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【WJJC2019】ムンジアル、24時間前の嶋田裕太「先は見ていない。ソドレに勝つことに集中しています」

Shimada & Tim Peterson【写真】サンタモニカにあるロボット柔術・ムエタイ&フィットネスジムで最後の調整を行う嶋田。ジヴァ・サンタナの黒帯ティム・ピーターソンはレスリング&柔道にも精通しており、非常に質の高い柔術を指導している(C)MMAPLANET

いよいよ1日(土・現地時間)にカリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権・黒帯の部の戦いが始まる。

ライトフェザー級にエントリーしている嶋田裕太は、強豪アレクサンドロ・ソドレと対戦する。このソドレには約1カ月前に出場したブラジレイロの2回戦で嶋田は破れている。ムンジアルの1カ月前にブラジルで戦った理由とは。試合を翌日に控え、LAで最終調整を行う嶋田に話を訊いた。


──明日、ムンジアル初日です。

「ハイ。4月の最終週のNYオープンと次の週のブラジレイロと準備をしていて、NYでは試合こそなかったのですが、ブラジレイロから1カ月弱でムンジアルなので色々と大変でした。ただ、体重の増減があまりなかったので良かったと思っています」

──その時期にNYとブラジルに行くというのは、日本在住の選手はなかなかできないことかと。

「1月のヨーロピアンで予想もしていなかった1回戦負けをして、1試合しか戦えなかったです。そのうえケガもして、エントリーしていた3月のパン柔術に出ることができなかった。そうなるとムンジアルまでに出られる大会が凄く少ない状況でしたし、負けた状態で1年で一番大切な試合に出ることに不安を感じていました。

試合の経験を積みたいという気持ちだったので、大変なのは分かっていたのですが、ケガが治ったタイミングだったこともあり出ることにしたんです。そうしたらNYは相手がいなくて、ブラジレイロでも2回しか戦えなかったですけど、出て良かったと今でも思っています」

──嶋田選手は初戦免除され、2回戦からの出場でブラジレイロで敗れたアレクサンドロ・ソドレと戦うことになりました。

「今年のライトフェザー級は誰が来ても強かったので、くじ運が悪いとかは思っていないです。戦ってみたい相手なので。ブラジレイロで僕に勝った後にジョアオ・ミヤオをパスして勝っているのとか見ても、明らかに強いです。そんな相手に勝って、自分の柔術というモノを色々な人に見てもらいたいです」

──ブラジレイロで戦ったことは、生きてくるでしょうか。

「お互い、ある程度は手の内を見せた試合だったと思います。だから同じことをやると、もっと通用しなくなる。なので前回の試合で出さなかったことを出すつもりで、トーナメント表が出てから集中的に練習しています。

あの試合に出さなかったモノが互いにあるだろうし、僕はここのところ試していた戦いを心掛けていたので、出していない部分もあったので」

──試していた試みとは?

「ハーフガードですね。それがヨーロピアンで出せなかった。ブラジレイロで初めて試合で出すポジションだったのですが、ある程度はできました。ソドレ相手にも場外やアドバンまでいっているので自信はつきましたし。反面Xガードなど本来持っていた動きで仕掛けていないので、引き出しは多くなっています。

ただ僕が負ける時は下になっている時間が長い試合です。上にいる時間が長いほど勝つ確率が上がるので、上を取りにいくよう戦います。それでも試合は何が起こるか分からないので下になっても驚かせるつもりでいます」

──突破して初めてベスト8です。

「準々決勝に進んだら、相手はシセロ・コスタのチアゴ・バホスとワールドプロ優勝のガブリエル・ソウザの勝者と戦うことになります。この2人が土曜日に戦うトーナメントです。ソドレだからって強い相手とか言っていられないというのが本音です。

今回のトーナメントで僕はベスト8に残ることができるかギリギリのラインです。シセロ・コスタが4名いて、半分を固める可能性が極めて高い。それに今回はポイントで振り分けているようで、ポイントを多く持っている人と少ない人が当たっていく仕組みになっています。

だから僕とソドレは本当にポイント的にも丁度真ん中ぐらいなんだと思います。ポイント的にも同じぐらいで、試合をやって実力も近いと感じていたんで、僕ら2人が初っ端に戦うことは普通だと思います。なので先のことは考えていない。ソドレに勝つ、そこしか見ていないです」

──NY行き前、最後のムンジアル挑戦になります。

「周りで応援をしてくれる人も、そこを凄く気にしてくれています。ただ、僕はムンジアルに勝つためにNYに行くわけじゃない。最終目標もムンジアル優勝ではないです。ムンジアルで優勝しても、柔術を辞めるはずがないし。

僕にとって目標は一生柔術をやり続けること。一生学び続けて理想の柔術家になることです。今、その目標に向かっていて一番のモチベーションになるのがムンジアルです。ムンジアル優勝を目指して過ごすことで、僕の理想に近づくことができる。

ただ周囲の人達は、あくまでもムンジアル優勝を願ってサポートしてくれた。ある意味、僕が思っている以上に想ってくれている。その気持ちに応えるためにも、ムンジアルで勝ちたいです」

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