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【Tokyo Int.Open 2018】東京国際&アジアマスター出場=塚田市太郎─02─「まだ柔術は楽しませてくれる」

Ichitaro Tsukada【写真】根底に楽しさが存在する。そんな塚田と柔術の関係だ(C) ICHITARO TSUKADA

東京都世田谷区の駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で24日(土)に東京国際オープン柔術2018」、翌25日(日)に「アジアマスター国際柔術2018」が開催され、塚田市太郎は両大会にエントリーしている。

昨年9月のアジア選手権以降、フィジカル強化に努めた塚田はモダン柔術時代の到来により、新たな柔術の魅力に取りつかれ世界の頂点に立つ夢を追い続けている。

今回のインタビューで塚田の柔術観、柔術「道」を知ることができた。
Text by Tsubasa Ito

<塚田市太郎インタビューPart.01はコチラから>


――柔術に対しての新鮮な驚きがあったと。

「その時点で自分はすでに10年以上キャリアがあったので、柔術というものを分かっているつもりでいましたけど、全然だなと。まったく別の角度からアプローチができるんだなと感じました。

あの時は僕の他に何人か選手がいたんですけど、ミヤオは同じ紫帯のブラジル人や日本人相手に、結構手こずっているように見えたんです。必死になってベリンボロからバックを取っていたので。でも、紫帯がバックを取られるのと同じくらいの時間で、黒帯の選手もバックを取られているんです。

もしかすると、必死でバックを取っているのではなくて、ベリンボロからバックというプロセスを中心とした柔術なのかもしれないと感じたんですよね。ミヤオの柔術が一過性のものなのか、それとも柔術史を塗り替えるような出来事になるのか。その時点で判断するのは難しかったと思うんですけど、自分は現在進行形の革命が起きていると感じたんです」

――そういった技術に触れた時に、自信を失うのではなく好奇心が湧いてきたのですね。

2013年12月のブルテリア・オープンで、ジョアオにバックを取られそうになる塚田

2013年12月のブルテリア・オープンで、ジョアオにバックを取られそうになる塚田

「そもそも柔術を始めた時は、テクニックのすべてが未知の存在でしたから。こんな動きがある、こんなテクニックもあるのかと、すごく楽しくてハマっていったんです。黒帯になってミヤオとスパーリングをしたことで、また白帯に戻されたような感覚でしたね。柔術はまだ楽しいのかと。まだ俺を楽しませてくれるのか、みたいな(笑)」

――あらためて、柔術の奥の深さを感じる話です。

「それこそヒクソン・グレイシーのように完成されてしまったら、あとは技術レベルを維持することだけに集中するようになって、楽しみがそこで終わってしまうわけですからね。車のオイル交換をやっているだけでは、つまらないじゃないですか。ホイールを替えたりサスペンションを替えたり、色々してみたいじゃないですか。

まだその余地があるというのを、ミヤオ兄弟やメンデス兄弟の存在で感じたというのはありますよね。実際に彼らは世界のトップ選手ですし、ムンジアルのチャンピオンになっているわけですから。そこを無視することはできないですよね」

――ミヤオ兄弟やメンデス兄弟のような強豪がひしめくムンジアルでの目標は、どのあたりに置いていますか。

「出る以上はムンジアルのチャンピオンですね。チャンピオンになるためには、練習環境を整えることが一番重要だと思います。なりふり構わず頑張るというだけでは、絶対にチャンピオンにはなれないです。

岩崎(正寛)君を見ると分かりますけど、彼はかなり早い段階から環境を整えることに意識を割いていたんです。その結果がヨーロピアンの準優勝じゃないですか。彼は自分がやらなければいけないことを具体的に示して、そのための行動をはっきり取っていましたよね。

勝っていればそのうち誰かがスポンサードしてくれるんじゃないかとか、うまく歯車が噛み合うんじゃないかという楽観的な考えではなくて、カルペディエムができた時に自分を売り込んでいって、指導者として入って。練習に集中できる環境を創るという、しっかりしたプランがありましたよね」

――塚田選手は専業の柔術家ではなく、仕事を持ちながら柔術の指導、練習をされています。ご結婚をされてお子さんもいますから、柔術に集中できる環境をつくるのは難しいのでは?

「本当にその部分に関しては今、実感しています(笑)。でも、岩崎君ほど恵まれた環境ではないですけど、柔術をするための環境というのはある程度、自分で整えることができると思います。自分の生活に合ったスタイルでやっていけば、ムンジアルで優勝する可能性も0パーセントというわけではないと思いますね。

日本のボクサーでも、世界チャンピオンになるまではほとんどの人が仕事をしていますよね。世界タイトルを獲るまでの対戦相手は、米国やメキシコでボクシングだけをやっているような選手なわけですから。練習だけをしている選手が有利なのは当たり前なんですけど、それでも日本人は勝っていると。

そういう競技もあるわけですから、柔術もそうなれないことはないと思うんですよ。ただ、可能性があるというだけで、もちろん簡単というわけではないですけどね」

――再びムンジアルを目指すためにも、東京国際オープンで結果を残してポイントを獲得することが重要になりますね。

「重要ですね。そもそも、アジアで行われる国際大会自体が少ないですから、IBJJF主催の大会は全て重要です」

――改めて大会への意気込みをお願いします。

「とにかく勝ちに拘りたいです。こう勝ちたいというよりは、アドバンでもレフェリー判定でも、必ず勝つための柔術をしなければいけないと感じています。アマチュアは特に、勝った選手以外はほぼ評価されません。『去年の全日本選手権の準優勝は誰?』と言われても、多分みんな分からないと思うんですよ。

優勝者だけにしかスポットが当たらないので、勝ち方というよりは結果が全てだと思います。あとはフィジカルを強化してきたので、現時点でどのくらいのものが試合の中で出せるのか自分でも興味があります。そういう意味でも楽しみですね」

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