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【Special】月刊、青木真也のこの一番:番外編─ウィラチャイ戦を振り返る。「どこまで舐めてんだって」

Aoki Face off【写真】携帯を取り出す前にウィラチャイが青木を本気で怒らせた行為とは…… (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画──の番外編。

(C)TAKASHI IGA

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6月27日、ONE77でシャノン・ウィラチャイをマウントからヒジ打ちで大流血に追い込み、TKOで下した試合を自ら振り返ってもらって。

ウィラチャイのある行為が、青木を本気に苛立たせていたという裏話とは。


──では番外編となりますが、青木選手自身のウィラチャイ戦を振り返ってもらえますか。エルボーで勝つことで、作品を仕上げました。

「それありますね。良くいえば、俺のことを研究していましたよね。下になっても立ちにいかずに、ただ上を向いているというのも。背中をつけて凌いでやろうと思っていたんでしょうね。まぁいってみれば舐めていますよ。ああしていれば、僕のパンチじゃ効かないよって思っていたわけですし。

研究しているといえばしているんだけど、舐められているといえば舐められている」

──ウィラチャイという選手は、悪気はないのでしょうが格闘家としてピリッとしたところがない。それで強いなら良いですが、そこまでの力の持ち主でもない。タイや東南アジアではどういう見方をされるのか分からないですが、日本のファンからすると、イラっとしてしまう選手です。そして、記者会見の時から青木選手のイライラも伝わってきていました。

「それもありました。『アオキ・センセイ』とか言い始めて、サングラスをハメるし、フェイスオフのときに今成のあのポーズを両手でやってきたんですよ」

──えぇ、そんなことをッ!! だから顔色が変わったのですね。

「オ〇コって意味が分からなくてやっているんだろうけど、それはダメでしょ」

──アウトですね。

「ないですよねっ!! 俺とアイツのキャリアの差で、オ〇コはないだろうと。そうしたら、携帯を取り出して写真まで撮り始めた。コイツ、どこまで舐めてんだって思いましたよ」

──あの青木選手の表情は、これはマジだと思いました。

「チャトリが堅くなっていましたからね。僕が日本語で『お前、舐めんなよ』って実際に口にしたら、まぁまぁって僕を制してきて。でもお前、オ〇コはないだろうってことですよ」

──〇メ〇は、書けないので連呼されても困ります(笑)。でも、静岡出身の青木選手は関西風なのですね。

「僕はオ〇コですね。(※小声になり)前田吉朗が『オ〇コ』、『オ〇コ』って言っているので、その影響かな(笑)。いずにせよアレはないよ、あの野郎は。だいたい、今成がやることを皆、許しちゃっているけどアウトですからね」

──確かに。ではもう一度、エルボーの方に話を戻させてください。

「ハイ、テイクダウンの間とか含めても差があった。結果論だけど、グラウンドだけでなくやってきたことが試合でたまたま出た感じです」

──エルボーは狙いでしたか。

「エルボーは常に考えていますが、出たのは作戦とかではないです」

──感触はいかがでしたか。

「当たった感覚がなかったんです。打っている時の感覚は、どこを狙ったのかとかも覚えていない。それこそ感覚でやっていたのかと」

──レフェリーの島田さんが、開いたところに連続に入れているので、もう止めるしかなかなかった。えげつない攻撃でしたと試合後に話してくれました。

(C)TAKASHI IGA

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「いや、僕は切れたのは分かったけど、島田さんだからストップはないと思っていたんです。でも、傷が開いたら戦っている当人はやりますよね。勝負の鉄則です」

──ローだとえげつなく見えないかもしれないですが、カットしたところを攻めるのもローを蹴り続けるのも同じことですしね。それにしても見事なヒジでした。

「デェダムロンとかナムサックノーイが教えてくれていたことが、そのまま出た感じです。下の人間に手首を持たれた状態で、ヒジを張っていると振りほどいても、相手はそのまま顔を守ることができるんですよね。だから、ヒジを内側に入れるように外して落とす。デェダムロンとかがやっていたやり方で」

──パンチとヒジは距離が違いますが、そこも自然とアジャストできるのですか。マウントエルボーは前傾姿勢になりやすくヒザも滑って、バランスも崩しがちになるかと。

「そこはデェダムロンでさえ、マウントでなくてハーフで打てって言っています」

──なるほど。では勝利後に客席のなかに入っていくことは計画していたのですか。

「アレも全く考えていなかったです。本当にアイツに対してイライラしていたので、ケージの中ではアイツの全部を消してやろう……何も認めないって態度でいようとは思っていました。

バックステージでリカ・イシゲが来て、通訳してくれた時にはさすがに言葉を交わしましたけど、ケージのなかでは一切にアイツと交わらない。ハグや拍手、健闘を称えるなんてことも絶対にしないでいようと決めていました。そうしたら一番良い方法がケージから出ていくことだったので、ああいう行動に出ていたんです(笑)」

──実はこの試合に関して、青木選手が作品という言葉を出した時に、この相手に作品も何もないだろうという気持ちはありました。それをエルボーというフィニッシュで作品に仕立て上げた。アッパレでした。

「エルボーはたまたま出ただけですけど、やっぱり格闘技自体が深いです。日々やってきたことに無駄なことはない」

──ウィラチャイ戦を終えたことで、また青木選手がタイトル戦線におけるウィイニング・トラックに戻ってきた。次はハードな相手になることを期待しています。

「そうですね、アリエル・セクストンなのか、イブ・タンなのか、あるいはフォラヤンかもしれないし」

──下石選手、安藤選手、そして青木選手に勝った日本人の壁ばかりです。そこを越えて、日本大会でライト級王者マーチン・ヌグエンというストーリーが日本のファンにとっても最高です。

「日本大会までグラップリングでも良いので、1試合は挟みたいですね。MMAとグラップリング、どっちもできれば一番だけど。もう一つ磨いていきたいですね。ただ、ヌグエン自身が階級をどうするかですね。

僕としてはこれまで通り、求められた仕事を一生懸命こなします。ただ、今の状況になって名前が知らないから楽勝と思われる現状でなくなったことは、やり甲斐を感じます」

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