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【JBJJF】全日本マスター出場、17年のMMAキャリア~ロスから中山巧「ワールドマスターで優勝したい」

Takumi Nakayama【写真】まだまだ若々しい中山。根性ファイトの彼には5分という試合時間はあまりにも短い。が、そこにフィットさせていくのが第2の格闘家人生だ (C) TAKUMI NAKAYAMA

23日(土)と24日(日)の両日、東京都墨田区にある墨田区総合体育館で開催される第13回全日本マスター柔術選手権のマスター4黒帯ライト級に、タクミこと中山巧がエントリーしている。

17年のMMAファイター生活を一昨年6月に終えた中山は、MMAロスを経験し、フィジークを経て柔術に生き甲斐を見つけたようだ。
Text by Takao Matsui


――タクミ選手か中山選手かどちらで呼んでいいのか分かりませんが、タクミ選手はMMAを引退されましたよね。

「はい。2年前の6月25日に行われた修斗の大会を最後に引退しました。20歳以上年下の青井人選手にKOで負けてしまって、計量以降から試合まで、いまだに内容を覚えていません。記憶があるのは、試合が終わって友人と食事をしている時からでした。

脳へのダメージ、蓄積した身体のダメージ、そしてその後の自分の人生を考え、これ以上、家族や友人たちに心配をかけるわけにもいきませんので、引退することに決めました。将来性のある青井選手は、とても強かったです」

――いまだに記憶がない。格闘技の過酷さの一面を知る重いです。

「実は昨年末、僕が代表を務めるパラエストラ大阪で、青木真也選手のセミナーを開かせていただいたんです。その時に、青井選手にも来ていただきました。親子くらいの年の差なんですが、自分は計量で会ってから記憶がないので、ちゃんと挨拶ができて良かったです。感謝の気持ちをしっかりと伝えて、エールを送りました」

――そんなことがあったのですね。17年のプロ生活を終えて、次なるモチベーションをどこに置いていたのでしょうか。

「そこが大変でした。もちろんパラエストラ大阪で経営や指導に全力を傾けるのは当然ですが、引退したとはいえそこにすべてを捧げていましたので、すぐに気持ちを切り替えることは難しかったです。MMAを心から愛していましたので、引退しましたけど続けられないモヤモヤは、しばらくありました。正直、しんどかったです」

――たしかに気持ちの切り替えは、難しそうですね。

「そこで浮上したのが、フィジークというボディビル競技でした」

――フィジークは、脚の筋肉を審査されずに逆三角形の美しさを競う競技ですね。スタイリッシュな印象が強いです。

「そうです、そのフィジークです。知り合いの紹介で肉体作りをしてきて、昨年夏、東京オープンに出場しました。しっかりと鍛えてきたつもりだったんですが、控室に入った瞬間、みんなの身体を見て負けると思いました。案の定、予選落ちです。出場選手の身体の作り方が、自分とは違っていました。

そして出場してみて思ったのが、自分は格闘技が向いているということです。格闘技を始めた時は、運動神経もそんなに良くないし、気持ちだけでやってきたつもりでしたが、フィジークの大会に出てみて向いていたことに気づきました(苦笑)」

――フィジーク挑戦は驚きましたが、格闘技が向いていることをその大会で分かるのも、また新鮮な発見ですね。

「はい。でもこの挑戦はムダではなく、これまで我流でやってきたウエイトトレーニング方法の見直しの機会をいただくことができました。そして、目標を持って身体を鍛えることの喜びも、あらためて得ることになりました。少し説明が長くなりましたが、昨年のブラジリアン柔術のアジア選手権に出場したのも、その流れからでした」

――9年ぶりに柔術の大会に出場して、マスター3黒帯ライト級準優勝という結果でした。

「決勝でインパクトジャパンBJJのアサダ・トシオ選手に、ポイントで負けました。その結果は、すべて想定通りでした。柔術の試合を継続してやられているトップ選手には、敵わないと思っていましたので。あとは試合時間ですね。アダルト黒帯は、試合時間10分ですが、マスターになると5分です。スタミナに自信があるので、自分はMMA時代でも後半になって尻上がりに良くなります。5分だとトップクラスには、なかなか一本を極められないですね」

――一本勝ちへの拘りを持っている?

「取れるのならば、取りたいですよね。でも老獪な技術を持った方々から5分で一本を取るのは、なかなか現実的ではないかもしれません。一本を狙う中で、ポイントを取るような展開の駆け引きが、まだ復帰1戦目では掴み切れませんでした」

――なるほど。今回の復帰2戦目は、そこら辺の駆け引きが見どころになりそうですね。MMAを引退して、フィジークに挑戦、辿り着いたのが柔術。タクミ選手の旅はまだまだ続きそうですが、柔術の面白さはどこにあるのでしょうか。

「あえて選手の立場から言わせていただければ、技を研究して練習し、そしてスパーリングで試してみると、今度は試合で使ってみたくなるものです。これは柔術だけに限ったことではありませんが、自分ができるのはこの競技だけなので、その欲求が出てきます。特に柔術は年齢や帯でカテゴリー分けされているため、危険な場面が少ないのが特長です。

その意味でも、一生やれる競技だと思っています。いちファンとして、愛好家として、常に皆で技術を追求していきたいですね。ジムでの指導もそうですし、仲間とともに柔術を極めていきたいと思っています。個人的には、ワールドマスターで優勝したいです!!」

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