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【UFC103】PRIDE中継解説者トリッグ、UFC復帰へ

2009.09.18

(C) XCFテキサス州ダラスのアメリカンエアラインズ・センターで、19日(土・現地時間)に行なわれるUFC103『Franklin vs Belfort』。メインでヴィトー・ベウフォートがUFC復帰を果たすが、PRIDE米国中継の解説者だったフランク・トリッグも、4年1カ月ぶりにオクタゴンに登場、ジョシュ・コスチェックと対戦する。

【写真】日本のマットでは桜井マッハ速人との死闘が今も語り草となっているフランク・トリッグ。PRIDEの米国中継の解説者を務め、TNAというプロレスも経験している芸達者。戦極、ストライクフォース、フロリダの新興MMAプロモーションXCFなどで活躍を続けていたが、動きはやや重く感じられた (C) XCF

アフリクション消滅後、ストライクフォースとの二強時代に突入し、UFCはプロモーションとしてのキャパの違いを示すかのように、アフリクション契約選手以外でも、名前のあるベテランファイターたちのスカウト、再契約も目立っている。

上で記したベウフォートやトリッグ以外にも、今大会でポール・デイリーがUFCと契約を果たし、ウラジミール・マティシェンコも実に6年振りのオクタゴン登場となる。さらに今後のイベントでもティト・オーティズ、フィル・バローニ、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ、エリートXCで活躍したジャレッド・ハマンらもUFC参戦予定と、人材の確保は進んでいる。


ただし、そこは世界のMMA最高峰だけあって、簡単なカムバックロードが用意されているわけではない。UFC離脱後はミドル級での戦いがメインとなり、プロレス活動もしていたトリッグはウェルター級に戻し、コスチェックというトップと対戦することになった。

Koscheck(C) ZUFFA【写真】今年1月のパウロ・チアゴ戦でまさかのTKO負けを喫しているジョシュ・コスチェック。復帰戦となるベテラン=フランク・トリッグ戦でUFC4年間分の進化を見せつけることができるか (C) ZUFFA

いきなりの強豪との対戦は、勝てばすぐにトップ集団入りができる利点もあるが、彼がUFCで活躍した時代と比較して、ファイターの層は比較できないほど厚くなった現在、UFCトップ集団に位置するファイターと対戦して勝機がどれだけあるのか。ハイリスク・ハイリターンの復帰戦となる。

ともにレスリングをベースに力強い打撃を持つコスチェックとトリッグだが、コスチェックの動きはトリッグのソレを上回る速さがある。これがTUF以降の世代と、それ以前の世代の大きな違いといえる。一般層の支持を得たTUF以降のUFCファイターは、ノンストップアクションで3Rをフルに動くことを要求されてきた。よって多少荒い攻防も目立つが、悪い意味で間があくことはほとんどない。

パワー溢れるトリッグだが、パンチやヒザといった技云々の速さではなく、試合テンポがコスチェックらの世代と比較すると、やはりワンテンポ遅いと言わざるを得ない。それはマット・ヒューズ、マット・セラという同級のベテランファイターにも言え、厳しい言い方をすればヒューズ世代とコスチェックらのMMAには隔世の感がある。

もちろん、トリッグがその辺りの変化に気付かないままUFCと再契約することもないだろうが、オクタゴンへ入るまでに完全にアジャストすることは難しいか。ウェルター級新旧対決は、迎え撃つ側=新世代コスチェック有利と予想される。

■UFC103対戦カード

<195ポンドキャッチウェイト/5分3R>
リッチ・フランクリン(米国)
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ミルコ・クロコップ(クロアチア)
ジュニオール・ドスサントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
フランク・トリッグ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マーティン・カンプマン(デンマーク)
ポール・デイリー(英国)

<ライト級/5分3R>
エルミス・フランカ(ブラジル)
タイソン・グリフィン(米国)

<ライト級/5分3R>
エフライン・エスクデロ(メキシコ)
コール・ミラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ドリュー・マックフィールズ(米国)
トーマツ・デューエル(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
スティーブ・ロペス(米国)

<ライト級/5分3R>
ニック・レンツ(米国)
ハファエロ・オリベイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
リック・ストーリー(米国)
ブライアン・フォスター(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
エリオット・マーシャル(米国)
ジェイソン・ブリッツ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・ポクライェク(クロアチア)
ウラジミール・マティシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
ロブ・エマーソン(米国)

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