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【ONE81】難敵ルイス・サッポとONE初陣を戦う阿部大治「闘志はむき出しにして、気持ちは冷静に」

Daichi Abe【写真】サッポは強敵だ。だからこそヤンゴンのサークルケージで、ぜひともこのような阿部の姿を見てみたい(C)KAORI SUGAWARA

26日(金・現地時間)、ミャンマーはヤンゴンのトゥウンア・インドアスタジアムで開催されるONE81「Pursuit of Greatness」に阿部大治が出場し、ルイス・サッポと対戦する。

デビューから僅か5年でウェルター級キング・オブ・パンクラシストとなり、6戦目でUFCに転じた阿部だったが、韓国の強豪イム・ヒョンギュをオクタゴン初陣で下したものの、その後はルーク・ジュモーとリー・ジンリャンに連敗し、UFCをリリースされることに。

直ちに阿部が次なる戦場として選択したのがONEだった。そしてサッポ戦に向けてMMAの練習を始めた地、ハワイへ彼は向かった。

そんな阿部のアナザースカイ──いや、阿部の1日をAmeba TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が追った。

MMAPANETでは、阿部が阿部らしくなかったUFCの経験を活かし、ハワイで再生のみなならず進化するための練習について尋ねた。


──ハワイにはいつから入っていたのですか。

「9月14日からですね。10月13日までこっちにいる予定です」

──1カ月のハワイでの練習、主な目的は何だったのでしょうか。

「原点に戻ろうということですね。僕のMMAの原点はハワイでHMCのハル(嶋西晴臣)さんにもう一度、イチから教わってONEの試合に挑みたいと思っています。リフレッシュして、初心に戻ってやっています」

──初心に戻るということは、UFCでの戦い方に阿部選手自身が思うところがあったということでしょうか。試合を見ていても、ここで攻めたいというところで前に出ることができなかったように見受けられました。

「メンタルが弱かったです。言い訳にもならならない。ただ弱かった。そこを見つめ直して、練習してきました。ハルさんにもUFCの時は動きが違い過ぎると言われましたね……というか、怒られました(笑)」

──メンタルというのは、技術よりも原因が追究しづらいかと思うのですが。なぜ「殴られようが、それ以上に殴って勝つ」という阿部選手らしさが出なかったのか不思議で。

「まぁ、原因はあります。でも、それをここでいうのは言い訳になってしまうので……。とにかく次の試合を見てください。俺、何発打たれても絶対にどついてぶっ倒しますから」

──UFCで海外勢のフィジカルや殴られた時の強さを経験してなお、殴られても殴って勝つという信条は変わらないということですか。

「そうなっても負けないという気持ちと同時に、騙し合いが如何に大切かというのは学びました。以前は前に出て打ち合うだけだったのですが、駆け引きを考えて『行くぞ』というフェイントを混ぜて戦う練習もしています。

UFCで戦うまでは力×力の勝負という意識で戦っていましたけど、リー・ジンリャン戦後から騙し×騙しという戦いが必要だと思ってやってきました。レベルが高くなると、向こうもこっちの攻撃を予測できているので。そこを頭に入れて、相手の意表、裏を突く練習を繰り返しやってきたんです。

気持ちは負けないけど、スタイル的には進化させていこうと。UFCでは駆け引きが如何に大切かを学ぶことができたので。前に出ていくだけで日本人選手相手だと勝てていましたけど、フィジカルのある相手が技術的にも足を使って、距離を取ってきたりすると全然、入っていけなかった。そういうところを学ぶことができたと思っています」

──気持ちを入れて、間合いを測る。気持ちが入り過ぎて、前へ前へというファイトになる恐れは?

「そこは闘志はむき出しにしても、気持ちは冷静に戦います。実際にそういう風に戦えることができるようになっています。試合になると、気持ちの戦いという部分で、敢えて闘志を出す場面も必要になってくるでしょうし。と同時に、待ちも大切になってくる。

相手の状況を見て、下がって間合いを取る必要もありますし。そこを合わせて戦っていきたいです。そういう状況で如何に相手を倒すのかをハルさんと一緒に考えてきましたし。

僕は中間距離を得意にしてきたのですが、インファイトとアウトも練習し、使い分けも徐々にできつつあります。例えば小さい相手と練習する時は、相手に打たせてカウンターを取る。大きな相手とやる時は、わざと誘って大振りにさせて射抜くだとか。動いている相手を倒すためには、射抜く力が必要です。強いパンチを持っていても、当たらないと意味がないので」

