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【Shooto 30th Anniv.】清水との防衛戦を前に扇久保博正に訊いた堀口戦&ONE─01─「王者はもう1人いる」

Hromasa Ougikubo【写真】1年7カ月振りの修斗での試合となる世界フライ級チャンピオン扇久保(C)MMAPLANET

5月6日(月・祝日)に文京区・後楽園ホールで開催する「Shooto 30th Anniversary Tour」=後楽園昼夜大会、夜の部のメインで修斗世界フライ級チャンピオン扇久保博正が、清水清隆の挑戦を受け、同王座2度目の防衛戦を戦う。

2017年10月にオニボウズを破って以来の修斗公式戦となる扇久保、この間──昨年7月にRIZINに出場し堀口恭司に敗れて以来、10カ月ぶりの実戦復帰となる。

扇久保といえばVTJフライ級トーナメントで優勝し、TUFシーズン24では準優勝とその実力を証明してきたにも関わらずUFCとの契約はならかった。日本を代表するフライ級ファイターは今、何を想い修斗のベルトを持ち、防衛戦に臨もうとしているのか。


──タイトル防衛戦まで1週間です。今の体調はいかがでしょうか。

「これまで通り……いつも通り、普通です。追い込みも終わって、あと減量をして戦うだけです」

──修斗は1年半ぶり、RIZINの堀口恭司戦からも10カ月振りの試合となります。

「修斗は久しぶりですね。でも、僕のキャリアの積み方はケガもあり、試合が組まれないことがあったり、間隔が空くことは多かったです。だから僕のなかでは慣れているというか……それほど気にはしていないです」

──TUFで準優勝までし、トーナメントで勝っている相手(アレッシャンドリ・パントージャ)が契約しているのに、その機会が訪れなかったUFCからRIZINに目指す戦場を変えた扇久保選手でした。そこでRIZINでもあの試合以降、試合が組まれない。なかなか上手くいかなと傍から見ても感じてしまいます。

「う~ん、僕のなかでUFCは諦めていなかったです。でも、堀口選手とのオファーがあった。堀口選手と戦うためにRIZINと契約したので。そこでリベンジして、自分の道を切り開こうと思っていましたから」

──これまでTUFのティム・エリオットも含め4人の選手に敗北を喫していますが、堀口選手は特別な存在なのでしょうか。

「ハイ、完敗していますからね」

──2013年の修斗での1戦は……あれはもう扇久保選手は現役生活を送ることができるのか心配になる内容でした。その後、VJTトーナメント、修斗の世界王座奪取、TUFでの勝ち上がり、と十分に力を証明してきました。

「堀口選手との1試合目は……確かにその通りの内容でした。飲まれてしまって……アレは試合になっていないですし、それが全てなのですが一生の汚点です。死にたいと思ったぐらいだし(苦笑)、でも辞めるという考えはなかったです。そんなに自分が弱いとは思っていなかったし、でも堀口選手には2試合目も完敗していますから」

──堀口選手もバンタム級に上げてしまいました。そういうなかで修斗が提携したONEでは若松佑弥選手ばかりか、DEEPフライ級王者の和田竜光選手、フライ級KOP仙三選手がダニー・キンガドというフィリピン人選手に敗れたという現実もあります。

「本当に『何を言っているんだ!』と思われることは分かっているのですが、もう1度堀口選手と戦いたいです。そのためにはバンタム級に上げるだけの覚悟もあります。堀口選手と戦う権利を得るためにRIZINで実績を作れる試合をしていくべきなんでしょうが……。

そうやって、もう1度堀口選手に辿り着きたい。それが今の一番のモチベーションです。ただ……今回の防衛戦を行うにあって、防衛したあとはどうするのかというのはあります」

──もちろん、次の試合に集中しないといけないのですが、誰もが将来を考えて日々を生きているわけですし。

「今言われたようにONEで皆が負けているのを見るのは、やっぱり悔しいんです。それに日本のフライ級チャンピオンはもう1人いるっていう自負もあるので。ONEで他の人たちの仇を取りたいという想いも沸き上がってきます。フライ級は自分の階級ですから……」

<この項、続く

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