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【UFN19】サバイバル&トップ進出を賭けたメインとセミ

2009.09.10

(C) MMAPLANET16日(水・現地時間)、5カ月ぶりに開催されるUFC FIGHT NIGHTは、オクラホマ州の州都オクラホマシティで行なわれる初めてのUFCとなる。オクラホマ州全体では、94年の12月に行われた第4回タルサ大会以来、同州では実に15年振りのUFCとなる。

【写真】13カ月振りの復帰戦はオクラホマ大会。グレイ・メイナードという厳し対戦相手をマッチアップされたロジャー・フエルタ (C) MMAPLANET

ただ、UFC開催は15年振りでも、近年の北米におけるMMA人気の拡大現象はオクラホマ州でも明らかになっている。4月には新興ESPN DEPORTESで中継されたベラトールFCのイベントがオクラホマシティ郊外ノーマンで開催され、今大会の10日後には躍進中ストライクフォースの人材育成大会=SHOMMA Strikeforce Challenger Seriesがタルサで行なわれる予定だ。

北米各地で巻き起こるMMAブーム、その勢いに後押しされ、UFCはキャパシティ1万3000人以上のコックス・コンベンションセンターに乗りこむ。そんな同大会のラインナップにはUFC人気の原動力となったTUF卒業生の名前が揃っており、メインのライト級でもTUFシーズン5ウィナーのネイト・ディアズが、TUF3でその潜在能力の高さが評判だったメルビン・ギラードと対戦する。


Diaz(C) ZUFFA【写真】TUFシーズン5ウィナーのネイト・ディアズも、このところ2連敗中。兄ニックのようなパンチのコンビネーションがあれば、戦いの幅が広がるのだが…… (C) ZUFFA

極め重視、下からの仕掛けも多彩なネイトだが、今年に入って1月のグレイ・グィダ、6月のジョー・スティーブンソン――と連敗中、UFCデビュー以来築き上げた5連勝という貯金を使い果たした預金ゼロ状態にある。

一方のギラードもUFC戦績5勝3敗と、そのポテンシャルをフルに発揮しているとは言い難いが、ここ2試合はデニス・シバー&グレイソン・チバウを倒しており、ネイト越え切符にトップグループ入閣を目指したいところだ。

スタイル的にはテイクダウン+パウンドと、爆発力を持った打撃を得意とするギラードに対し、一見打たれ弱いイメージ、そして倒されやすい印象を持たれているネイトだが、劣勢になってからの精神的な粘りは、誰もが一目置いている。

対照的な長所を持つネイトとギラードの一戦は、ギラードの迫力で一気に会場がヒートし、ネイトの盛り返しでファンを熱くさせる――そんな一戦となりそうだ。

また、メインに勝るとも劣らない注目の一番は、同じくライト級のマッチアップでセミに組まれたグレイ・メイナード×ロジャー・フエルタ戦といえるだろう。

Maynard(C) MMAPLANET【写真】人気者フエルタを破り、タイトル挑戦当確ラインにポジションアップをはかりたいグレイ・メイナード。その実力はUFCライト級でもトップ5級だ (C) MMAPLANET

TUFシーズン5の準決勝でネイトにギロチンで敗れ、非公式戦では敗北を喫しているメイナードだが、UFCオフィシャルマッチでは6戦5勝1NC、それ以外のプロモーションでの結果を踏まえると8戦7勝1NC。つまりMMA戦績7戦7勝という無敗記録を続けている。

BJ・ペンのトレーナーを務めたこともあるミシガン州立大レスリング部出身のメイナードは、その優れたフィジカルとレスリング力が秀でたテイクダウン&パウンダーだった。下にならない、要所で確実にテイクダウンを奪うことができるレスリング能力がそのベースだが、エクストリーム・クートゥアーの打撃コーチ=ショーン・トンプキンスの指導の下で身につけた右クロスも大きな武器となっている。

シバー、フランキー・エドガー、リッチ・クレメンティ、そしてジム・ミラーという名立たるUFCライト級ファイターを下してきたメイナードは、単なる打撃ができるレスラーではなく、バランスキープ力に優れたMMAファイターといえる。

メイナードが思い切り相手を抱え上げて、テイクダウンを奪うと起こる大歓声を、いつ何時も受けてきたのが、対戦相手のフエルタだ。MMAデビュー6年で20勝2敗という戦績を積み重ね、そのアグレッシブなスタイルでUFCファンの心を掴んでいる。

そのフエルタは、昨年8月にケニー・フロリアンに判定負けを喫したものの、ムービー進出も果たし、ファイターとして“これから”という時に、1年以上のブランクを経験してしまった。

別に怪我をしていたわけでない。ファイトマネーや待遇に関して、ズッファ上層部批判を繰り返したため、干されていたというのが、そのブランクを作った要因とされる。

同じマネージメント傘下にあるライト級のエディ・アルバレスの日本やUFC以外で厚待遇を知ったフエルタが、自らの条件面で不満を持ったというのが、ことの真相のようだ。

ようやくオクタゴン復帰が決まったものの、対戦相手は地味強ナンバーワン=メイナードで、ズッファ首脳の怒りは収まっていないという見方もある。

ともあれ、ファイターは実力で自分の力を証明するもの。誰よりもアグレッシブでスリリングなフエルタの強みは、その窮地を逃れる精神面の強さでもあり、安定したファイトで手堅く勝利を収めてきたメイナードとは対照的だ。

ピンチらしいピンチの経験がないメイナードが試合序盤に、フエルタのアグレッシブな動きにペースを乱せば、試合はより興味深いものになる。

ファンの支持率の高いフエルタだが、そのアグレッシブな姿勢は自らを窮地に追い込むことも少なくない。大切なカムバック戦でどのようなスタイルを打ち出すのか。地味強と派手強の一戦は非常に楽しみな顔合わせといえる。

■UFC Fight Night19『Diaz vs Guillard』対戦カード

<ライト級/5分3R>
ネイト・ディアズ(米国)
メルビン・ギラード(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイ・メイナード(米国)
ロジャー・フエルタ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
カーロス・コンディット(米国)
ジェイク・エレンバーガー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ネイト・クォーリー(米国)
ティム・クレドゥアー(米国)

<ライトヘビー/5分3R>
ブライアン・スタン(米国)
スティーブ・キャントウェル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・パイル(米国)
クリス・ウィルソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
CB・ダラウェー(米国)
ジェイ・シルバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
サム・スタウト(カナダ)
フィリップ・ノヴァー(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
ジャスティン・ブショールス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブロック・ラーソン(米国)
マイク・ピアス(米国)

<ミドル級/5分3R>
スティーブ・ステインベース(米国)
ライアン・ジェンセン(米国)

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