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【JBJJF】東北柔術選手権に出場、茶帯ランク4位の後藤拓磨「劣等感の塊を柔術が変えてくれた」

Takuma Goto【写真】柔術をこよなく愛す(C)Takuma Goto

16日(日)、宮城県仙台市の宮城県武道館 柔道場で日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)主催「第11回東北柔術選手権」が開催される。

東北地方で柔術を広めるために実施されている同選手権へ毎回のように参加しているのは、草柔会仙台の後藤拓磨。今回もアダルト茶帯ミドル級&オープンにダブルエントリーしている。今年の全日本選手権ではアダルト茶帯ライト級で3位、2018年のランキングは4位(9月現在)にランクインしている後藤に東北選手権への意気込みと柔術観を訊いた。
Text by Takao Matsui


――後藤選手は、いつから柔術を始めたのですか。

「約9年前、2009年11月から始めました。もともと柔道をやっていまして、立ち技が苦手で寝技に興味があったんです。自分の先輩が、たまたま柔術を習っていると聞いて紹介していただいたのがキッカケです」

――立ち技が苦手な柔道家ですか(笑)。

「柔道は、そんなに大したことのないレベルでした。一応、初段でしたが大きな大会での入賞歴はありません」

――柔道はダメでも柔術は合っていたと。

「どうなんでしょうね。ただ柔術は、柔道にはないフレンドリーな雰囲気があります。対戦した選手が、次はセコンドについてくれるとか、とても居心地の良いスポーツマンシップを自分は感じました」

――たしかに柔術には、仲間の絆が強く独特の世界観がありますね。ちなみに寝技のどこが好きなのでしょうか。

「どこと言われると困りますが、全てですね(笑)」

――恋人の好きなところの問いに対する模範的な回答ですね(笑)。

「昔、PRIDEでアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ選手と横井宏孝選手の試合がありましたが、あれは今でも見るくらいに好きなんです。ノゲイラ選手が関節を仕掛けて、横井選手がそれを逃げて、会場が沸くシーンがあるんですけど、何回も見ますね。あの場面、最高です」

――PRIDE GP2004開幕戦ですね。アナコンダチョークでノゲイラ選手の一本勝ちでした。

「そうです。あの攻防が、とても素晴らしいです!!」

――ええと、仕事は何をされているのでしょうか。

「郵便局でかんぽ生命のセールスをしています。勤務時間が決まっているため柔術の練習ができるので、とても良い環境ですね」

――積極的に大会へ出場されているのは、そういう環境も背景にあるのですね。

「大学生の時は、毎日、練習することができたんですけど、社会人になると何かと仕事が忙しくなりますよね。公務員でも、それは同じことです。でも草柔会の岩渕貴司先生から、『ここで大会に出るか、出なくなるかの分かれ道ですよ』と背中を押していただき、積極的に大会へ出るようになりました」

――そうだったのですね。地方で練習しながら、トップ戦線で結果を残すことについて、どう考えていますか。

「自分は、ここでも十分に強くなれると思っています。じつは、昔、カルペディエムの岩崎正寛選手が1年間、ここで練習されていたことがありまして、いろいろと進路に迷っている時でした。

その時に岩崎さんから、『地方でも関係なく強くなれる方法がある。それはひとつの技を極めること』と教えてもらいました。岩崎さんはディープハーフを極めて、そこから技を派生して強くなっていきましたよね。自分も何か極めようと思い、アンデウソン・タカハシ選手が三角絞めで一本勝ちをしている試合を見たんです。これだと思い、それから三角絞めの研究が始まりました」

――アナコンダチョークではなく、三角絞め。もともと得意だったのですか。

Goto「いえ、仕掛けても一本勝ちはできないレベルでした。でも、その時から寝ても覚めても三角絞めのことばかりを考え、研究してきました。YouTubeで三角絞めの映像を見ては研究し、我流でこれまでやっています」

――ミスター三角絞めを目指していると。研究されると、なかなかかかりにくい技ですよね。

「でも入り方は様々ですし、そこから技を連携させていけばいいので、大きな武器としてこれからも磨いていきたいです。フットロックのように極める三角とか、バックコントロールを取られてからのカウンターの三角とか、バリエーションはいろいろとあります」

――では東北選手権でも、三角絞めで優勝を狙うわけですね。今回は、ミドル級とオープンともに佐藤竜也選手と二人エントリーになりました。

「佐藤選手は、出稽古に来られたことがありますが、試合で対戦するのは初めてです。とても楽しみにしています」

――将来のビジョンなどありますか。

「まだ具体的に決まっていませんが、将来的には仙台で柔術のインストラクターになりたいです。もちろん、これからキャリアと実績を積んでいかないといけませんが、黒帯になってムンジアル、ワールドマスターとか出てみたいです」

――安定した仕事を捨ててまで、柔術のインストラクターになりたいと。関根“シュレック”秀樹選手も警察官を辞めてプロになりましたが、そこまで魅力のある世界なのですね。

「自分は取柄がなく、劣等感の塊でした。そんな自分を変えてくれたのが、柔術です。柔術のおかげで自信がつき、人生が変わりました。最初は、技の飲み込みが遅く、集中力も散漫で岩渕先生は心配だったようです。

でも、そんな自分を見放さないで丁寧に教えてくれました。ゆっくりですが、少しずつ上達し、これまでスパーで勝てなかった先輩に勝つことができました。それから、さらに柔術にはまっていきました」

――努力を続ける先に栄光がある。柔術は夢のある競技でもありますね。

「自分の知り合いに、大学を蹴ってカルペディエムへ入った大柳敬人選手がいます。人生を投げ売ってでも、好きなことをやれるって最高のことですよね。自分も、そういう人生を送っていきたいです」

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