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【ADWP2019】62キロ級優勝はジョアオ・ミヤオを破ったガブリエル・ソウザ

4月24日(現地時間・水)から26日(同・金)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのムバダラ・アリーナにて、UAE柔術連盟主催のアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2019が開催された。世界の強豪が参加するこの大会のレビュー第2回は、ガブリエル・ソウザという新鋭が現れた62キロ以下級の決勝戦の模様をお届けしたい。


最軽量級と同じく本戦がリーグ戦となったこの階級、ブラジル勢の中でポイントランキング1位のガブリエル・ソウザ(Zrチーム)と、前日のブラジル国内予選にてパブロ・モントヴァーニを倒して本戦進出したジョアオ・ミヤオ(PSLPBシセロ・コスタ)の2人がリーグ戦で全勝し、最後に決勝戦を戦うこととなった。昨年茶帯としてヨーロピアンを制しているソウザは、今年のグランドスラム・ロンドンではジョアオとイアゴ・ジョルジのシセロ・コスタ勢を連覇して優勝という快挙を成し遂げている新星だ。

<62キロ以下級決勝戦/6分1R>
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)
Def. by 2-2 アドバンテージ2-1
ジョアオ・ミヤオ(ブラジル)

試合開始後、両者引き込みからお互い下を譲らず、ブレイクがかかって両者がペナルティをもらう展開が繰り返される。近年、このような場合にはほとんどの相手に対して上を選択するミヤオが下にこだわることからも、ソウザのことをいかに強敵と認識しているかがうかがえる。

残り2分30秒のところで3度目の再開。ここでも引き込んだ両者。このままだと両者反則負けとなるこの場面で、軽量級の攻防では有利とされる下のポジションを捨てて上を選択してアドバンテージを得たのはソウザの方だった。ここでは格上が上を選択するのが通例となっている競技柔術において、この展開自体少なからぬ驚きだ。

有利な体勢を取ったミヤオは、クローズドガードからソウザのラペルを引き出して角度を付けて揺さぶりにかかるが、ソウザは低い態勢で両足かつぎの態勢を作ってその攻撃を遮断する。ミヤオもなんとか足をこじいれ、再びラペルを使っての攻撃を作ってゆく。やがてミヤオはソウザのラペルを取ると、それをソウザの左足に絡めて引き出して、左足を絡めた50/50の態勢をつくってみせた。

後が無いミヤオは、ここからスピンしてバック取りや崩しを試みるが、ソウザは態勢を低くして耐える。さらにミヤオは足関節狙いもみせるが、ソウザはこれもディフェンス。残り時間がいよいよ少なくなってくると、ミヤオはソウザに右足を取られたまま左足一本で立ち上がっての上狙い。しかしソウザも一緒に立ちあがり、テイクダウンを許さず。さらにミヤオは体勢を低くしてのテイクダウンを狙うが、その右足を離さないソウザはこれも未然に防御し、時間切れ。

あのミヤオの下からの波状攻撃を遮断し続け、上選択のアドバンテージを見事に守り切ってのソウザの勝利。試合時間が10分、ダブルガードはしっかり30秒でペナルティを課すIBJJFルールとは異なる今大会の仕様を巧みに利用した、いわば作戦勝ちだったともいえるだろう。が、その作戦が成立したのは、新鋭ソウザがミヤオをして下に固執させるだけの超実力者だからこそだ。

最軽量級のアルベルトに加えて、世界を獲る可能性を秘めた新鋭を続々と輩出するブラジル。その底知れぬ層の厚さを感じさせたソウザの戴冠だった。

■62キロ以下級リザルト
優勝 ガブリエル・ソウザ(ブラジル)
準優勝 ジョアオ・ミヤオ(ブラジル)
3位 アレクシス・アルダンシン(メキシコ)

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