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【ADWP2019】69キロ級優勝はドーダーラインを下したパウロ・ミヤオ、僅かで大きな差!!

4月24日(現地時間・水)から26日(同・金)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのムバダラ・アリーナにて、UAE柔術連盟主催のアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2019が開催された。世界の強豪が参加するこの大会のレビュー第3回は、62キロ級で準優勝に終わったジョアオの兄パウロ・ミヤオが決勝に残った69キロ以下級の模様をお届けしたい。


ブラジルのマーシオ・アンドレ、米国のジャンニ・グリッポというエントリーリストには名前のあった超強豪二人が欠場したこの階級。それぞれの国において上記2人と並び立つと思われたパウロ・ミヤオとアイザック・ドーダーラインが順当に勝ち上がり、決勝で激突した。

<69キロ以下級決勝戦/6分1R>
パウロ・ミヤオ(ブラジル)
Def. by 2-2 アドバンテージ1-1 ペナルティ0-1
アイザック・ドーダーライン(米国)

両者引き込みから、上を選択してアドバンテージを得たのはミヤオの方。ドーダーラインはその右足を掴んでの崩しを狙うが、ミヤオは上から飛び込んでのベリンボロでバックを狙ってゆく。が、それを逃れたドーダーラインはスクランブルから上に。ここでミヤオは無理せず下にとどまり、ドーダーラインが2点を取って逆転した。

下から煽ってゆくミヤオに対し、ドーダーラインは腰を引いて防御姿勢に。これがしばらく続くと、ドーダーラインにはペナルティが宣告された。やがてミヤオはドーダーラインの右ヒザ裏を抱えてシットアップから上を狙う。ドーダーラインは立って逃げようとするが、ミヤオはそれについてゆきワキをくぐり、バックに付きかけたところで両者は場外へ。この攻防でミヤオに2点が認められると同時に、中央からスタンド再開となった。

残り約1分での再開。両者引き込みからドーダーラインは上を選択してアドバンテージを獲得するが、それでもまだひとつペナルティ分負けている。後が無いドーダーラインは、立ち上がって横に動いてのパスを狙う。2度までも上四方につきかけたドーダーラインだが、ミヤオはその度に柔軟な体を利したインヴァーテッドで足を入れて態勢を戻し、パスを許さずに試合終了に。ドーダーラインはアドバンテージが入るべきだとレフェリーに抗議するが、当然受け入れられることはなかった。

世界の頂点を争う実力者同士の一戦は、ミヤオ兄が競り勝って優勝。序盤は迷わず上を選択してアドバンテージを奪い、また途中無理せずに下になり確実に返してみせたあたり、紙一重だが確かにミヤオが上回っているように見えた。弟ジョアオ・ミヤオに挑み続けている嶋田裕太にもいえることだが、世界一を獲るためには、この薄いようで限りなく厚い紙一重の差を埋めるため、とてつもない努力が必要なのだろう。

■69キロ以下級リザルト

優勝 パウロ・ミヤオ(ブラジル)
準優勝 アイザック・ドーダーライン(米国)
3位 ヤン・バッソ(ドイツ)

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