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【ONE92】タン・リー、ONEでデビュー戦へ「僕の立ち技がどれだけ危険か、皆に知ってもらいたい」

Thanh Le【写真】1985年8月20日、ルイジアナ州ニューオリンズ生まれのタン。TUFで知り合ったライアン・ホールに立ち技を指導し、柔術を習っている(C)MMAPLANET

いよいよ今日=3日(金・現地時間)にインドネシアはジャカルタのイストラ・ゲロラ・プン・カルノでONE92「For Honor」が開催される。

今大会ではベトナム系米国人、テコンドー一家に育ったタン・リーがONE初陣でユーサップ・サーデュラエフと対戦する。TUF、DWTNCS、そしてLFAとUFC出場の王道で戦ってきたリーが、ONEで戦うことを決めた理由とは?


──タンは米国で有名なテコンドー一家に育ったらしいですね。

「僕の父がベトナムに住んでいたころから、テコンドーをやっていて。物心がついたときには、僕も父のスクールでテコンドーの練習をしていたよ。長い休みになると、ニューオリンズから全米の都市をドライブして弟と一緒にトーナメントに出場しね。

当時はMMAを戦うなんて思っていなかったけど、テコンドーの試合に出るために訪れていた街でローカルショーを見たんだ。本当に楽しくて、自分の持っているマーシャルアーツの技量をMMAで試したなくなり、トレーニングを始めた。それからもう夢中になって、MMAから離れることができなくなったんだ。

MMA自体は父と一緒に、まだ小学校に通い始めた頃に第1回UFCを見たことを覚えている。というよりも、ジェラルド・ゴルドーがテイラ・トゥリの顔面を蹴り飛ばして、歯が吹き飛んだシーンが忘れることはできなかったんだ。あの瞬間、スポーツ界に革命が起きたと思っている」

──ホイス・グレイシーが打撃系格闘家を倒しまくっていた時代です。複雑ではなかったですか。

「僕は父にテコンドーの指導を受けていて、彼は心からマーシャルアーツを愛している人だった。だからホイスの試合を見ても、『ああいうものがあるのか。学ばないといけないな』っていう姿勢だった。父は出会ったマーシャルアーチストの全員から、何かを学ぶという人だったから。そして、自分のテコンドーに生かしていたんだ」

──素晴らしいですね。

「学び、試合で生かすこと。そうすることで、マーシャルアーツへの造詣が深まるんだ。だから子供の頃に僕がUFCを見て、ショックを受けてもテコンドー以外のマーシャルアーツを学ぶ気にはなれなかった。

ただ、それから10何年も経ってMMAをライブで見て、テコンドーの経験しかないのにアマチュアMMAの試合に出てみたんだ」

──チャレンジャーですね。それだけ自分のテコンドーを信じていたと。

「運良くKO勝ちできたけど、すぐに柔術とレスリングを学ぶことにした(笑)。僕のテコンドーをMMAで有効に使うために必要だと思ったんだ。そして、アマチュア時代は柔術とレスリングの練習に専念していたよ。だから今、僕はテコンドーが使えるウェルラウンダーになれたんだ」

──北米でMMAファイターになることは、UFCを目指すことと同意語だと思います。そしてタンはTUFに出演し、ダナ・ホワイト・チューズデーナイト・コンテンダー・シリーズでもハイキックでKO勝ちを収めました。

「でもUFCから声は掛からなかった。なんで、UFCは僕に興味を持たないんだとその現実が信じられなかった。その時からUFCという団体の有り方を考えるようになったんだ。そして僕はミックスマーシャルアーチストとして戦いに挑み、結果を残したいと思うようになった。

少しでも早く対戦相手を攻撃し勝利を得たいのは、それがマーシャルアーツの持つ特性だからなんだ。そういう自分の軸を失くしたくないと感じた。

僕が2RでKO勝ちした夜、UFCと契約したのはショーン・オマーリーだった。それって彼が僕よりもお喋りが上手だったからだよ。UFCのトップファイターは皆、トラッシュトークが必要になってくる。でも、それは僕のやり方じゃない。そう想うようになってから、ONEで戦いたいと思うようになったんだ。それが僕のなかで一番良いことだと」

──ベトナム系とはいえ、タンは米国文化のなかで育ってきました。トラッシュトークは米国のファイト・スポーツの文化ですが、そこはアジア系住民として同化できない何かがあったのでしょうか。

「米国の文化でも、アジア系ということも関係ないと思う。僕の育った環境が、ああいうことに馴染まなかったということだろう。あのWWEのようなやり取りがね。ボクシングでも、WWEでも、UFCでも成功している人間はしゃべりが上手い。それがこれらのスポーツの習慣になっている。

幸運なことにONEがあった。そして彼らも僕を必要とし、契約に至った。凄く嬉しかったよ。初めてONEの計量を経験してけど、凄く気に入っているよ。ハイドレーションのチェックがあるのも、選手の安全のために凄く良いことだしね」

──ONEは東南アジア各国にナショナル・ヒーローを生んできました。ただし、ベトナムには既にマーチン・ウェンというベトナム系豪州人チャンピオンがいます。

「素晴らしいことじゃないか。マーチンがいる階級に、僕が加わる。ベトナムのファンもより喜んでくれるはずさ。何よりも、彼はチャンピオンとして結果を残してきた。彼に追いつけるよう、ここからが大切になってくる」

──その大切なONE初戦の相手サーデュラエフは優れたグラップラーです。

「どの局面になっても、僕は戦えるよ。もちろん、僕の立ち技がどれだけ危険か皆に知ってもらいたい。でも試合がグラウンドにもつれ込むなら、これまで以上に寝技のスキルを見せようと思う。これまで僕の試合を見たことがあるファンが、驚くようなファイトを寝技になっても披露できる自信がある」

──凄く楽しみです。そして、これからのタンのONEでの活躍に期待しています。

「しっかりと結果を残し、日本のファンにも喜んでもらって次の日本大会のラインナップに加えてもられるよう頑張るよ」

■ONE92対戦カード

<Super Seriesムエタイ・世界フライ級選手権試合勝/3分5R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジョナサン・ハガディ(英国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
岡見勇信(日本)
キャムラン・アバソフ(キルギス)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
山田哲也(日本)
マラット・ガフロフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ヨードパノムルン・ジットムアンノン(タイ)
テイラー・ハードキャッスル(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タン・リー(米国)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
アイディン・ジュマイ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ポール・ルミヒ(インドネシア)
スノト(インドネシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
山田健太(日本)
ディヴィダス・ダニラ(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ルーディ・アグスティアン(インドネシア)
チャン・ロタナ(カンボジア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アンドリュー・ミラー(英国)
モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アドリアン・マテイス(インドネシア)
ヒマンシュ・コシィック(インド)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グントゥール(インドネシア)
アンジェロ・ビモアジ(インドネシア)

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