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【JBJJF】パンクラス杯、マスター3出場&SFで石毛大蔵と対戦する高本裕和─02─「プロに負けないアマ」

Takamoto dojo【写真】昨年4月にオープンした高本道場。道場生たちと(C)TSUBASA ITO

15日(土)& 16日(日)、東京都墨田区の墨田区総合体育館で開催されるJBJJF主催「PANCRASE JIU-JITSU CUP 2018」で、マスター3オープンクラスにエントリーし、石毛大蔵とスーパーファイトを戦う高本裕和インタビュー後編。

試合に出場し続ける高本にとって、柔術とは試合にでなくて良く、年を重ねてから始められる競技。反面、世界一になるには神経と筋肉を柔術に勝つために育む必要がある、厳しい世界と捉えている。そんな高本の柔術感を尋ねた。
Text by Tsubasa Ito

<高本裕和インタビューPart.01はコチラから>


――今後、日本人が世界の頂点を獲るためには、やはり子どもの頃から柔術に触れていないと厳しいのでしょうか。

「そう思います。神経と筋肉がそういう風に育っていくのかなと思うので。柔道で言えば、フィジカル的に劣るはずの日本人がなぜあんなに金メダルを獲れるのかというと、親も柔道家で物心ついた時から道着を着ていたという人が、掃いて捨てるほどいるからなんですよ。

そこから淘汰された結果が今、日本代表になっている人たちで。柔術もそうならないと、たぶん世界一は生まれないと思います」

――なるほど。逆に言えば、環境さえ整えば柔道のように日本人が世界一になれる可能性も秘めているということですね。高本道場では「本気の人間だけが、あなたを本気にしてくれる」というモットーを掲げています。

「本気と言っても、怒るとか厳しくするとかは一切なくて、本気でやるためには長く続けなければ本気になれないので、技の要点を伝えつつも一人ひとりの特性に合ったアドバイスをしたいなと思っています。

パラエストラ吉祥寺の先生や会員さんは、よく『社会体育』と言うんですけど、いい言葉だなと思います。柔術だけ強いって当たり前じゃないですか。そうではなくて、社会の中で仕事をして生活をして、競技も一生懸命取り組んで強いというのが目指すべき形なのかなと思うので」

――指導者としての夢を教えてください。

「キッズでは白帯とか灰帯の日本一は出していますけど、大人になっても日本一になれるような選手を育てたいです。でも、基本的に子どもたちは打撃だけの試合以外は全部やっているんですよ。柔術の試合も出るし、柔道の試合も出るし、MMAの試合も出ますし。そのすべてで日本トップクラスという選手をつくれたらいいなって。僕は欲張りなので(笑)」

――それはすごい構想ですね。これまで見たことがありません。

「それを実現するには、やっぱり小さい頃からその競技をやっていないといけないですよね。僕自身も根拠のある指導をしていかなければいけないなと思います」

――柔道は六段をお持ちとのことですが、柔術を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

「大学までは柔道部で、卒業してからアンプラグド国分寺というサンボとMMAの道場に入って、まずサンボを始めました。2003年だった思うんですけど、寝技が得意だったので、誰に習ったわけでもなく柔術の試合に出たんです。

当時は上の帯カテゴリーにもエントリーができたので、白帯なのに青帯にエントリーして。それが初めての柔術の試合です。ベスト8で負けたんですけど、これはやれそうだなと思いました」

――MMAの試合にも出場されていますね。

「MMAのアマチュア全国大会で優勝してから少しだけプロで試合をして、これは割に合わんなと(笑)。MMAをやめた段階で柔術は紫帯だったんです。先ほど話したように石毛選手に負けてサンボの全日本で優勝できていなかったので、サンボの全日本を獲ることと柔術で黒帯になるという目標を立てて、2008年から本格的に柔術の試合に出始めました。

その年に全日本の紫帯で優勝して2009年には全日本の茶帯で優勝して、そこで黒帯になりました。サンボの全日本も、2009年に74kg級で優勝することができました」

――高本道場は2017年4月にオープンしましたが、アンプラグド国分寺と道場をオープンするまでの間は?

Class「アンプラグドを離れた後は、小金井柔術クラブというサークルをつくって活動していました。その後、高本道場の前身になるポゴナ東大和にインストラクターとして招かれて、そこを僕が買い取る形で今に至ります」

――柔道、サンボ、MMA、柔術とさまざまな格闘技を経験されてきましたが、柔術ならではの魅力はどこにありますか。

「技術体系が丁寧で、いろいろな向き合い方がある競技ですよね。僕のようにバンバン試合に出る人もいますし、試合に出ずに道場で自分のテクニックを磨きたいというのもありですし。懐が深いような感じがします。

大人になってから柔道を始めるのは難しいじゃないですか。市の柔道協会には大人の方も所属していますけど、全員経験者でとくに技術指導もなく、1時間なら1時間ずっと乱取りだけやっているような感じなので。素人の人が習うような環境はほぼないに等しいですよね」

――高本選手はマスターのみならずアダルト部門でも試合をされていますが、失礼ながら、42歳という年齢を感じるような場面はありませんか。

「それがですね、全然ないんですよ。これからも体が持つ限りはアダルトもマスターも出続けたいですね」

――忙しい中でもモチベーションを高く保つ秘訣はありますか。

「そういう性格なんじゃないですかね。スケジュールがギッチリ詰まっているのが好きなんです。それゆえに頻繁に遅刻するんですよ(笑)。でも、高本だからしょうがないと周囲が理解してくれていると。本当にありがとうございますという言葉しかないですね(笑)」

――最後にファイターとしての今後の目標を教えてください。

「今年も去年もベスト8だったので、やっぱりワールドマスターの優勝ですね。もうひとつ、戦いを通してプロに負けないアマチュアがいることを示していきたいと思っています」

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