【Bellator222】歴史的快挙。堀口恭司がコールドウェルを破り日本人初、北米メジャーの世界王者に

2019.06.15

＜Bellator世界バンタム級選手権試合／5分5R＞
堀口恭司（日本）
Def.3-0:49-46.49-46.48-47
ダリオン・コールドウェル（米国）

低い重心でワイドスタンドの堀口が、まずローを狙う。サウスポーのコールドウェルが左ハイを軽く蹴っていく。堀口のローに対し、コールドウェルは左ハイを連続で見せ飛びヒザからシングルレッグで尻もちをつかせる。左腕を引き寄せられ背中をつかされた堀口だが、すぐに金網を背負うように座る。左手を後ろ手で取ったコールドウェルは、右エルボーを連続で顔面に入れる。

堀口は腕を振りほどくが、腰の後ろでクラッチを組まれて立ち上がることができない。左足が腿の上に置かれて、窮屈な姿勢にされた堀口は背中をまたもキャンバスにつかされてしまう、今度は堀口の右手を股間の下で掴み、思い切り左のパウンドを落としたコールドウェルだが、グローブを掴みスタンドにブレイクを命じられる。スタンドに戻り左を一発当てた堀口だが、反撃とはいかず初回を落とした。

2R、間合いの測り合いのなかで堀口が踏み込む。コールドウェルは左フックを空振りし、前蹴りから左ハイ。ブロックした堀口は、前に出てワンツーもコールドウェルが左に移動する。左を見せる堀口は、実は右狙いか。遠い距離からシングルに出てコールドウェルは、肩を押し付けテイクダウン。このまま左足を腿の上に置かれた堀口は、すぐにスクランブルに持ち込めない。堀口は左の細かいパンチを打ちつけるが、立ち上がり際で左足をリフトされスタンドに戻れない。

アンクルピックと、手首を払う動作を見せるコールドウェルだったが、残り25秒で審判がブレイクを命じる。怪訝な表情を浮かべたコールドウェルにボディを入れた堀口、しかしビックショットはなく2Rも終わった。

3R、堀口が右ミドルを入れる。飛び蹴りのような形になった堀口に組みついていったコールドウェル。堀口はがぶってパンチを入れると、コールドウェルが何と引き込むようにガードを取る。ハーフで抑え上を維持する堀口に対し、コールドウェルはしがみついて防御に徹する。堀口は左のパウンドを入れスタンドに戻ると、コールドウェルは左フックから組んでまたも引き込む。

自ら下になるレスラー、堀口は俄然有利な状況になるとバックコントロールから連打を入れる。ワキを潜ってバックに回ろうとしたコールドウェルだが堀口も反応して、打撃戦へ。ここでコールドウェルが意地のテイクダウンを決め、ウィザードの堀口にパンチを入れる。離れて大きなパンチを狙った堀口が明確にラウンドを取った。

インターバル中も弱気の表情を見せるコールドウェルは、チャンピオンシップラウンドになると左ミドルを蹴ってバランスを崩す。ギロチンに取った堀口、これは極め切れずリリースし自らケージ際に移動する。抑えるコールドウェルは、完全に組み勝負に。金網を背負っても余裕のある堀口が、細かいパンチを落とし続ける。コールドウェルは逃げの組み一辺倒に。堀口が腰を浮かすと、肩を当てて押し付けるコールドウェルだが逆に印象は良くない。残り90秒、レフェリーがブレイク。堀口はワンツー、コールドウェルの右ジャブに右を合わせていく。右ミドルを繰り出すなど、手数で優位に立つ堀口はシングルレッグを体を捻って足を抜くと、左を振りながら前に出る。続く左に組んだコールドウェルだが、堀口が体を入れ替えて逆にケージに押し込み、小外掛けでテイクダウンに成功する。堀口はこの回も取った。

初回はコールドウェル、2Rは微妙、3Rと4Rを取った堀口はダメージ、スタミナで優位に立って最終回へ。コールドウェルの左ハイをかわした堀口は飛び込んで左も、そこにテイクダウンを合わされてしまう。幾度となく堀口に金網を背負わせて、固めるコールドウェルにブーイングを送られる。堀口は立ち上がろうとして、潰されてもパンチをワキに入れ続ける。コールドウェルに動きはなく、堀口がギロチンを狙う素振りを見せる。堀口の左手首を掴んだコールドウェルは、ギロチンを防ぎつつ腰のコントロールに徹する。いつブレイクが掛かるのかというなかで、堀口の立ち上がり際にシングルをコールドウェルが狙う。

耐えてエルボー、そしてパンチを入れる堀口だが、またも尻もちをつかされる。堀口はここで右目の下から流血。残り15秒、堀口はケージに押し込まれたままで時間となった。尻もちはつかされても、背中をつけることはなかった堀口は、シングルを切る際にエルボーを入れており、紛れもなくコールドウェルより強く見えていた。果たして、ジャッジは3者とも堀口を支持しベラトール世界バンタム級世界王座に就いた。

「つまんない試合でスイマセン。最初はあまり飛ばさず、最終ラウンドで勝負を決めようと思っていました」と言った堀口は、その腰にベラトール世界バンタム級のベルトを巻き、RIZINバンタム級のベルトを肩に掛けると、ケージインしたRIZIN榊原信行氏と笑顔を浮かべ合った。