「ハイ。でも、尿比重を図る機器も買ったのでどれだけ水を飲めるのかとか分かるので、何も問題ないです。水分を摂って飯も食い、そして動いて汗をかくと77キロになるので動きも良いです。ONEで84キロで戦うと、何だかんだと体重を戻す選手が多いので、フィジカル的に見てもライト級の方が合っていると思います」

──では、そのライト級初戦で戦うエブ・ティンの印象は?

「オールラウンダーですね。でも、自分がやるべきことをやれば勝てると思っています。今でも自分の持ち味は打撃ですが、この間に早稲田大学でレスリング、柔術をカルペディエム広尾の方で、ハイサム(リダ)さんやトーマス(ミッツ)さん、大きな人達と練習させてもらってきたんです。皆が技術を持っているので、凄く良い練習になりました。

柔道とレスリングを生かすと、また違う動きができるようになると思いますし、柔術で極め力をつけたいです。立ち技だけでなく、寝技でも戦わないといけないと思っています」

──そういうなかでティン戦では、自分が成すべきことは何だと考えていますか。

「相手の出方を見る必要はありますが、やはり自分から攻めたいですね。先に間合いをコントロールし、試合のペースを握らないと相手がどんどん出てきますからね。自ら動いて、攻めの試合をしたいです。

色々と悩みましたが、攻撃が最大の防御という部分に辿り着くことができたので。ただ、それは言葉ではなくて試合で見せないといけないです」

──では、ONEで上を目指すために絶対に落とせないティン戦に向けて意気込みをお願いします。

「メインカードの後ろの方で戦うことができるので、しっかりと良い試合をします。『また見たい』と思ってもらえるようKOで勝ちたいと思います」

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