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【ONE71】山田哲也がエリック・ケリー戦へ─01─「アセリエフのパンチが当たると、視界が狭くなった」

Tetsuya Yamada【写真】アサリエフ戦を経験したことが、どのようなプラスの効果を山田にもたらすのか期待したい(C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、インドネシア・ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンターで開催されるONE71「Grit and Glory」で、山田哲也がエリック・ケリーと対戦する。

大会まで2週間を切っての出場とケリー戦の発表、3月のサイー・フセイン・アセリエフ戦で惨敗と表現しても良い敗北を喫した山田。アセリエフ戦で何が起きていたのか、そして改めて戦いの場に戻るや、すぐに試合が決まった山田に心境を尋ねた。


──まさに急遽という感じで、エリック・ケリー戦が発表された山田選手です。その裏で朴光哲選手とハファエル・ヌネスのカードがラインナップから消えていました。ここはやはり山田選手のスクランブル出場と関係しているのでしょうか。

「そうだと思います。3月の敗戦から、次へ向けてプーケットのタイガームエタイに戻ったところでハファエル・ヌネスと戦わないかという連絡がありました。

だから4月の終わりですね。僕は当然のように戦いたかったですが、体重が作れないのでキャッチウェイトにならないかと尋ねている状況で、対戦相手がエリック・ケリーになったんです」

──恐らくはヌネスが70.3キロに拘ったということでしょうね。

「かと思いますし、その気持ちも分かります」

──そんな緊急発進の前にまずは3月のサイー・フセイン・アセリエフ戦の話をきかせてください。厳しい言い方をすると、期待を裏切る戦いになってしまいました。

「本当にその通りです……」

──試合前に『怖い』と連呼していましたが、その通りだったと。

Arslanaliev vs Yamada「一発のパウンド、パンチの重さがあまりにも凄かったです。一度パンチが当たると、視界が狭くなるんです。今まで触れて来た生き物のなかで、ぶっちぎりで強いと思いました」

──う~ん、そこまでとは……。

「頭を振ると戻るのですが、連続で貰うとヤバイとすぐに感じました。加えて初回に深いカットもあり、焦ってしまいましたね」

──恐怖よりも冷静に危ないという判断ができたということですね。

「そうですね。何度でも組みついて、消耗させたいと思って戦いました。実際に消耗もしていたと思うのですが、彼以上に自分が消耗してしまいました。その結果、ショッパイ試合をしてしまいました」

──ショッパイ試合というのは世の中の捉え方と自分の捉え方は違うと思うのですが、テイクダウンをとっても、返されるというのは厳しい勝負、心にダメージが残ると感じました。そういうなかで、引き込みが増えていった。

「テイクダウン狙いで、倒しても背中を付けた瞬間にバネで返される。体が強すぎて……そういう展開が3度ほど繰り返されると、確かに精神的にも響きました。踏ん張っている相手を必死になって倒して、その瞬間にうっちゃりみたいに返されるのは厳しかったです。

それでも何度でもトライしてやろうという気持ちだったのですが、体力が持たず削られてしました。結果、スタンドで殴られた時、組みつくか寝技になって凌ぐかという選択になり、引き込みを選ぶようになって……。

こういうことを言うと、本当にどうしようもないのですが、試合が終わった時に無事に生きて帰ることができるっていうぐらいの気持ちでした。それが試合直後の素直な想いだったんです」

──腕十字で敗れてなお、そう想うほどの状況で戦っている選手に対して、失礼にあたるかもしれないですが──引き込みで勝ちを狙う、あるいはポイントゲームや勝敗という部分を取っ払って引き込み活路を見いだすのは良くても、どうしても反則の蹴り上げはいけないと思いました。

「あれは故意ではないということだけは分かってほしいのですが、故意であろうが、そうではなかろうが絶対にダメだと反省しています」

──故意でないからこそ、心の弱さが出たと思いました。つまりは自分をコントロールできていないと。

「本当にダメでした。あそこで出てしまうのは……もう、何も見えていなくて……」

──そこさえも経験した山田選手だからこそ、実は引退とかあるかもと思いつつ、だからこそ次に期待したいとすぐに思いました。

「引退は考えなかったです。あそこまでやられたので、もうやるしかない。できる限り、たくさんの試合をこなしたい。すぐにそういう気持ちになって、一旦日本に戻った時もできるところからすぐに練習も再開していました」

<この項、続く

■ONE71対戦カード

<ONE世界ストロー級選手権試合(※56.7キロ)/5分5R>
[王者]アレックス・シウバ(ブラジル)
[挑戦者]内藤のび太(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ステファー・ラハディアン(インドネシア)
ヒマンシュ・コシィキ(インド)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
レアンドロ・アタイジ(ブラジル)

<キックボクシング95キロ/3分3R>
セルゲイ・マスラボジェフ(リトアニア)
アントニオ・プラジバット(クロアチア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ジャオル(インドネシア)
ローム・トリニダッド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ヴィクトリオ・センダック(インドネシア)
ソー・サイ(カンボジア)

<72キロ契約/5分3R>
エリック・ケリー(フィリピン)
山田哲也(日本)

<ムエタイ65.8キロ/3分3R>
オグニン・トピッチ(セルビア)
ステルゴ・ミキオス(ギリシャ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ラディム・レイマン(シンガポール)
タン・ダフェン(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エルピトゥア・セレガル(インドネシア)
トディ・マルディアン(インドネシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ドゥアン・ビラワ(インドネシア)
リスキ・ウマー(インドネシア)

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