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【ADWP2019】未知強ゾロゾロ重量級。クレイグ・ジョーンズに一本勝ちしたデュアルチ、ハイサム出場!!

Open【写真】2年前の茶帯時代、全日本ノーギでエキスパート無差別をカルペディエムが独占した際のハイサム。今や世界と伍する柔術家として注目されている(C)JBJJF

24日(現地時間・水)から26日(同・金)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのムバダラ・アリーナにて、UAE柔術連盟主催のアブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2019が開催される。同大会のレビュー最終回は、重量2階級の見どころを紹介しよう。


【94キロ以下級】
前年王者フィリッピ・ペナが不在だが、各国から強豪選手が注目し、今年最大の激戦区といえるのがこの階級だ。まず注目は、一昨年の世界王者にして、昨年の本大会最重量級を圧倒的な強さで制したエルベース・サントス(エスカドラオ・デ・ジュウジュツ・ブラジレイロ)。他の世界王者たちを一瞬でマットに叩きつけ関節を破壊する驚異的な爆発力を持ちながら、同時に極度に慎重な戦い方をすることもあり、試合中に精神的な不安定さを露呈してしまうこともしばしばだ。

ちなみにサントスは最新の試合でフィリッピ・ペナと対戦中にも、ヤジに激昂してマットを駆け下りて相手のセコンドを急襲。大乱闘を起こして反則負けとなっている。良い意味でも悪い意味でも目が離せない存在のサントスは、この階級のブラジル人選手の中でポイントランキングトップに位置しているので、国内予選なしで本戦にエントリーが決定している。

そのサントスをも凌ぐ優勝候補が、昨年の世界選手権茶帯の部にて階級別と無差別の無冠を制し、今年のパン大会でもパトリック・ガウジオらを下して優勝したキーナン・デュアルチ(アトス)だ。さらに先日のカサイ・プロ大会では、世界を席巻する新世代足関節マスターの一人、オーストラリアのクレイグ・ジョーンズと相手の専門であるノーギで対戦し、チョークで一本を奪って再び世界を驚かせている。現在世界がもっとも注目する若手選手の一人だ。

さらにこの階級には、国際大会上位常連のジャクソン・ソウザ(チェックマット・インターナショナル)や昨年の世界大会3位のヘナート・カルドッソ(コマンドグループ)等の強豪ブラジル人もエントリー。上述のデュアルチと過酷な前日国内予選を戦うことになる。

さらにさらに──ブラジル以外の国からも強豪選手たちが参加している。まずは今年のパン大会準決勝でレアンドロ・ロから一本勝ちして注目を集めたポーランドのアダム・ワーディンスキ(チェッキマット・インターナショナル)。パン大会の決勝では、デュアルチにアドバンテージ差で惜敗して初優勝を逃しているだけに、この大舞台で雪辱を果たしたいところだ。

また、ロシアからエントリーするアブドゥラフマン・ビラロフ(チーム・アブバカロワ)も注目だ。強力なフリースタイル・レスリングのバックグラウンドを持つビラロフは、17年のADCC世界大会でジェイク・シールズを5-0で下しており、また今大会に出場するエルベース・サントスやジャクソン・ソウザといった強豪ブラジル勢からもヒールで一本勝ちという実績を持つ。

上記はどれもノーギの試合だが、ギ着用においても15年にこのワールドプロ大会茶帯の部を制しており、力は十分に発揮できると思われる。近年、MMA界においてますます勢力を増しているロシア勢が、ブラジリアン柔術においてどういう存在感を見せるか、という点でもビラロフの戦いは興味深い。

そして、このように世界の強豪がひしめくこの階級には、日本のカルペディエム所属のハイサム・リダがガーナ代表としてエントリーしている。昨年7月のグラップリングチーム戦QUINTETで3人抜きを見せるなど、国内で知名度を急上昇させたリダ。今年2月のコパ・ラスコンチャス沖縄大会では関根秀樹との日本重量級頂上対決を制している。この大会で世界各国の強豪相手に爪痕を残し、世界に飛躍するための第一歩としてほしいところだ。

【110キロ以下級】
昨年度優勝のエルベース・サントスが階級を下げた今年の最重量級、大本命は昨年世界準優勝者のジョアオ・ガブリエル・ホシャ(ソウルファイターズ)だ。その潜在能力は誰もが認めるところながら、数年ブシェシャことマーカス・アルメイダの壁を崩せずにいたホシャだったが、今年2月に行われたプロ柔術大会BJJ Starsにてとうとうアドバンテージ差でブシェシャに勝利。全階級を通して地上最強の競技柔術家の座に限りなく近い位置にいることを証明した。

またホシャはその数週間前のカサイ・プロにて、現在ノーギ・グラップリング最強の一人と目されるゴードン・ライアンとノーギルールで対戦。延長戦でヒールを仕掛けられ1点を失い敗れたホシャだが、終盤はパスの猛攻を仕掛けて何度もサイドを取りかける状況を作ってみせ(アドバンテージ制度を採用しないルールのためポイントにならず)、その実力を改めて見せつけている。

その他ブラジル出身の有力選手としては、ポイントランキング1位で本戦出場が確定しているヒカルド・エヴァンゲリスタ(コマンドグループ)と、その同門イゴール・シウバのベテラン・コンビが挙げられる。

非ブラジル勢の注目選手としては、チェチェン出身にしてロシア代表、ホジャー・グレイシー門下で出場するムスリム・パスタリゴフの名前が挙げられよう。幼少時からレスリングで実績を上げるものの、13歳の頃に起きた第二次チェチェン戦争の際に家族でノルウェーに避難し、そこで柔術と出会ったというユニークな経歴を持つパスタリゴフ。黒帯になってからの一本勝ちが全てアキレス腱固めによるものというのも幻想を膨らませるに十分な要素といえる。

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