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【ONE】「物語の軸は人間性。日本大会のカードは12月17日頃に発表する」チャトリ・シットヨートンCEO

Chatri【写真】ハッキリと口にする西洋社会と、東洋の奥ゆかしさという両面を兼ね備えているチャトリCEO。UFCに対して、かなり攻撃的だ(C)MMAPLANET

2018年のJ-MMAにおいて、その存在感を大いに増したのがONE Championshipであることは間違いない。12月7日(金・現地時間)のマレーシア・クアラルンプール大会が年内最終イベントであるONEだが、チャトリ・シットヨートンCEO&会長が、アジアン・アメリカンとアジアに特化した情報発信サイト=NEXTSHARKのインタビューを受けた。ここで語った自らの言葉に対し、「これがONE Championshipのビジョンだ」とチャトリCEOは言う。

MMA=UFCという北米にあって、ONEとUFCとの違いが主題のようになった同インタビューでは、これまでも記者会見や日本のメディアでも語ってきたように「138カ国で17億人が視聴できるONEは急成長を続けており、マーシャルアーツはアジアにあって最高の文化で、ONEはマーシャルアーツにおける誠実さ、謙虚さ、道義心、尊敬、勇気、規律、思い遣りという価値を重視している」ことが語られている。

そしてアジア系米国人に向けての発信するサイト故に、UFCとの比較することでONEの有り方を強調するという方法論が採られている。UFCはドラッグ、暴力などバイオレンスなイメージが強すぎるという、これまでにも聞かれたチャトリCEOのUFC感をなぞる形の発言にあって、「子供の部屋にコナー・マクレガーやジョン・ジョーンズのポスターが貼ってあったら、親はそれをはがすだろう」という言い方もしている。

対して、ONEではマーチン・ヌグエンやエドゥアルド・フォラヤン、アンジェラ・リー、オンラ・ンサンらを例に、マーシャルアーチストがアジアのナショナルヒーローとして注目されているかを語っている。

このインタビューは「米国でアジア系住民は法律家、医師、建築家、エンジニアなど様々な職で活躍しているが、それは米国に渡った世代の成功を求める要望の裏返しであり、自分自身が何をしたいのか。自分の魂の声に従って人生を切り開いてほしい」という発言で締めくくられている。

タイで18年、米国で18年過ごし、成功を収めた後アジアに戻り少年期に触れたマーシャルアーツの世界を突き動かしてきた──チャトリCEOらしい言葉だ。このインタビューに注視すべき点はチャトリCEOとONEのポリシーが、アジア系とはいえ米国人へ向けて発言されていることだ。

これもエディ・アルバレス、デメトリウス・ジョンソンと契約し、ミーシャ・テイトにポストを与えた効果といえるだろう。米国を視野に入れつつ、現状の最大の目標は東京大会の成功と日本定着であるONEチャンピオンシップ──チャトリCEOに、今回の取材で語った内容を踏まえいくつかの問いに答えてもらった。


──NEXTSHARKのインタビューではUFCの暴力性をかなり訴えていました。その反面、ONEではエディ・アルバレス、デメトリウス・ジョンソン、ミーシャ・テイトという元UFC世界王者たちと契約し、ポ引退したミーシャにはポストを与えています。

「UFCは怒り、憎しみ、言い争い、バイオレンス、ブラッドスポーツをプロモートしている。そんなUFCは多くの選手と契約しており、その中にはDJやエディ・アルバレス、ミーシャ・テイトのような本当のマーシャルアーチストが含まれている。彼らはトラッシュトークで怒りや憎しみを増長させるようなことは決してしてこなかった。彼らは武士道が何たるかの示すことができるリアル・マーシャルアーチストなんだよ」

──その彼らの登用により、ONEの姿勢が米国に浸透すると考えていますか。

「残念ながら北米のMMAメディア……シャードッグ、MMAジャンキー、MMAウィクリー、MMAファイティングらはUFCの情報で埋め尽くされていてONEについて理解が進んでいないのが事実だ。ただし12月か来年の1月には米国でのTV契約について我々も正式発表を行うことができる。米国のファンも違った選択肢を得ることになるだろう」

──チャトリCEOは日本の格闘技の再興を掲げていますが、日本のファンも北米流のトラッシュトークやストーリー展開……いわばWWEの手法をリアルファイトに持ち込んだUFCの有り方を楽しむ傾向は十分にあります。

「私も物語創りが悪いとは思っていない。ただし、その中で憎しみやバイオレンスを全面に押し出すことに賛同できないんだよ。ONEのストーリーテリングはアジアの至宝といえるマーシャルアーツの誠実さや尊敬心が軸になっている。五輪スポーツだってそうだ。憎しみや怒りで盛り上げることなんてない。スポーツの価値観、そして人間性がドラマの中軸となっている。それと同じことだよ」

──東京大会の軸もそこにあるということですね。

「その通りだよ。3月31日の両国国技館大会の対戦カードは12月17日に発表予定だ。そしてTV中継についても近いうち、遅くとも1月には正式発表したいと思っているよ。ONEチャンピオンシップの根底にある武道性を日本のファンと共有したい」

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