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【ONE90】世界王者対決で3度目の防衛戦、シィォン・ヂィンナン「ベストを尽くし中国を代表して戦いたい」

Xiong Jingnan【写真】 キャリア13勝1敗、バリMMAでも練習しており、打撃がベースだが柔術も身につけているシィォン・ヂィンナン。パンダという愛称を持つ(C)MMAPLANET

いよいよ明日、31日(日)に東京都墨田区の両国国技館で開催されるONE90「A NEW ERA」。同大会のセミでONE世界女子ストロー級王者シィォン・ヂィンナンが、同女子アトム級王者アンジェラ・リーの挑戦を受ける。

本来は昨年の11月にシンガポールで組まれていたこの世界戦は、アンジェラの負傷でキャンセルされた経緯がある。そして、シィォン・ヂィンナンはアンジェラのホームで戦いたかったという強い気持ちを今も隠そうとしない。

ONE初の中国人世界王者は、28日の会見、そして翌日のメディア・インタビューでも世界戦に向け戦闘的な空気をまとっていた。


──インタビューの機会をいただきありがとうございます。

「こちらこそインタビューをしてくれて、ありがとう」

──実は2017年12月にヂィンナン選手のONE初陣をバンコクで見て、良い選手だと思いました。そうしたら翌月にはONE世界ストロー級王者になり、既に2度の王座防衛と着実に結果を残しています。

「あまり自分のキャリアや過去を振り返ることはないけど、あのバンコクでの試合は初めてのONEでの試合だし、ルールも計量方法も初めてで……対戦相手の情報もなくてパニックに陥っていたのよ。ただ、自分が練習してきたことを出そうと思って戦ったわ。ベストを尽くして戦うことは、今も変わらない。

気持ちを強くもって、誰の挑戦も受けてきた。それが私のONEチャンピオンシップの日々ね。誰だろうが、ONEが決めた相手とは戦うわ」

──そのONEが決めた相手アンジェラ・リーとは、本来は昨年11月のシンガポール大会で対戦する予定でした。

「プロフェッショナル・アスリートとして、このスポーツではどんなことだって起こり得ることを理解しているわ。そしてアンジェラがケガを理由に試合を欠場するのは初めてではなかったし。あの時、試合が流れたことはただ残念でしかなかったの。これはV.V Meiも経験したことだけど、アンジェラ・リーが話した欠場理由には私は同意するしかない。それが真実でも、真実でなくてもね。私たちは受け入れるしかないのよ。この気持ち、Meiは分かってくれるはずよ。試合に向けて必死に練習してきて、その機会がなくなる辛さ、悲しさは経験した者にしか分からないから。

ああいうことは将来、誰も経験しない世界になってほしいと思っているわ。プロフェッショナル・アスリートは自分を守ること、それも仕事だから」

──前回はアンジェラのホームであるシンガポールで戦う予定でしたが、4カ月を経て東京で戦うことになりました。東京とシンガポールで戦うことに違いはありますか。

「基本的には違い感じないけど、気持ちとしてはシンガポールで戦いたかった。私は性格的にも相手のホームで戦いたくて。だからシンガポールでという気持ちはあるけど、ファイターとしてはシンガポールの私も東京も私も変わりはないわ」

──その東京の印象は?

「実はプロモーションでも来日する予定だったけど、その話がなくなって今回が初めての日本なの。良いところね。雰囲気も良くて、隅々まで凄く整理整頓されていて、凄く好きだわ」

──私たちの国と、ヂィンナン選手の国は歴史的にも、現状の政治に関しても問題が多くあります。決して友好的な関係とはいえない。それは日中関係だけでなく、日韓も含め東南アジア諸国間にも色々な事情があります。そのなかでチャトリCEOのいうマーシャルアーツはアジアの文化という繋がりにおいて、我々は新たな関係を築けると思っていますか。

「思っているわ。私の国に関しては、歴史問題は古い世代の間に強く残っていて、私の世代は落ち着いて見ているし、過去を振り返るのではなく、将来の関係が良くなることを考えているし。マーシャルアーチストの持つ、ファイティングスピリットはどの国の選手に共通しているものだから、ONEの戦いを通して新しい関係を築くことは可能だと思っている」

──その中国のMMA界のことは、まだ日本のファンはあまり知りません。東京大会で戦うことにどのような想いでいますか。

「昨日の記者会見でも話したけど、今回の大会はトップファイターが一堂に会しているので、私は力いっぱいベストを尽くし……中国を代表して戦いたい。チャイニーズ・スピリットと尊敬する気持ちを持ってケージに向かうわ」

■ONE90対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
[挑戦者]青木真也(日本)

<ONE世界女子ストロー級(※56・7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィォン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者]アンジェラ・リー(米国)

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者]長谷川賢(日本)

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
[挑戦者]ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
デメトリウス・ジョンソン(米国)
若松佑弥(日本)

<ONEライト級(※77.1キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)

<キック72キロ契約/3分3R>
ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
アンディ・サワー(オランダ)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
仙三(日本)

<ONEフライ級(※61.2キロ)ワールドGP準々決勝/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
V.V Mei(日本)
クセニア・ラチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
アンソニー・アンゲレン(オランダ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
ハキーム・ハメック(フランス)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
パニコス・ユーサフ(キプロス)
モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)

<キック・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ヨゼフ・ラシリ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ユン・チャンミン(韓国)
バラ・シェッティー(インド)

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