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【WJJC2018】無差別級はブシェシャがレアンドロ・ロに勝利を譲り、大団円。メレガリはペナに一本勝ち!!

Open【写真】3位のメレガリ、今年は頂点を取り残したが、早くも来年のリベンジへの期待が募る(C) SATOSHI NARITA

5月31日(木・現地時間)から6月3日(日・現地時間)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。ブラジリアン柔術の頂点を極める同大会ロングラン・レビュー、実に第22弾となる最終回は2018年度最強柔術家決定戦=無差別級の戦いをお伝えしたい。


本年度地上最強の競技柔術家を決める舞台にして、階級を超えたドリームカードが次々と実現する無差別級。今年は早くも準々決勝で大注目のカードが実現した。昨年ヘビー級でレアンドロ・ロを倒し世界を驚かせたニコラス・メレガリと今年のムンジアル・ヘビー級で悲願の初優勝を果たした──昨年のADCC無差別級を制したフィリッピ・ペナ・プレギーサ、重量級世界屈指のオープンガードの使い手同士の一戦だ。

<無差別級準々決勝 /10分1R>
ニコラス・メレガリ(ブラジル)
Def. by 袖車絞め
フィリッピ・ペナ(ブラジル)

両者が並ぶとメレガリの上背が目立つ。まず引き込んだのはペナ。ハーフガードで潜ってあっという間にメレガリの右足を抱えて下から煽るが、メレガリも長い手足を利してバランスをキープする。

やがて50/50の体勢になると、ペナはメレガリの右足をアキレス腱固めのグリップで捕らえて下から回転しながら崩しにかかる。メレガリもそれに応じて動き続け、ペナの右足を抱えて防ぐ。結果、ダブルガードの体勢からペナが立ち上がって2点を先制した。

するとメレガリは下から左足を絡めて得意のデラヒーバを作り。さらに右足も伸ばして長い両足で変形のXガードの形を作ってペナの姿勢を崩すと、そこからシットアップしてペナの右足を抱えてのテイクダウンへ。背を向けて逃げようとするペナを追いかけて背中に付いたメレガリだが、ペナは前転して上になり、体をずらして立ち上がり上をキープした。

ここで場外ブレイクとなり、メレガリにはアドバンテージが与えられる。ここまで重量級ながら抜群のアジリティを誇る両者によるノンストップの攻防が続いている。スタンドで再開後、再びペナは引き込んでメレガリの左足を抱えて煽り、さらに左足にXで絡んで右足を抱えてのスイープを狙う。メレガリは長い手足を利してバランスを保つと、ペナはほとんど外掛けのような形でメレガリの右足に絡んでペナルティをもらう。

その後も下から煽るペナだが、メレガリは右足でニースライドを狙ってからペナの右足を左足で大股にまたぐと、今度は左足をステップバック絡む足を解き、さらにすぐさま左ヒザをペナの腹にこじ入れてニーオンザベリーの形に。これを嫌がってスクランブルしたペナの背中に付く怒涛の連続攻撃。大歓声が上がるなか、それでもなんとか体をずらしたペナはハーフからクローズドガードに戻すことに成功する。

この大激闘のなか、ペナはアドバンテージも3つ奪われた上にペナルティも一つ取られているが、まだスコアでは2-0とリードしている。残り4分、立ち上がってガードを押し下げてくるメレガリに対し、ペナは右足に絡んで崩しにゆく。一度バランスを崩しながらも立ち上がったメレガリを、ペナはカニバサミのように豪快に倒す。即立ち上がったメレガリに対し、ペナは足を絡めながら外回りでバランスを崩させ、50/50の体勢からズボンを掴んでのバック狙いに。

対するメレガリは前にうつ伏せに倒れこみながらペナの足の絡みを解くと、左足をレッグドラッグしながらペナのズボンを掴んで上に。そのまま亀になったペナの背中についてみせた。ここから両足フックはさせじとペナが守ったところで、メレガリは背後から袖車絞め。残り2分のところで、ノンストップの大激戦を制したのだった。

昨年、ロをスイープして世界を獲ったオープンガードの強さが目を引いたメレガリが、長い手足を利したトップでのバランス感覚、パスの技術、そして極めの力も全て抜群であることを見せつけての勝利。準決勝で、現時点で地上最強の柔術家と目されるブシェシャことマーカス・アウメイダとの大注目の一戦を実現させた。

