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【DEEP86】元谷友貴とDEEPバンタム級王座決定戦に向けて、釜谷真「準備運動の相手に僕が選ばれた」

Makoto Kamaya【写真】集大成の一番へ(C) MMAPLANET

27日(土)に東京都大田区の大田区総合体育館で行われるDEEP86で、釜谷真がDEEPバンタム級王座決定戦で元谷友貴と対戦する。

昨年10月にソン・ジンスと挑戦者決定戦を戦い敗れた釜谷が、僅か1年で王座挑戦へ。それは昨今のDEEPや日本のMMAの事情によるものかもしれない。

キャリア14年にして掴んだチャンス、釜谷にそんな事情は関係なく、また元谷絶対有利の空気も関係ない。かつて京都のGSPと呼ばれた男が、京都のメルビン・ギラードになっても良いと断言する──そんな意気込みを訊いた。


──1年前に挑戦者決定戦でソン・ジンスに敗れ、このタイミングで王座決定戦に出られるとは釜谷選手も想像していなかったのではないでしょうか。

「ホンマそうですね。あれが10月21日やったんで。あの時、タイトルを狙えるのは最後とかって試合前には言っていたのですが、ソン・ジンスと戦って自分はまだ強くなれるという感覚があって。もう順番は回ってこないかもしれないけど、続けるという一択しかなかったです。

ただね、こんなに早くというのは予想もしていなかったです。1年前の自分に『お前、1年後タイトルマッチやれるから』と言っても『嘘言うなッ』って怒っているはずです(笑)」

──今現在、DEEPに限らず日本のMMA大会は選手の海外流出の余波を受け、層が薄くなっている事実は否めないです。

「そうですね。でも、そんな事情は今の僕には関係ないですね。それは長蛇の列があったラーメン屋で、こんなに並ばれへんからちゃう店で食べようって列を離れるっていうことですからね。僕は並んでいたから、たまたま順番が早く回ってきたという話で。

待っていたから、順番が回ってくるのは当然やろうと思うし、とにかく僕はDEEPのチャンピオンにこだわってきたので」

──修斗みたいに環太平洋と世界王座の2つがあれば……と思うことはなかったですか。

「それは……高島さんの振りに応えるってことですけど、めっちゃ思いますよ(笑)。修斗は一つの階級にチャンピオンが2つあって羨ましかったです。チャンピオンって人に言えて、胸も張れる。何よりベルトを巻けたら、自分に胸を張ることができると思っているので。

特にね、修斗って僕のなかでは一番伝統があって、アマチュア修斗からあるなかの一つの頂点、そこを持つことができる人が2人いるっていうのはメチャクチャ羨ましいです。

で、DEEPでもこうやって順番が回ってきたんやから、僕も待ち続けた身としては、オイシイ想いもないとなって。まぁ、ここで勝たないと何もオイシクないんですけど」

──正直、このタイトルマッチが組まれるのは釜谷選手マターではないですし(笑)。

「明らかにね(笑)。包み隠してしょうがないですからね。これはもう元谷君の大晦日のための準備運動じゃないですか」

──そこまで自分で言いますか(笑)。

「元谷君の準備運動の相手に僕が選ばれた。それもチャンスに変わりないんで。僕はもうやっつけるだけ。もちろん、普通に考えて向こうが圧倒的に有利って言われるのも分かります。そんなん、自分が客観的に見ても思いますよ。

でも、やるのは僕やし。やってみんと分からん部分はめっちゃあるから。それを見せてやりたいって思っています」

──その意地はもって挑むと。

「そりゃあそうでしょう。意地がなかったなら、14年もやれないですよ。ただ、そんなもんは自分ではナンボでもいえます。でも、ホンマに納得するには勝つしかないんです」

──改めて元谷選手にはどのような印象を持っていますか。

「極めも強いし、判断力もええ。センスがあるからデビュー1年でベルトを巻ける。でも環境やチームメイトで、僕は元谷君に負けてない。

石渡(伸太郎)君とか元谷君対策のミーティングをして、練習の中で彼と戦ううえでズレがあると修正してもらってきました。前の試合が終わって3日後から、こんなゲロ吐きそうにならなあかんねんって思うぐらいやってきたので。

