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【Grachan36】10周年記念大会に際して、岩崎代表に訊く──スポーツベッティングとこれからの10年

Iwasaki san【写真】10周年記念大会及び、これからの10年を語ってもらった (C)MMAPLAET

9日(日)、東京都大田区の大田区総合体育館で開催されるGRACHAN 36=10周年記念大会より、グラチャンではスポーツベッティングという新しい試みを始める。

観客層と市場の拡大を狙うには、一般層の興味を如何にケージの中に向けることができるのか。そんな発想の下、グラチャンとスポーツペッティングのコラボがスタート。10周年から、次の10周年へ。グラチャン岩崎ヒロユキ代表に会見前に話を訊いた。


──10周年記念大会が直前に迫ってきました。

「その前にONEチャンピオンシップが日本に来て、盛り上がりに欠けていた日本の格闘技界が久しぶりに良い流れになってきました。本当に感謝ですよ。ONEはi Phoneですよ。i Phoneは外資だけど、日本に需要があるということで溶け込んできました。

ONEも同じだと思います。ああいう良いモノを取り入れて、そこが動いている間に日本のプロモーターが創っていくことが大切になります。

MMAプロモーションが日本にいくつもあって、そのなかで株を上場したらどこを買うのか。何か動かすぞっていう期待をされるのはどこなのか。そこを意識してやってきました。そういうなかで、全く違うビジネスの相談をとあるゲーム会社にさせてもらいに行った時に、逆に話を頂いたのが今回のスポーツベッティングのビジネスなんです」

──ベッティングですよね。最初、ペッティングかと思って、どんな手段で注目を浴びようとしているんだと思いましたよ(笑)。

「いや、たまに間違ってペッティングって押しちゃうんですけどね(笑)」

──ベッティング──つまり賭け事になるわけですが、日本では競馬、競艇、競輪、オートレース、宝くじ、toto以外のギャンブルは合法ではありません。

「このシステムはお客様が出費することはない。誰でも参加できる。お金を使っていないから、博打にならない」

──懸賞ということですか。

「そういうことです。サイトの広告料を分配する仕組みです。スポーツベッティング対象の試合に手持ちのポイントをベッティングする仕組みなんです」

──その効果として、岩崎代表は何を期待しているのですか。

「これによって試合への集中力が増し、選手を知ってもらうことができます。知り合いの選手の試合が終わっても、帰らなくなる。友達の応援だけでなく、他の試合も興味を持ってくれることで観客層及び、マーケットの拡大につながってくるのではないかと思っています。

僕は日本人だから日本の格闘技をどうにかしたいけど、答が見つからない。そして影響力もない。そんな時にスポーツベッティングの話を頂き、二つ返事でやりましょうと答えました」

──正直、私はまだピンとこないのですが……。

「それはやはり会場で体験してもらうことが一番だと思っています」

──この株式会社チアードさんによる、スポーツベッティングとは他にどのようなスポーツで行われているのですか。

「まだ他では行われていないんです。特許取得やサービス開発をする中で、今回一発目のテストケースとして力を貸して欲しいと依頼を受けたんです。先程懸賞という言葉を使いましたが、オープン懸賞という誰でも参加出来る、普段から世の中で行われているものをよりベッティング、ゲーム要素が強いものに変えたものなんです」

──つまり景品表示法に基づいたスポーツベッティングという娯楽であり、賭博でないと。

「そうなんです。これは、現金だから受けました。ダークなイメージを格闘技に持ちこみたくない。法治国家でスポーツエンターテイメントを開催する人間として。そしてチアードも、特に格闘技に広めたいとは思っていない。逆に格闘技の色を付けたくないそうで、フットサルやそういう分野に進めていくそうです。だから僕はラッキーでした。この後、更にエンタメとして盛り上がるような仕組みも開発しているとのことです。

──そんなスポーツベッティングが始まる10周年記念大会、Gladiatorライト級チャンピオンの岸本泰昭選手の出場は、12月に東京進出を明言したグラジエイターとの合同イベントへの一歩ということですか。

