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【Gray-hairchives】─08─Oct 11th 2013 Doo-Ho Choi

Doo-Ho Choi【写真】今もそうだが、少年のような笑顔を見せていた(C)MMAPLANET

14日(日・現地時間)、2018年のUFCの戦い初めとなるUFN215のメインでジェレミー・スティーブンスと対戦するチェ・ドゥホ。

Gray-hairchives─1995年1月にスタートを切った記者生活を、時事に合わせて振り返る──第8弾はゴング格闘技258号より、UFCへの想いを強く語ったチェ・ドゥホのインタビューを再録したい。

【後記】
ROAD FC13が開催されたクミは、チェ・ドゥホが当時練習拠点としていたクミMMAのある街で、イ・チャンソプ館長が経営するクロスフィットのジムで彼に会った。この頃、3カ月のシンガポール大会でUFCデビューという情報が飛び交っていたドゥホ、結局はそれから7カ月後に初戦が決まり、負傷でさらに4カ月遅れ彼のUFC初出場はインタビューより1年1カ月後となった。UFCが求めるファイトで勝利を手にできるチェ・ドゥホがどれだけUFCを夢見ていたか。そして、今も付きまとうケガの多さと兵役という面からも興味深い、22歳のスーパーボーイのインタビューだ。


──初めて、クミを訪れたのですが、チェ・ドゥホ選手はこの街で育ったのですか。

「僕はここから30分くらい離れているテグで生まれ育って、クミには高校の時からトレーニングのために通うようになりました。元々はテグMMAで練習していたのですが、イ・チャンソク館長が独立しクミMMAを開いたので、それに伴って僕もクミMMAの所属になったんです。今では家族と離れて、クミに住んでいます」

──普段から、このジムで練習しているのでしょうか。

「試合がない時には2部練をしていて、MMAの練習はケージが置いているジムでやっています。これまでリングの試合が多かったので、リングの方が戦いやすいのですが、だからこそケージでの練習に力を入れています。DEEP CAGEもあるので、ずっとケージの練習をしてきたのですが、以前から一番の目標がUFCだったので、ケージの練習は欠かせないです」

──では、ここではどのような練習を?

「ここはフィジカル専用のジムなので、クロスフィットをしています。昼の2時にMMAの練習をして、夜の8時からここで、専門の指導者についてトレーニングをしているんです。クロスフィットを始めて、1年ぐらいになります」

──クロスフィット・トレを取り入れたのは、ケガの予防という目的もありますか。

「そういうことで始めたわけでなく、スタミナをつけようと思ったんです。ケガをした時は、しっかりと休養を取り、リハビリをするようにしています。ただ、僕は生まれつき体が弱いのか、ケガをしていなくても、ハードトレーニングのあとは、どこかしら体が痛くなってしまいます。そこをクロスフィットで克服したいですね」

──8月にはKOG(キング・オブ・グラップリング)というノーギ・グラップリングの試合に出ていましたね。

「ハイ、もともとグラップリングから格闘技を始めたので、以前はもっと頻繁に組技の試合に出ていました。ただ、MMAの試合に定期的に出るようになってからは、ケガが心配なので控えるようになっていたんです。こないだのKOGはスーパーファイトというオファーで断り辛かったので出場してみました。グラップリングの専門家と試合をして、圧されることもなかったので自信がつきました。グラップラーと組技で戦っても極めらないですし、勝てると思っています」

──今、MMAでは倒されないで立ち上がるという動きが主流になっていますが、純粋な寝技、その技術の必要性をどのように捉えていますか。

「僕が下になった時、グラップリングができる選手のプレッシャーと、グラップリングができない選手のプレッシャーは全く違うように感じます。パウンドを打たれた時も、ただ殴るだけの選手のパウンドよりも、ポジショニングやサブミッションとのコンビネーションを持つ選手のパウンドの方が、ずっと怖いという印象があります。パスや関節、絞め技の強い選手は抑えも上手いので戦いにくいです」

──チェ・ドゥホ選手自身は、どのようなグラップリングの練習をしているのですか。

「クミは純粋なグラップリングの練習がしやすい環境ではないので、MMAに必要なグラップリング中心の練習になります。なので、グラップリングだけの練習はソウルなどで、出稽古を行っています」

──先ほど、目標はUFCだと言われていましたが、インターネットでチェ・ドゥホ選手が1月4日のシンガポール大会に出場するという話がありました。その真偽のほどを確認させてください。

「まだ僕も詳しい話を把握していないので、断定的な話はできないのですが、話がまとまれば1月4日の試合に出るつもりです」

──気持ち的にはUFCで戦いたいということですか。

「ハイ、UFCがMMAの頂点ですから、UFCで戦いたいです。DEEPには本当にお世話になって、今の僕があるのはDEEPのおかげといってもおかしくありません。DEEPの佐伯代表と日本のファンの皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです。ただ、韓国には兵役の問題もあるので、一刻も早く、肉体的にも思ったように動くうちに大きなステージで戦いたいと思っています」

──DEEPとの契約が残っているとも伝わってきます。

「そういう問題はあまり分かっていないんですが、良い方向に向かっていると聞いています。僕はUFCで戦えるようになると信じるだけです。上手くいって欲しいです。今、自分でも凄く強くなっていると感じるんですが、兵役の2年でこのフィーリングを失いたくないんです。UFCは世界で一番強いファイターが集まっている舞台です。男として生まれた限り、そういう場所で勝負がしたいんです。そして、誰もが喜んでもらえる戦いを見せたいと思っています」

