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【UFC220】UFC世界ヘビー級戦、底が見えないガヌーの底力×ミオシッチMMAの神髄

Miocic vs N'Gannou【写真】ガヌーのパンチ力は絶対。と同時にまだ、見えていない部分もある。見えていない部分が浅いか、深いか非常に興味深い (C)Zuffa LLC/Getty Images

20日(土・現地時間)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンでUFC世界ヘビー級選手権試合とUFC世界ライトヘビー級選手権試合という2つの重量級の世界戦が組まれたUFC 220「Miocic vs Ngannou」が開催される。


カメルーンでの極貧の生活、パリではホームレスを経験した男が世界の頂点まであと一歩に迫っている。フランシス・ガヌーは2015年12月のオクタゴン初出場から6連勝中=全試合でTKOもしくはKO勝ち、うち4試合が1RKOで試合を終えている。究め付けは昨年12月のアリスター・オーフレイム戦だ。アリスターの左フックの打ち終わりに左フックを振り抜き、この一発でKO勝ちを決めた。

狙ってなのか、反応なのか、無心でパンチを振るっているのか、タイミング、スピードと文句のつけようのない完全無欠のノックアウトは、ガヌーのポテンシャルの高さを見せつけた勝利となった。あの一撃が決まると、アリスターでなくても──そして3度目の王座防衛戦となるチャンピオンのスタイプ・ミオシッチもまずノックアウトされるだろう。

よってミオシッチに必要なのはガヌーの攻撃を被弾せず、効率よく攻めることができるかにかかって来る。そこで重要になってくるのが、テイクダウンの仕掛けだ。打撃×打撃でなく、テイクダウン×打撃の局面でガヌーのパンチ力が、どこまで下がるのか。ミオシッチからすると、テイクダウンまでのプロセスのなかでガヌーの組み技ありきの局面におけるパンチ力を見極める必要がある。

またテイクダウンが成った時では、ミオシッチのコントロール力が勝負の分け目となるだろう。ミオシッチのグラウンドコントロールといえば、真っ先に思い出されるのが2015年5月のマーク・ハント戦だ。ハントのパンチの圧力に屈することなく、シングルレッグでテイクダウンを奪い続けたミオシッチはハーフ、またはバックコントロールからパウンドを打ち続けて圧勝した。

これぞフォークスタイル・レスリングではNCAA D-1レスラーで、アマチュアボクシングでオハイオ州のゴールデングローブを獲得しているミオシッチのMMAというべき展開だった。一方、ガヌーのテイクダウン後となれば、1年1カ月前のアンソニー・ハミルトン戦が印象深い。ダブルレッグで倒されたガヌーは、そのまま後方回転するようにスクランブルに持ち込み、スタンドでバックを制せられてもキムラクラッチからグラウンドに移行、右足はニーインベリー、左足は頭を固定して一気にアームロックを極めている。

フランスでパウンド無しの100パーセント・ファイトで積んできたキャリアがモノをいったような一本勝ちだが、着目したいのはテイクダウンを取られるとなるや、すぐに後方回転でスクランブルにつないだ危機察知能力だ。カーティス・ブレイズ戦でもテイクダウンは許すが、すぐに立ち上がるシーンをガヌーは見せている。今回の試合でこのような局面になった場合は、ミオシッチの反応と抑える力が勝敗の鍵を握ってくることは絶対だ。

もう一点、スタンドにおいてはミオシッチがガヌーの圧力を逃れるように殴りに行くのではなく、耐えて待ちの態勢を取るとういうケースが起こりえるのか。そうなるとミオシッチは相手も自分もパンチが届かない位置にいて、さらに下がってガヌーを誘うことがあるに違いない。

ここでボクシング出身のガヌーがさらに踏み込むのか、踏み止まって待つのか。踏み込めばカウンターのパンチ、テイクダウンが待っているのがMMAの妙だが、このMMAの妙を木っ端みじんに吹き飛ばすボクシングをガヌーは持っている。かなり大外を回る軌道で拳が対戦相手の視界の外からテンプルや頭部を直撃するガヌーの一撃、誘っているミオシッチがそんなガヌーの拳が見えていないと──新チャンピオン誕生の可能性は大いに高まる。

逆にこの大外のパンチにシングルレッグを合わせ、コントロールできるようだと──押しても引いても戦える──ミオシッチは長期政権が見えて来ることになる。

■UFC220対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]スタイプ・ミオシッチ(米国)
[挑戦者]フランシス・ガヌー(カメルーン)

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]ダニエル・コーミエー(米国)
[挑戦者] ヴォルカン・オズテミア(スイス)

<フェザー級/5分3R>
シェーン・バーゴス(米国)
カルヴィン・ケイター(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジャン・ヴィランテ(米国)
フランシマール・バホーゾ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
トーマス・アルメイダ(ブラジル)
ロブ・フォント(米国)

<フェザー級/5分3R>
カイル・ボクニアク(米国)
ブランドン・デイヴィス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
サバウ・ホマシ(米国)

<フライ級/5分3R>
ダスティン・オーティズ(米国)
アレッシャンドリ・パントージャ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダン・イゲ(米国)
フリオ・アルセ(米国)

<フェザー級/5分3R>
マット・べセット(米国)
エンリケ・バルゾラ(ペルー)

<女子ストロー級/5分3R>
マリナ・モロズ(ウクライナ)
ジェイミー・モーイル(米国)

<ライト級/5分3R>
グレイゾン・チバウ(ブラジル)
イスラム・マカチェフ(ロシア)

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