「12月の大会、僕はグラチャン×グラジエイターの対抗戦とか、そういう図式でやろうとは思っていません。団体の協力でなく、一つの括りにしようと思っています。グラチャンとグラジエイターのなかで、ベルトが行き来しても良いと思っています」

──岩崎さんはインディという言葉を非常に嫌っています。

「う~ん、この10周年を機にグラチャンをブランディングしていきたい。その時にインディという言葉があると、壁を作ってしまいます。だから使いたくないし、使って欲しくない。日本人はメジャーとインディ、老舗と新興って対立構造が好きで、そうすると分かりやすいし、伝えやすいことも理解しているのですが。

でもね、もう時代を変えたいんです。そういうのじゃなくて……対立構造を持っていると、日本の格闘技界は皮が剥けない。そりゃあ僕一人じゃ無理ですけど、そういう意識を持っていたいんです」

──そこでグラジエイターと対抗戦でなく、一つの括りにしていくと。

「そういう広がりを僕らのところから見せていきたい。だからグラジエイターとグラチャンのライト級で一番強い選手同士が戦うんです」

──勝てばHEATに行って、ライト級王者のオク・レユンを倒しに行くだとか?

「そう、そういう横のつながりを確立したいんです。もう日本の格闘技界は縦軸でなく、横のつながりですよ。そういう風にツーステップ先を見ていたい。現状維持ではなくて。グラチャンという場で、僕は格闘技に対して死ぬまで自己投資をしていきたいんです」

──そのような動きが現状維持とは違うということですね。

「9月9日が10周年記念なので、次の10年に向けて代表作を作らないといけない。経営今作るではありませんが、コンサル業や顧問をやっていく中で、もう一つ何かの形を成功させないといけない。日本の貯蓄文化に対して、投資文化を根付かせたい。以前からそういう意識改革に関わっていきたいと思ってきました。

グラチャンが形になってきたので、スタッフに任せることができます。なので、僕は他の方に目を向けていこうかと。簡単に言いますと、格闘技から生まれたイベント会社をベンチャー企業にするのが目的です」

──その前に10周年記念大会に期するところを話してください(笑)。

「PRIDEがなくなって10年間、ゼロから来て誰にも相手にされないなか、現状維持でなく動いてきたつもりです。それを単発でなく継続させていきたい。グラチャンにとって次の10年は岸本君の参戦からです。Gグループの誕生です。そしてスポーツベッティングとシンクロさせて格闘技の見方、入り口が変えていく。そのチャンスだと思うんです。

例え上手くいかなくても、何かを動かしていきたい。発信源となること、それをこれからもやり続けたいです」

Wakayama san■8日(土)には出場選手の記者会見後に、スポーツペッティングに関する記者会見も行われ、株式会社チアードの若山史郎代表も出席し、賭け事でないので年齢制限もない、座組はオープン懸賞という形になっているなど、スポーツベッティングに関して説明も行われた。

また明日の大会からは下記の太字のMMA戦以外に、1MCの3試合がスポーツベッティングの対象試合となり、パンフレットに掲載されたQRコードから誰もが参加できる。

■Grachan36対戦カード

<Grachanフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]阪本洋平(日本)
[挑戦者]原井徹(日本)

<Grachanライト級王座決定戦/5分3R>
山本琢也(日本)
岸本泰昭(日本)

<フェザー級/5分2R>
昇侍(日本)
近藤淳平(日本)

<ミドル級/5分2R>
圭太郎(日本)
清水来人(日本)

<バンタム級/5分2R>
中村謙作(日本)
米山千隼(日本)

<女子アトム級/5分2R>
沙弥子(日本)
チェ・ジュ(韓国)

<Grachanフライ級王座決定戦/5分3R>
松場貴志(日本)
山本聖悟(日本)

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]堀友彦(日本)
[挑戦者]手塚基伸(日本)

<フェザー級/5分2R>
伊藤空也(日本)
遠藤来生(日本)

<フェザー級/5分2R>
AYA(日本)
サン・アルン(韓国)

<フライ級/5分2R>
ネコ☆佐々木(日本)
吉澤勇人(日本)

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