元谷君はセンスがあるから彼の環境であれだけの強さを手に出来たのか、強いから今の環境になったのかは分からないです。東京に出て来て、僕らみたいな環境でやれる人なのかも分からないですし。

そういうタラレバは分からないですけど、僕の勝機は今の練習環境にあると思っています。CAVEで石渡君とMMAとグラップリング、打撃を細かくやり、GENでハセケン(長谷川賢)と一緒にボクシングの指導を受け、ハマケン(濱村健)にミットを持ってもらう。水曜日は竜っちゃん(和田竜光)と上久保(周哉)君と組み合って。上久保君は固められていますよ(笑)」

──和田選手と上久保選手が、柔術対策なのですね。

「ハイ、六本木のキャンディー・ジムで練習させてもらっています。あとトライブで井上学選手とも組ませてもらいました。皆がこうやって、僕と付き合ってくれるのは本当に助かっています」

──元谷戦、一番気を付けたいところはどこになりますか。

「ハマったらアカンのは、気持ちが守りに入ることですね。それだけはダメです。負けたくないっていう気持ちが、勝ちたいっていう気持ちを越えたら無理です」

──ドロドロな展開になった方が良いでしょうか。

Motoya「嫌ですけど、それでも構いません。ただし、打撃戦と違って組みは根性ではどうにもならない。そこは技術と体力ですからね。元谷君はフィニッシュ能力に長けているし、そうなると一本取られますよね。そうならんように勿論頑張りますけど、どうしようもない部分があるのは自分でも分かっています」

──どれだけ頑張っても、越えられないモノを元谷選手は持っていると。

「だからこそ、僕がかまさないと。田中半蔵×日沖発ですよ。ホンマに皆、日々苦しい日常を生きている。そんな人ばっかが僕を応援してくれてるから、巨大な勢力に打ち勝つことで皆の気持ちも上がるやないですか。

今回はビビるぐらい、皆がチケットを買ってくれたんです。相手が相手やと、こんなにチケットが売れるんやって(笑)。まぁ皆、これが最後のチャンスや思っているやろうから。でも、勝ったら道は続くし。僕のためにも皆のためにも続きを見せてあげたいです」

──十分な意気込みが伝わってきたのですが、最後にさらに強い意志を一つお願いします。

「ディスるわけじゃないけど、元谷君は年齢もキャリアも考えてこの試合が集大成なわけがない。次を見据えての、この試合なんです。でも、僕はこの試合が、格闘技人生最後の勝ち星でエェと思っています。

ここで勝てば、もう僕はメルギン・ギラードのような出ては負けるというヤツになってもエェんです。そういうヤツになってもエェので、これだけは勝ちたいです。去年も言いましたけど、ここだけは絶対勝ちたい。勝って、周りにウザいって言われるぐらい喜びたいです」

■DEEP86対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]北岡悟(日本)
[挑戦者]武田光司(日本)

<DEEPバンタム級王座決定戦/5分3R>
釜谷真(日本)
元谷友貴(日本)

<DEEOフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 芦田崇宏(日本)
[挑戦者] 弥益ドミネーター聡志(日本)

<DEEPメガトン級挑戦者決定戦/5分3R>
誠吾(日本)
酒井リヨウ(韓国)

<ウェルター級/5分2R>
悠太(日本)
ANIMAL☆Koji(日本)

<バンタム級/5分2R>
石司晃一(日本)
ハシャーン・フヒト(日本)

<フライ級/5分2R>
高橋誠(日本)
中山ハルキ(日本)

<フェザー級/5分2R>
オーロラ☆ユーキ(日本)
窪田泰斗(日本)

<フライ級/5分2R>
ランボー宏輔(日本)
石神保貴(日本)

<ライト級/5分2R>
大原樹里(日本)
岡村幸範(日本)

<バンタム級/5分2R>
小林博幸(日本)
城田和秀(日本)

<フェザー級/5分2R>
高塩竜司(日本)
神田コウヤ(日本)

<ウェルター級/5分2R>
涌井忍(日本)
川和真(日本)

<ライト級/5分2R>
成田五等兵(日本)
我妻慎太郎(日本)

<ウェルター級/5分2R>
嶋田伊吹(日本)
KAZUYA(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤貴大(日本)
町田貴史(日本)

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