──UFCに行く前は自分の力を出すことができれば、誰にも負けないという雰囲気でしたが、今の阿部選手はMMAは相手あってのモノとなっているように感じました。

「アハハハ。良さを出すことを積んできました。そういう部分も含め、練習の仕方も学んできました。練習パートナーは強い弱いではないと僕は思っているんです。練習の仕方をパートナーによってアジャストする。そっちの方が大切ではないかと。

スパーリングでも、何を意識して、どのように動けば良いのかを考えてやるようになりました。そういう……ここで学んだことをONEの試合で見せることができるはずです」

──ところでONEで戦うことを決めたのは、いつぐらいなのでしょうか。8月23日のONEの記者会見で阿部選手が契約をしたことをしった次第でした。そもそもフリーエージェントになっていたことも知らなかったほどです。

「実はUFCとの契約がどうかなど、あまり気にしていなかったのですが、リー・ジンリャン戦後にリリースになり、そこでマネージャーと相談してONEで戦っていこうと決めました。ONEのことは結構見ていたんです。選手も揃ってきているし、格闘技として盛り上がりを感じながら見ていました。で、UFCが終わった時に次に戦いたい場所がONEでした」

──対戦相手のサッポはキャリア70戦越えというファイターです。生命力が強い、そんな印象があります。

(C)ONE

(C)ONE

「あの選手は1Rが強いですよね。最初は間合いを取って左右のハイを見せて、テイクダウンも狙える。ベテランなので試合でも、抜きどころをしっている。だからこそ、そこで抜かせないようにして僕の間合いで戦い、コントロールしていきたいですすね。

そうすると疲れて来ると思うので、そこで仕留めるようなイメージでいます。この試合、ONEから阿部大地はどれぐらいやるんだと──問われているんだと思っています。だから名前もあって強い相手を当てて来た。この試合で勝てば、ウェルター級はもう上には数人しかいないし、僕のランクも決まる。絶対に勝たないといけないです」

──84キロで戦うことは、どのように捉えていますか。

「77キロで戦っている時は94、95キロから落とすこともあり、最後の2、3週間ぐらいは如何に試合で戦うのかではなく、体重を落とすことが中心になっていました。

今回は減量も厳しくなくて、現時点で85キロぐらい。追い込みながら、試合を想定しての練習ができているのは大きいです」

──サッポはベン・アスクレンのテイクダウンを切っていた選手ですが、組みという部分では柔道の崩しや投げとの融合は、どの程度進んできたでしょうか。

「そこも取り入れてやっています。投げてからのパウンドまでを考えて、色々なバリエーションを考えています」

──ONEはダメージ重視を鮮明としています。それはダメージを与えているように見える攻撃が必要になってくると考えることができるかと思います。

「ONEで戦うから、特に何かをやるこということはないですね。ダメージに関しても、計算してどうなるものでもないですし、とにかく倒すことを考えています。判定までいって互角の展開だったら、もうレフェリーに判断を任せるしかないので。そうならないようにKOかTKOしかないですね。

大切なことはフィニッシュすること。ダメージの蓄積を考えるのも、ポイントゲームになるので」

──ではハワイで練習をやってきて、自信を取り戻せた部分はありますか。

「自信は取り戻しています。原点のチームでやって来られているので、試合も楽しみながら勝負したいです。しっかりとKOするので、そこを見てください」

■ ONE81対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オングラ・エヌサン(米国)
[挑戦者]モハマド・カラキ(レバノン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ハファエル・ヌネス(ブラジル)
モヴリッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
プー・トー(ミャンマー)
キアヌ・スッパ(マレーシア)

<キックボクシング・ライトヘビー級/3分3R>
イブラヒム・エルブウニ(モロッコ)
タリック・ケバベス(モロッコ)

<67キロ契約/5分3R>
ラディーム・ラフマン(シンガポール)
今成正和(日本)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
ライアン・ジャキリ(フィリピン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
シェ・トゥイニー(ミャンマー)
マイト・ジャイ(ミャンマー)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ルイス・サッポ(ブラジル)
マイト・ジャイ(ミャンマー)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
マー・シュードン(中国)
アフマッド・カイス・ジャスール(アフガニスタン)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ルーディ・アグスティアン(インドネシア)
カジ・エビン(フィリピン)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
ヨセフ・ラシリ(イタリア)
ジョシュ・トナー(豪州)

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