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【ONE95】新世代MMAの旗手クリスチャン・リーと戦う青木真也「ロジックは、ちゃんと用意しています」

Aoki【写真】1週間で21本極めまくり──の青木が語ったクリスチャン・リー戦とは (C)MMAPLANET

17日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE95「Enter the Dragon」で、クリスチャン・リーを相手にONE世界ライト級王座初防衛戦を行う青木真也の1週間をAbema TV公式YouTubeチャンネルのドキュメンタリー番組「THE WONDER」が密着した。

ONEDAYに続く、Abema TVのドキュメンタリー・プログラムTHE WONDERはMMAファイターとONE契約ファイターのWONDER(驚き・不思議)を追う新シリーズだ。既に10日から配信は始まっており、MMAPLANETでは同番組内でクリスチャン・リー戦に特化した取材を行っている。

ここでは青木のクリスチャン・リー戦への取り組み方と勝算という部分を掘り下げてお伝えしたい。


──50日に満たない試合間隔中にも、相変わらずの多忙振りを発揮している青木選手です。

「試合後と試合前が一緒に来るというのは辛かったですね。正直、それはあります」

──弛緩させる間がなく、次が来ることで調整方法の方に変化はありましたか。

「変わらず、ですね。コンディションを作った状態だったので。本当に変わらずです」

──気持ちの面でも弛緩させる期間がなかったかと思われます。

「それは……ワーカーホリックだと思うんです。僕自身が動いていなければダメなほうで。ただ間を空けることができたからといってストレスが解消されるモノではないから、すぐに試合が来ても良かったと思っています」

──ワーカーホリックもどこかで息抜きが必要かと。

「そうっスね。だから……なんで、こんなスパンでやるんだと思う人が多いかもしれないけど結局、時間がないから。36歳になってやりたいことがまだあると、いつまでこの良い状態でできるのか分からないので。そうですね、焦っているんだと思います」

──強くなり続けている。この感覚をもって試合に臨むベテラン選手が多くなっています。格闘技は強くなっているのかもしれないですが、体はやはり衰えるモノだと思っています。

「衰えるでしょ!! 僕は前より強くなっているとは言えない。自分では強くなっていると思っても、客観的には体力的には落ちているって口にするし、そこは嘘をついていないです。僕の場合はできるうちにやれることをやっておくということですね」

──格闘技の妙で強さは絶対論でも、試合は相対論です。そうなると自身の成長、努力の成果をぶつける相手にも落としどころができています。そのなかでクリスチャン・リーという相手を選択したことは?

「要はイージーじゃないってことですよね。クリスチャンに関しては今、伸び盛りの者とやってみたいというのがあります」

──新世代MMAを経験してみたいということですか。

「ということもそうだし、守っていきたくない。10月までベルトを持って挨拶回りをして、取材を受けて──という風にそれなりに生きていくことが賢くて、損得を考えるとそっちの方が良いことかもしれない。でも、それをやると時間的なマイナスが大きい。

やっぱり下に繋げていきたいという気持ちがあります。で、下を感じていきたい。結果的に自分が得るものが大きいと思うし、だからクリスチャンと戦いたいんです。23歳とか24歳の時に上の世代……34、35歳の選手が守っているのを見てきて、何かもどかしさを感じていたんですよね。だからこそ、下とは戦っていきたいし、残り少ない格闘技人生を戦いの輪の中で過ごしたい。

戦いの輪の中からいなくなったら、試合をしなくなるかといえば別の話なんですけど。それこそ現役だと思うから。

下の世代とやりたいのは、割と守ってきた時期があるからこそ……なんですけどね」

──それゆえにレジェンドという称号が好きでない?

「露骨に嫌いますよね。僕は向上しようとしているから。レジェンドとかチャンピオンっていうのは、自分でも何でっていうぐらい嫌いですね」

──ファイターとしてクリスチャンを見たときに、気になる部分。怖いなと思う部分はどこですか。

「爆発力と流れの速さですよね」

──徳留選手に右を当てた刹那、テイクダウンを決めている。あのシーンは頭から離れないです。青木選手が、あそこに反応できるのかは気になります。

「あの間ですね。あのスピーディーな間に対するロジックは、ちゃんと自分で用意しています」

──おおっ!!

「ハイ、付き合わなければ良いだけですからね」

──それでも仕掛けられた時に反応できますか。

「リズムの話で。速いリズムと遅いリズムがあるじゃないですか? どっちに合わせるのか──なので。僕が速い方に合わせると負けるんです。ゆっくりやります。それが全ての応えです」

──MMAは遅いリズムが、速いリズムを凌駕できる? 普通の体力を使うスポーツには、そういう現象は見られないかと。

「要は巻き込むモノだから。そこが違う。ベースなんです。戦いのベースをどっちに合わせるのかということで。皆、速いモノに対応しようとするから負けるんです。対応しなければ良い。自分のリズムを保つことです。

速い方に付き合ったら、若い方が勝ちますよ(笑)。そういう時はゆっくりやるもの。ゆっくり過ぎてもダメだから、自分のリズムですね」

──クリスチャンと比較すると、遅い青木選手のリズムで戦うということですね。もう一つ、クリスチャンがあの攻撃を青木選手相手に、最終的にはグラウンドで仕留める戦いをしてくるのか。ここも大きな焦点かと。

「……。あのう、僕と彼を比べて一つだけ絶対に僕が勝っているというモノはあります。そこが僕の試合の組み立ての全てだと言っても良いです」

──それが何だったのか、試合後に聞かせてください。最後に青木選手が「3年後だったから勝てなくなるかもしれないから今やる」という発言に対し、クリスチャンが「もう手遅れ」と言いました。そこに関して、どのように思っていますか。

「僕、3年後、4年後は40歳だから。そこで今のパフォーマンスはないでしょ。老いていくことは負けていくこと。それが健全だと思うし。朽ち果てていくのは健全。クリスチャンが『1Rで仕留める』とか、そういう風に言うのも若さゆえ。その若さは僕も通ってきたから。若さが彼の強さでもあるけど、若さは弱さでもありますよね」

──つまりは36歳には、36歳の強さがある?

「ハイ。揚げ足を取らせたら、負けないです(笑)」

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