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【JBJJF】広島国際柔術に出場、再出発・神田周一「社内で柔術をやっている会社は、googleとウチだけ」

Shuichi Kanda【写真】広創不動産格闘技部の面々と。本気でなれる趣味は人生を豊かにする。神田と弥益聡志、ウィザードの同門が歩む道は非常に似通っている(C)SHUICHI KANDA

23日(日)、広島市の広島県立総合体育館武道場において、全日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)主催の「広島国際柔術選手権2018」が開催される。

昨年に設立された同選手権は、国際の名称がついているように海外の選手もエントリーしているのが特徴だ。第1回大会は藤田柔術が団体優勝を収め、今年も猛威をふるいそうな勢いがある。

そんな広島国際エントリーした選手の中でも異色の存在が、パンクラスのネオブラッド・トーナメントバンタム級優勝(2015年)の神田周一だ。茨城から地元・広島に戻りジム開設予定の神田が、広島国際の意気込みと自身の未来予想図を語ってくれた。
Text by Takao Matsui


――T-BLOODを辞めて、広島に戻ったそうですね。なにか転機があったのでしょうか。

「格闘技を始めた時から自分の中では、25歳までにチャンピオンになれなければ、地元に帰ろうと決めていました。そこまでに絶対チャンピオンになろうと決めていましたので、実現できなくて都落ちという感じで地元へ戻ることになったんです」

――まだ28歳手前ですよね。

「もう28歳です。僕は川尻(達也)さんの近くで練習をしていましたので、専業でやっている選手とはどういうものかをずっと見てきました。だから目標を達成できない自分が、この先、専業でやれるのかどうかを見切ることができたのかもしれません」

――あまりにも正直に語りますね。

「だってMMAPLANETは結構、本音を深堀りして掲載しているサイトじゃないですか。なので正直に話しますが、もう何年も前からMMAはUFCを目指すか、趣味レベルでやるかで大別されてきていると思います。

もちろん、UFCを目指しますと言い続けることは簡単ですが、川尻さんのようにほんのひと握りの選手だけが、専業で生活できているのが現状で、専業か働きながら試合するかを決断すべき時が必ず来ると思うんです。その分岐点が、僕の中で25という数字だったんです」

――確かにプロとは何かを問われると、専業か否かは大きな判断基準になりますね。趣味という言葉は軽く聞こえますが、周りからすれば本職を持っている人が試合をしてファイトマネーを稼ぐのは副業くらいにしか思えないのかもしれません。個人的には、専業だろうと副業だろうとプロの意識があれば、例えアマチュアであってもそれはプロフェッションだとは思っていますが。

「そういう意見もあるでしょうね。実際に僕は、MMAを辞めたわけではないんで。軸はMMAにありますが、以前とは立ち位置が少しずつ変わってきたということです」

――客観的にご自身を分析できているのですね。ところで広島に戻ったのはいつ頃ですか。

「昨年、結婚をしまして今年の2月に広島に戻りました。でも、これは奇遇なんですが、自分がいま身を置かせていただいている不動産会社の社長は柔道と空手をやっていた関係もあって大の格闘技好きだったんです。

知り合いを介して縁ができまして、その会社で格闘技部のようなクラスを立ち上げ、僕とレスリングをやっていた妻の2人で指導をするようになったんです。社内で柔術をやっている会社は、グーグルとうちだけじゃないですかね(笑)」

――不動産会社の中で格闘技部設立ですか。楽しそうですね。

「本当は12月にスタートするはずだったんですが、本格的に新しくフットサルやジムなどの総合施設を立ち上げることになって動いています。広島に戻った時は敗走している気持ちでしたが、新しいジムを持てることになって夢が継続している感じです」

――それは、むしろ勝ち組じゃないですか。所属はパラエストラ広島になっていますが、今後はどうなるのでしょうか。

パラエストラ広島で行われた塩田GOZO歩セミナーでの1枚

パラエストラ広島で行われた塩田GOZO歩セミナーでの1枚

「もちろん、これからもパラエストラ広島所属で冨樫健一郎代表に指導していただきます。柔術は勉強中なので、少しずつ帯を上げていきたいですね。冨樫代表に教えていただき、中井祐樹会長の『新バイタル柔術』で勉強してインプットしています(笑)。そして格闘技部でアウトプットしていますので、環境には恵まれています」

――広島国際に出場を決めたのは、そうした流れがあったからなのですね。

「MMAの試合オファーもあったんですが、なかなかタイミングが合わなかったです。そんな中で広島国際には出られると思ったので、エントリーしました。格闘技部の白帯の生徒も出ることになったので、同じ目標が出来て楽しいです。その生徒は、不動産会社の先輩社員なんですけどね(笑)」

――アダルト青帯フェザー級とオープンクラスにダブルエントリーしていますね。

「はい。オープンは、一緒に練習している同門のエドワードという170キロの選手も出場していますので、上で当たったら対戦しようねと約束しました」

――勝ち進めば、同門対決が決勝で見られるかもしれませんね。柔術の試合は感覚がMMAと違いますか。

「2つの競技を比較すると、柔術は体系化されている印象があります。MMAは、それぞれのバックボーンを背景に自分の基準で技術が構築されていますが、ロジックに基づいた柔術はより確立されているなと思います。

MMAを軸にしてきた自分が勝つには、スクランブル&コントロールで勝負するしかありませんが、柔術は深く学ぶことができるので面白いですね」

――柔術の領域へ足を踏み入れることになりましたが、不安はありますか。

「今回が柔術のデビュー戦になりますので、分からないことばかりです。MMAを中心にやってきた自分のこの気持ちを、はたして柔術が受け止めてくれるのかどうかも含めて、楽しみにしています」

――MMAと同じ気持ちを柔術で保てるかということですか。

「未知の部分が多いので、やってみて自分がどう感じるかでしょうね。でも競技に身を置く環境は、とても気分が良いです。MMAが軸というのは変わらないと思いますが、柔術がもうひとつの軸となっていければ、さらに楽しい人生が待っていそうです」

――ジムのオープンは、年明けですかね。

「災害の影響もあったので遅れていますが、おそらく春くらいのオープンになると思います。ジムでは柔術、MMA、レスリング、キックと幅広くクラスを設ける予定です。僕は筑波大学でスポーツの研究をしてきましたので、格闘技がいかに人生を豊かにするのかを知っています。老若男女、選手志望の方も含めて一緒に目標へ向かっていけるジムにしたいですね」

――最後に今後の目標はありますか。

「僕の中で柔術がどういう形になって行くのかはまだ分かりませんが、強さを追求することは変わりません。テーマは、子孫繫栄ですね」

――えっ、子孫繫栄⁉

「神田周一は世界チャンピオンになれなかったので、次の世代に託します。子孫繁栄で、100年後も強い神田家を目指します!!」

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