<無差別級準決勝/10分1R>
マーカス・アウメイダ(ブラジル)
Def. by 5-2
ニコラス・メレガリ(ブラジル)

引き込んだメレガリは、ブシェシャの右足に絡んでゆく。対するブシェシャは、その右足を曲げて股間に当てて座ってベースを取る。やがて立ち上がったブシェシャの右足に、メレガリはデラヒーバフックを入れ。さらに両足でXガードを作ってブシェシャの左足にも絡める得意の体勢を作るが、懐の深いブシェシャは腰を引いてXの絡みを解くと再び座り込む。

その後メレガリは片襟片袖から右でラッソーを作ると、ブシェシャを横に転がして上を取って2点を先制する。下からハーフガードを取ったブシェシャに対してヒザ抜きを狙う。一旦場外ブレイクが入って同じ体勢で再開、ブシェシャはすかさずメレガリのズボンを掴んで背中側にめくってのスイープを決めて同点に。

下になったメレガリは再びデラヒーバから奥でXを作ろうとするが、その狙いはお見通しのブシェシャは腰を引きメレガリの足を押し下げてそれは許さず。メレガリはクローズドガードを取った。

長い腕を伸ばし、メレガリの下からの仕掛けをしばし遮断したブシェシャはやがて立ち上がり、メレガリのガードを開ける。オープンに移行したメレガリは、ブシェシャのラペルを引き出して自らの右足とブシェシャの左腕にラペルラッソーの形に。そこから煽ってゆくが、ブシェシャは立ったままベースを保つ。

残り2分を切り、ポイントは2-2の互角のまま。メレガリは再びブシェシャの左足に内掛けで絡み、さらに得意のデラヒーバとXの形を作るが、ブシェシャはその足を押し下げて対処する。ここでブシェシャはメレガリの右足を押し下げながら膝を付き体勢を低くし、左足をかつぎにかかるが、メレガリは右足を自由にすることに成功した。

立ち上がったブシェシャは、やや強引に足を捌きながらのニースライドに。しかしメレガリが左足のシールドでそれを防ぐと、ブシェシャのバランスは前方に一瞬流れてしまう。すかさずメレガリはブシェシャの左足を肩に抱えて立ち上がる…と見せかけてその足を前方に投げて崩してからのスイープに。

完全にバランスを崩されたかに見えたブシェシャだが、なんと一瞬で体を翻して態勢を立て直すと、あっという間にメレガリのバックに回る。大歓声が上がるなか、ブシェシャは動くメレガリの上に乗ってサイドで抑え込んでしまった。圧巻のスクランブルを制したブシェシャは、残り1分の時点で、5-2と決定的なリードを取ったのだった。

下になったメレガリはそれでも諦めずに動こうとするが、ブシェシャはそれを許さずニーオンザベリーを狙う。さらに腕を極めに上四方まで回ったが、メレガリがこれを防ぐと無理せずリバースハーフの上でメレガリの上半身に座り込んで、最後の数秒をやり過ごして勝利した。

終盤強引に試合を動かして、身を危険に晒しつつも、最後はその爆発力で相手を制して試合を持って行ってしまう。ブシェシャを地上最強の柔術家たらしめているその強さの本質が、見事に発揮された一戦だった。

もう一方のブロックから決勝に進出したのは、ルイス・パンザやヴィクトー・ホノリオら重量級の強豪を退けて決勝に進出したレアンドロ・ロ。ということで、大会最終日の最終試合として行われる決勝は昨年と同じ、ブシェシャとロの顔合わせとなった。

しかし既報の通り、ロは階級別決勝のモハメッド・アリー戦で肩を負傷。無差別級決勝の舞台にも肩を吊って登場した。これで不戦勝で昨年に続いてブシェシャの優勝が決定…と思いきや、そこでブシェシャがロの腕を上げた。ロのこれまでの戦いに敬意を評して、練習仲間でもあるブシェシャが優勝を譲ったのだった。これでロはこれまでの階級別3階級制覇に加えて、無差別級世界王者の称号も得たことになる。

■WJJC2018 無差別級 リザルト
優勝 レアンドロ・ロ(ブラジル)
準優勝 マーカス・アウメイダ(ブラジル)
3位 ヴィクトー・ホノリオ(ブラジル)、ニコラス・メレガリ(ブラジル)

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