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【Pancrase296】デカゴン初見参、田中半蔵と戦う上迫博仁─01─「ドキドキ感、恐怖、緊張感を感じたい」

Hiroto Uesako【写真】この日はアマ選手も含め、HEARTS内練習となった上迫だが、緊張感が切れるようなシーンは皆無だった (C)MMAPLANET

20日(日)、東京都江東区スタジオコーストで開催されるPancrase296で上迫博仁がデカゴン初出場を果たす。

DEEPフェザー級王者として、卓越したスキルをケージの中で見せていた上迫だが、昨年12月に芦田崇宏との防衛戦で敗れベルトを失った。

そして、この敗戦を機に戦場をパンクラスに変え、新たな一歩を踏み出すことに。田中半蔵とのパンクラス初戦を控えた上迫の1日をameba TVが制作するドキュメンタリー番組= ONE DAY が追った。

MMAPLANETでは上迫の1日から、MMAに関する部分を切り取り12月の敗北、火曜日のプロ練習、そして田中戦とパンクラスで何を目指すのかを彼に尋ねた。


──パンクラス初戦を控えた上迫選手ですが、まず昨年12月にDEEPフェザー級王座を失った一戦を振り返ってもらえますか。

「モチベーションが低かった、意識が低かったというのが一番ですね。相手を叩きのめすという気持ちが本当に足らなかった。試合のたびに気持ちをリセットしないで、ズルズルとこなすような形になっていて、気持ちをしっかりと創ることができていなかったです。

10月に試合があって、12月にやって、次は2月っていうこなす感がとてつもなく大きかったです。『一発勝負、ここを勝って』という気持ちがなく、『こなして勝てば良いでしょう』という練習の延長線上のような試合になっていました。

試合でもダウンをして、そこから取り戻そうとしたけど間に合わかなかった。あの試合に関しては、一緒に練習してくれている人たちやサポートしてくれている人たちに本当に申し訳なかったです。今回は相手を如何に潰すか、表現方法は悪いですけど殺すつもりでいきます」

──ライト級でも良い、1日2試合でも良い。どんどん試合をするというような、乗りに乗っているような言動が目立っていたのですが。

「乗っているというよりも……自分に言い聞かせていたという部分が大きいです」

──そう発言することで自ら鼓舞していたと。

「ハイ。口に出して、そこに向かっていく。そういうことだったかと思います」

──そのような状況も有り、ベルトを失ったことでパンクラスという新たな戦場を選ぶことになった?

「負けたことで、もう一度DEEPのベルトを取り戻そうという気持ちにはなれなくて、前から戦ってみたいと思っていたパンクラスに出られるなら、という気持ちを佐伯(繁DEEP代表)さんに話しました。そこで佐伯さんも積極的に動いてくださり、今回のパンクラス出場が決まりました。

今は新鮮な気持ちで試合に臨めるかと思います。なので、前回の負けは自分にとってプラスだったかと。あの敗戦で、それほど評価も下がったようには感じなかったですし、区切りをつけることができました。次に向けて、もう一度頑張ろうという気持ちになったので」

──ベルトを失ったことで、気持ちはすぐにパンクラスに向いていたのですか。

「負けた後は一回、格闘技から離れようと思いました。1カ月ぐらいジムにもいかなかったですし、年末のRIZINも見なくて裏番組を見て……格闘技に触れたくなかったです。でも負けたままじゃ終われないという気持ちが沸き上がって来て、体を少しずつ動かすようになりました。

そこから大沢さんと『パンクラスで戦えるなら』という話をして、今回の試合につながりました」

──パンクラスで戦うことで、12月の敗戦をどのように生かしたいと思っていますか。

「技術云々ではなく、気持ちだという部分ですね。スポーツをやっていました、格闘技でなくて。今回は格闘技をやりたいです。そう心の中で決めています。ドキドキ感、恐怖、緊張感を感じていきたいです」

──普段の練習に対する気持ちも変化はありますか。

Uesako 02「練習に対しては、毎週火曜日が怖いという気持ちを常に持っています。そこに関して以前と違うというのはなく、試合に関してですね、変わったのは。

今日は折角来てもらったのですが、水垣(偉弥)さんがACBの試合に向けて調整期間に入り、朝倉海君もRIZINで勝ったところだからお休みで、金原(正徳)さんは来ると言っていたのですが……。今日はイージーな感じになっていました」

──今日はたまたまそういうタイミングになってしまったのですが、上迫選手にとって火曜日のプロ練習がやはり心の拠り所ですか。

「ハイ。毎週、ここに合わせて練習しています。この前も金原選手に顔面ヒザを思い切りもらいました(笑)」

──またですか(笑)。クラッシャー金原健在。

「もう、折れたかと思いました。でも、本当に金原さんは強いです。『暇だから来たぁ』って言って、顔面にヒザ入れられて(笑)。言ってみれば他の練習に出なくても、この火曜日の練習さえあればというイメージを持っているぐらいです」

<この項、続く>

■Pancrase296対戦カード

<ストロー級暫定王座決定戦/5分5R>
上田将勝(日本)
ハファエル・シウバ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
田中半蔵(日本)
上迫博仁(日本)

<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
シャロン・ジェイコブセン(米国)

<ライト級/5分3R>
トム・サントス(ブラジル)
冨樫健一郎(日本)

<ウェルター級/5分3R>
奈良貴明(日本)
村山暁洋(日本)

<バンタム級/3分3R>
藤井伸樹(日本)
ヒロ・ヤマニハ(ブラジル)

<ストロー級/3分3R>
井島裕彰(日本)
北方大地(日本)

<ウェルター級/3分3R>
高木健太(日本)
中村邦夫(日本)

<フライ級/3分3R>
上田将竜(日本)
倉岡幸平(日本)

<バンタム級/3分3R>
清水俊一(日本)
林太陽(日本)

<ライト級/3分3R>
網潤太郎(日本)
小林裕(日本)

<バンタム級ネオブラッドT準決勝/3分3R>
亀井晨佑(日本)
小島勝志(日本)

<バンタム級ネオブラッドT1回戦/3分3R>
小川隼也(日本)
平田純一(日本)

<ライト級/3分3R>
上田厚志(日本)
高橋弘(日本)

<ストロー級/3分3R>
三谷敏生(日本)
杉浦弘幸(日本)

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