──随分と体が大きくなっていますが、UFCでもフェザー級で戦いたいと思っているのでしょうか。

「これまでもずっとフェザー級だったので、フェザー級で戦いたいです」

──腰の負傷が原因だったとしても、減量を失敗した経験があります。

「う~ん、日本で計量に失敗した時はケガをしている状態で、急な出場要請を受けたからで。ああいう状況でなければ、減量を厳しく感じたことはありません。ライト級で戦うつもりは今はないです」

──UFCのフェザー級にはジョン・チャンソンという先人がいますね。こないだの世界戦を見て、どのように思いましたか。

「これまでジョゼ・アルドに挑戦した選手のなかで、一番良い試合ができたのがジョン・チャンソン選手でした。世界挑戦前から練習で手を合わせたこともあるので、ジョン・チャンソン選手の強さはよく分かっているつもりです。とにかく闘志が強いです。闘志では世界のトップクラスです」

──そのジョン・チャンソンと比較して、チェ・ドゥホ選手の実力は上だと思いますが、まだ敵わないと感じていますか。

「まだまだ、習うべきところが多いです。ただ、正直に言うとスパーリングでは僕が取ることもあります。でも、ジョン・チャンソン選手は実戦に強いファイターなので、もっともっと教わりたいと思います」

──昨年からキム・ドンヒョン、ジョン・チャンソンに続き、イム・ヒョンギュ、カン・ギョンホらが韓国からUFCにデビューしています。

「次は僕だという気持ちでいます。削り合いやスコアリングで勝つのではなく、KO勝ちできるのが僕の強みです。UFCはそういうファイターを好むので、自分はピッタリ彼らの志向に合う自信があります」

──ずっと日本で戦ってきたチェ・ドゥホ選手は、韓国人選手と一度戦ったきりで、後の対戦相手は全て日本人選手です。米国のレスラーやブラジルの柔術&ストライカーというファイターと戦った経験がない状態で、その最高峰に上がることに対して、経験値という部分から不安はないですか。

「不安はありません。体重が決っているスポーツですし、米国人やブラジル人に対して怖さも感じません。それだけの練習をしてきました」

──去年、プサンのチームMADで日沖発選手が出稽古を行った時、チェ・ドゥホ選手もクミから駆け付け、マススパーと思いきや完全本気モードでバシバシと打撃を入れていったことが思い出されます。あの時はDEEPでは戦えないUFCファイターの力を肌で感じたかったのでしょうか。

「僕は日沖選手とマルロン・サンドロの試合を会場で見ていました。UFCでも日沖選手はもっと活躍できると思っています。だから、あの時は自分の力がどれくらいのモノか試してみたかったんです(苦笑)」

──打撃のあと、グラップリング・スパーでも日沖選手と手を合わせたそうでしたが、キム・ドンヒョン選手に制せられ、スパーができなかったです。

「本当に残念でした。もの凄くスパーがしたかったのに、キム・ドンヒョン選手から日沖選手は疲れているからやめとけって釘を刺されました。で、あんなに体の大きなキム・ドンヒョン選手が日沖選手を抑え込み続けているのを、ジッと見ているしかなかったんです。僕もキム・ドンヒョン選手とスパーをすると、抑え込まれて何もできないんですが、日沖選手も同じだったので、安心したことを覚えています(笑)」

──なるほど。それにして、あのときのチェ・ドゥホ選手はカン・ギョンホともガチガチのスパーをしているし、キム・ドンヒョンやぺ・ミョンホが、日沖選手に付き合うなと助言していたのですよ。

「カン・ギョンホ選手とは本気モードになってしまうんです(笑)。普段の練習では、あんなことは決してないので誤解しないで欲しいです」

──その日沖選手、カン・ギョンホの両名ともフェザー級とバンタム級と階級は違えどもUFCでは苦戦を強いられています。そのような状況を顧みて、改めてUFCとはどのような場所だと感じていますか。

「だからこそ、一番強い男達が集まる場所なんだと思います。常勝の選手なんていない。強い選手も負けてしまう場所、それがUFCだと思います。日沖選手やカン・ギョンホ選手云々ということでなく、僕はやれるという自信があります。だから、今すぐにでもUFCに行きたいです」

■ UFN215対戦カード

<フェザー級/5分5R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
チェ・ドゥホ(韓国)

<女子フライ級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント(米国)
ジェシカ・ローズクラーク(豪州)

<ウェルター級/5分3R>
カマル・ウスマン(米国)
エミル・ミーク(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
ダレン・エルキンス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイムス・クラウス(米国)
アレックス・ホワイト(米国)

<ライト級/5分3R>
ポロ・レイジェス(メキシコ)
マット・フレヴォラ(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アイリーン・アルダナ(メキシコ)
タリタ・ベルナウド(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
カン・ギョンホ(韓国)
ギド・カネッティ(アルゼンチン)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ(米国)
カリンドラ・ファリア(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
JJ・アルドリッチ(米国)
ダニエラ・テイラー(米国)

<フェザー級/5分3R>
マイク・サンチアゴ(米国)
マッズ・バーネル(デンマーク)

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