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【HEAT42】詳細─03─初回の猛攻を見せたベッカーを2R以降は完封、オク・レユンがライト級王座防衛

Ok Rea-Yun【写真】チャンピオンも挑戦者も強かった(C) MMAPLANET

27日(日)に愛知県刈谷市の産業振興センター内あいおいホールでHEAT42が開催され、オク・レユンがジャック・ベッカーを下しHEATライト級王座初防衛に成功した。


<HEAT総合ライト級選手権試合/5分5R>
オク・レユン(韓国)
Def.3-0: 49-46.49-47.48-46
ジャック・ベッカー(豪州)

ローの応酬から、ダブルレッグを仕掛けたベッカーが一気にテイクダウンを決めると、そのままマウントを奪取する。背中を向けて懸命にヒザ立ちになったオク・レユンに思い切り鉄槌&エルボーを叩きこむベッカーが、パンチでラッシュを掛ける。立ち上がろうとしたオク・レユンを前方に崩し、自らも振り落されないようRNCを狙うベッカーは、腰を捻り胸を合わせようとするオク・レユンの背中に張り付き、四の字フックから勢いのある左右のパンチを打ちつけ、王者が頭を抱える状態が続く。

Ok vs Beckerオク・レユンは右手首を掴み、ワキを潜ってついに前方にベッカーを落とすことに成功する。ベッカーはそのまま左ヒザ裏をクラッチし、足関節へ。ヒール狙いのベッカーの顔面に蹴りを入れるオク・レユンが、ヒザを抜いて立ち上がろうとする。ベッカーは追いかけてバックを取るとヒザ固めへ。表情に痛みが表れていたオク・レユンだが、足を抜くと立ち上がり、グラウンドにいるベッカーの顔面にストンピングを狙い初回が終わった。

あわやという場面まで追い込まれたチャンピオンだが、堅い防御で切り抜けると2Rからはヒザ横、スネを狙ったローをベッカーの前足を潰していく。それでも踏み込んでダブルレッグを決めたベッカーだったが、トップを取り切ることはできずスクランブルでオク・レユンをスタンドに逃してしまう。

続くダブルレッグは切られ、首相撲からヒザ蹴り、エルボーを受け、足払いで倒されたベッカーはパウンドを被弾しながらも、足関節を仕掛ける。苦も無くヒザを抜いて立ち上がったオク・レユンは、スタンドでブレイクを待ち、流れを自分に引き戻した。

Ok vs Becker 023R、左足を容赦なく蹴られたベッカーがサウスポーに構えを変える。ならば左アウトサイド、右インサイドで右足を蹴るチャンピオン。パンチの打ち合いになると、ベッカーのフックは大振りでバランスも決して良くない。すかさずオク・レユンがローを合わせ体が崩れる。それでもパンチを振るいながら前に出たベッカーがケージにチャンピオンを押しこんでいくがテイクダウンを奪えず、首相撲からヒザをボディに突き上げられる。引き込んでサドルを創ろうとしたベッカーを潰したオク・レユンがエルボー&パウンドを打ち込む。

スタンドに戻り、ベッカーが立ち上がると右ストレートをヒットさせたチャンピオンがケージにチャレンジャーを押しこんでヒザ蹴り、エルボーを入れるなど試合は一方的になってきた。

4R、左右のどちらの構えでもローを蹴られ厳しい状態が続くベッカーは、テイクダウンを切られケージに押しこまれる展開が多くなる。削る打撃を続けるチャンピオンは、足関節に一縷の望みをかけるチャレンジャーの試みをことごとく潰してパンチを打ち下ろしていく。スタンドに戻っても自ら組んで、無理なく打撃を入れるオク・レユンが危なげない試合運びを見せた。

最終回、ワンツーから飛びヒザを見えたチャンピオンの着地にシングルを狙ったベッカーだが、ここもテイクダウンは奪えない。右ストレートを入れたオク・レユンも打撃勝負に出ることはなく、組んでヒザ蹴り、金網に押し込みブレイクを待つ。リスタート後、懸命にテイクダウンを狙うベッカーだが、逆にケージに釘付けにされ時間が過ぎていく。

それでも決して勝負を捨てないベッカーはフックを振るい、シングルを仕掛ける。ケージに押しこまれたオク・レユンも、強引な形からRNCクラッチを取り寝技に持ち込もうとし、両者が同体で腹這いになったところでタイムアップとなった。

試合前は圧勝が予想されたオク・レユンだが、ベッカーが瞬発力のある初回の猛攻、さらに諦めないで最後まで戦い切り、技術的にも見所が多くなったライト級選手権は、王者オク・レユンが3‐0の判定で初防衛を決めた。

「去年、韓国の大会で負けてしまったのですが、もう負けません」とチャンピオンは礼儀正しく──かつ力強く宣言した。

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