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【UFN142】19連勝のロシア人クンチェンコと対戦、岡見勇信─01─「このままだと上に行けない」

Yushin Okami【写真】自らの城EX FIGHTの城門(?)の前で。本当に穏やかな空気を醸し出していた岡見だった(C)MMAPLANET

12月2日(日)に豪州アデレードのアデレード・エンターテイメントセンターで開催されるUFC Fight Night 142「dos Santos vs Tuivasa」に岡見勇信が出場し、アレクセイ・クンチェンコと対戦する。

昨年9月にUFCと再契約を果たし、4月にウェルター級初戦でディエゴ・リマに勝利した岡見は19連勝中のクンチェンコを戦うことに関して、「強いのは分かっているけど、もう驚くことはない」と語り──非常に落ち着いた雰囲気を漂わせていた。

UFCで戦い始めて干支が一巡した岡見、今も衰えぬUFCへの想いと世界一への拘りについて話を訊いた。そこで聞かれた言葉は、岡見だからこそといえる含蓄に富んだモノだった。


──豪州アデレード大会で、アレクセイ・クンチェンコと対戦する岡見選手です。4月のディエゴ・リマ戦の勝利から7カ月以上インターバルが空いたことになります。この試合間隔というのは岡見選手的にはどのように捉えていますか。

「前の試合が終わってから、少し休んですぐに練習は再開していました。9月ぐらいというイメージはありましたが、UFCに伝えていたのは試合の時期よりも、試合の9週間前にはオファーが欲しいということでした。とにかく年内にもう1試合ということは頭にあったし、アジア人、日本人として北京か豪州かなとは考えましたね。そのうえで9週間前のオファーをしっかりと守ってもらえたので、誰と戦うことも問題はなかったです」

──対戦相手は19勝0敗のロシア人ファイターです。

「変なヤツでなくて良かったですよ」

──変なヤツというのは?(笑)

「アハハ……良く分からない相手、勝っても自分のポジションが上がらない相手と戦うより、19連勝中のロシア人で良かったと思っています。クンチェンコのことは分かっていなかったのですが、中途半端な戦績でただUFCに在籍している選手よりも、明らかに上を狙っている選手なので。UFC的にもロシアというマーケットを持ち、上に来る可能性のある選手を僕に当てて試したいのだろうし」

──つまりUFCとしては期待のロシアンが、タイトル挑戦経験のある岡見選手に勝てば箔がつくと。

「その通りだと思います。そういう相手だから、僕もこの試合に勝てば次戦に向けてステップアップになる。僕自身UFCと再契約できてから3試合目、ウェルター級ではまだ2試合目です。そういう意味では、僕も駆け上がらないといけない立場で時間もない。だから勝っても何にもならない相手との試合は嫌だった。クンチェンコのような強い選手と戦うことができるので、ここで勝たなければなりません」

──クンチェンコは9月のロシア大会でチアゴ・アウベスに判定勝ちし、UFCデビューを飾りました。正直、あの試合はそれ以前に戦っていたM-1の時と比較すると、動きは今一つでした。

「うん、初めてのUFCということもあるのでしょうが、そこまで切れはなかったとは感じました。勝ってはいるけど、差を見せることはできていなかったです。どこが強いのか、ボンヤリした試合ではありました。だからこそ、次は違ってくるというのは想定しています。

ロシア人は力があるし、拳も固い。そして冷静に戦うことができて、勝負を諦めない。強いことは分かっています。同時に僕ももう、これまで色々な選手と試合をしてきましたし、戦って何かに驚くことはないと思うんです。強いなとか試合中に感じることはあっても、その上で何をしていくのか。イメージはしていますが、大きくも小さくもしていないです」

──個人的には岡見選手が強豪ロシア人と戦うということで、気持ち的には15年目のリベンジだと。

「おお、そのケジメはありますね(笑)。アマール・スロエフ戦ですね」

──奇しくも岡見選手が『今は驚くことないだろう』と言われたのですが、2013年10月は初めて驚きと恐怖をケージの中で味わった試合だったのではないかと。

「あの試合のことは今でも忘れないです……。あの試合があったからロシア人は強い、そして怖いというイメージが少なからず残っているわけだし、この試合でそこを払拭したいですね」

──左右のパンチ、ともに強い。そして打撃から寝技へ力強く移行し、またパウンドも強いように見受けられます。

「だからこそ下がらず、プレッシャーに負けないでアタックする試合をしないといけないです。それをやり抜かないと勝てない試合です。今後、UFCの試合は全てそうなるでしょう。前に出て、自分の力を全てぶつけないと勝てない。ちょこまかとテクニックで、上手く回りながら何かをやって勝てる試合はもうない。全てぶつけて勝つだけです」

──前回のUFCとの契約時にも常に岡見選手は前に出ると口にしていましたが、決して前に出ていなかった(笑)。

「アハハハハ、素晴らしい指摘です(笑)」

──それがディエゴ・リマ戦、岡見選手流の前に出る戦いの一つの完成形があの試合で出たように感じられました。前に出ることが、打撃で打ち負けないというというのではない。岡見流の前に出るという戦いがリマ戦で見えたような。

「色々な経験をさせてもらって、色々なスタイルを模索しました。そのなかで自分の力を一番試合で発揮できる戦い方、そこを掴んできました。そして言われたように、その戦い方に関してディエゴ・リマ戦で完結したというか、納得できたというのはあります。

ただし、あのままだと上には行けない。あのスタイルで勝てるのは、リマ・クラスまでです。あの時点で、自分のやりたいことができた。でも、あのままではここから上には行けない。UFCのトップには立てない。そういうことを踏まえて、新たなスタイル構築をリマ戦以降も積んできました」

<この項、続く

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