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【ACB80】マスター・トライアングル=カラモフと対戦決定、水垣偉弥「選手生命を賭けた戦い」

Mizugaki vs Kalamov【写真】足を踏み入れてはいけないいロシア鉱山で、掘ってはいけないロシア人と2度目の対戦となる水垣。今回の相手は前回とは毛色の違ったグラップラー=カラモフだ(C)ACB

4日(木)、水垣偉弥がSNS上で2月16日(金・現地時間)にACB2戦目でムラッド・カラモフと対戦することを発表した。


ロシアとウクライナの間で帰属問題が起こったクリミア半島の対岸から、やや内陸部に入ったクラスノダールのバスケットホールで開催されるACB80。同大会に出場し、2年5カ月振りの勝利を狙う水垣は、現在3連敗中と後がない状況だ。UFCをリリースされ新天地として選んだACBの初陣でも、ルスタン・カリモフの前に3分20秒でTKO負けを喫している。

今回の相手カラモフは、そのカリモフの3位に続くACBバンタム級で4位にランクされているファイターで、これまでの戦績は8勝2敗。水垣が敗れたモスクワ大会=ACB71で彼もまたオレッグ・ボリソフの右ストレートにより、2分12秒でKO負けしている。

ともに再起をかけた一戦となるが、カラモフはその敗北が初めてのKO負けだったのに対し、水垣は3試合連続1RKO負けでダメージの蓄積が心配される。4カ月半で実戦復帰を水垣が決めたのは、脳震盪の分野で著名な医師の診察を受け、問題ないという了承を得たからだ。

またカラモフが、8勝のうち7試合で一本勝ちという戦績のグラップラーというのも、今の水垣の相手としては申し分ないという判断も働いたかもしれない。だからとって、カラモフは簡単な相手では決していない。スタイルマッチアップとして、カラモフはロシア人ファイターには珍しいブラジリアン柔術的な動きを頻繁に見せ、水垣としてはその寝技に持ち込まれると厳しい戦いが待ち受けている。

テイクダウンそのものにそれほど強さは感じないが、とにかく上からでも下からでもアグレッシブに動いてサブミッションを狙うのがカラモフの特徴だ。特にトップを取った状態でヒールを狙うなど、北米系のファイターではもうほとんどない攻めを見せる。

さらに水垣が注意をしないといけないのが、三角絞めだ。前述したようにカラモフは上からでも下からでも積極的にサブミッションを狙うが、三角絞めに関してはその両方にない、クリンチの攻防から飛びつきで極めたこともある。

加えてトップから攻めている時も、ニーインベリーやニアマウントの状態から自ら下になって三角を仕掛けて極めている。この際、足を組む以前に右足を相手の左ワキの下に深く差しいれ、ほとんどラバーの状態から三角に移行している。

またガードからも正面から腕を送って頭を引き付ける形だけでなく、対戦相手と垂直の状態で、限りなく縦軸で足を組んでクラッチを完成させるなど、一言で三角絞めといってもカラモフは何種類もの仕掛けとフィニッシュ方法を持つ──ロシアのトライアングル・マスターだ。

殴り勝つことが水垣のスタイルだが、リスクを考えるとトップをしっかりとキープすることが大切になっているが現状であり、その点からもどこからでも三角絞めを狙うカラモフとの対戦は、相当に神経をすり減らす戦いとなるだろう。

そんなカラモフ戦が決まった水垣は、背水の陣で臨むACB2戦目に関して以下のように意気込みを語っている。

水垣偉弥
「UFC復帰を目指しての初戦をいきなりコケてしまい、今回はもう現役生活を続けるため──生き残るための1戦になると思っています!!  ACBとの契約は残り2試合、本当に1戦1戦が選手生命を賭けた戦いになります。とにかく勝ちたい、それだけです!!」

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